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今現在世の中で起きている不都合な出来事はたいてい神のせい




「・・・・」




生きてる。


というか───


まだ存在できていた。



 半径約300メートル程に縮んだこの林檎の浮遊城で───

僕らはささやかなる愛を育んだ。


 それは、永遠とも思える空虚な時間に絶望して、泣きじゃくる彼女を

僕はそっと抱き寄せ、互いの心の隙間を埋めるべくして

いつしか互いを求め合い───。

僕たちは何度と無く体を重ねたのだった───。

チラッ



「・・・なにか?」



親愛なるウサミミファンの皆さんお待たせいたしました。

ご安心下さい、居られます。

えぇ居られますとも

彼女も。


「いや、別に、今日もステキなうさみみだなって───」


「・・・・・・」


怖ッ!





えーっと・・・

そうそう彼女とオレちゃん以外の登場人物であるところの

あの緑ジャージ神がずっと不在でしてね。

まぁ、観測者の皆さんはすでにご承知でしょう。





絶賛エタってます。






このタイミングでお伝えしなければならないのが非常に心苦しいのですが


皆様にお伝えしなければならないことがあります。


一部の方には非常にショックなお知らせになるとは思いますが


どうか落ち着いて聞いて下さい。





たまーにあのウサミミ外してブラッシングしたり

スペアに差し替えたりとこまめなお手入れしてるんですよ、彼女。

とれるみたいなんです、アレ(小声


「・・・・」


今すっげージト目で睨まれたのでこの話は終いだ。いいな?





さて、長い長い空白の時間のお話でもしましょうかね。

聞きたいでしょ? エタった物語の中の人の日常。

好きでしょ?人の不幸話。



「まず例の神、長期不在故、林檎の木が顕現されて以来───

 執筆活動によるところの大規模アップデート的な進展は

 一切ありませんでした。」


「そうですね。」

「彼氏さん方の期待とは裏腹に単なるソシャゲと成り果てた内容に

 増えない収益から唐突なるサ終が訪れたり」

「チープ過ぎる内容から配信後すぐに運営から無かったことにされ

 本当にファイナルになったりもしませんでしたね。」


そういう話する時すっごい楽しそうねキミ・・・

なんの事かオレにはサッパリわっかんねーよ


「ともかく、話進めねーもんだから、ドラマてぃっくな変化も

 話題性も一切訪れず。アタシゃ納得のいく量の詫び石を

 要求したい気分ですよ!」



「あの神にィ!!」



 そうそう、ラブだのソードだの詫び石の話は置いといて。

神といえば───


ずーっと姿を表さない奴にオレは最初、怒りを覚え

憎しみをも通り越しいつしかソレは哀れみへと変わり遂には


「もしやアイツ、向こうの世界で死んだんじゃねぇか?」


なんて心配もしたんですがね、何故って?

実はね、たまにね。出たんですよ。


振り向くと緑色の影がこう、スゥっとね。

またあるときは、林檎の木の節が目のように見えてね。

事もあろうにそれから視線を感じたり、することがあって。

ギャアァァァァ!!

怖いですねぇ


なんて、おそらくは自分の書いたへっぽこストーリーを神さん自身が

読み返してるっぽく。そんな奴を見てうさ子が───


「どうやら数少ないPVを稼いでいたのは神様だったようですね───」

「───何故仏様のような顔なのですか?メガネ」


「いや───アイツ、まだ情熱は冷めてないんだなって・・・」

「・・・はい」


なーんて仏様みたいな顔したウサミミ娘とイケメンメガネが

日向ぼっこしてる日もありましたとさ。


ど?ちょっとエモいっしょ?

ま、それはさておき。



 例の地面減少の件ですがね、そりゃもう穏やかに進んでました。

俺はいつしかシボんでることすら忘れかけていたんですが・・・。


 今から数ヶ月前に急激な縮小がありまして

ついぞ二人で木に登る寸前まで行キましてですね。

俺は木にしがみつきながら


「あー終わったー(希望・絶望・怨望)」


なんて叫んでたんですが。

いつの間にか、またもとの大きさに戻ったりして

一体なんの精神鍛錬だオラァ!なんて

枕を濡らす日ももありましたさ

あったんですよそんな危機が!えぇ。


何故危機かって?そりゃヤケになって

何度かそこの縁より奈落の淵に向かって

I can flyしたこともあります。

少女の罵倒が・・・いやソレもあるが

なんせ年単位で放置ですからね。

仕方ないね。


まぁ世捨て人になりたい気分もありましたよ。


するとどうでしょう、Respawnする仕様らしく

基本、初期位置に戻されるんです。

T字に腕を広げた、3Dキャラクターモデリングの

デフォ姿勢あるべ?あれで。


ただ最近はY軸が若干上方へズレてる様で

雪記アイスの背もたれ上にRespawn

後、落下。

強打するんです。股間を!

背もたれが突き刺さるように

毎回ィ!!



悲しいことだが、地上界の実時間で進んでましてね。ココ

死ぬ事も消滅することも許されずコレだけ時間が開いてたんだ。

自我を保っていられるヤツのほうがどうかシてる。


「・・・・なにかおっしゃいましたか?」


「YES MOM!なんでもございませんMOM!!!」


うさみみパイセンはその筋のプロなので今の話からは除外だ

イイな。



まぁそんなRespawn座標に関するあまりの理不尽さにわたくし

横に御出でになります博識なるウサ子様にその原因をお尋ねしました所───


カエルの国がどうとか、書籍化に関する権利移譲のアレがソレで

この場所の高度が以前より数メーター程低くなったのではないか

とかおっしゃっておいででしたが、股間の痛みをかーるく

超えてくるメタフィクショナルなその内容に何故か震えが止まらなくなって

咄嗟に耳をふさいだので詳しいことはアタシよく判りません。


ま、それもココ数ヶ月の話。


あぁそうそう。リンゴの木といえば。すくすくと成長を遂げ

最近じゃ広くなったり狭くなったりする地面と対照的に

その枝ぶりが縁を軽く越えて、観測者目線で言えば

ココの見た目はさしずめラピュ───

なーんてな!(超回避


 何故生命体の常識が通用しないこの世界で

唯一林檎の樹だけが成長するのか疑問に思ってたのだが

ある時、見てしまったんです。

ウサ子が健気にも水やりしているところを。

それも事もあろうにZO3型の如雨露で!!



この停滞した世界を動かすやもしれない


マジックアイテムじゃんソレってさ。


Zo3?いやいや水の方だろJK!



俺はそりゃもうすげー勢いでどこからその奇跡の水を

汲んでくるのか聞いたさ。

したら



サクっと死なされました。



そんなだって───

出来心ですやん。純粋な好奇心ですやん。

そんな塩対応されたらその液体が何か

嬉し恥ずかしみんなダイスキな

黄金色の神水か何かと思いますやん?

匂ったり試飲したくもなりますやん?


結局、その水の正体はわからないまま

謎の養分によって成長した木のおかげで

木陰が心地よく昼寝も捗る具合に成長したとさ。


で、その木になる林檎ですが

一年ほど前だったかなぁ───


鬱々と過ごす俺と対照的に伸びやかに成長する枝に

みずみずしく実るその実の赤い色にすら腹が立ち

食ってやろうと思いおもむろに木をよじ登って

もぎってみたんです。



美味なら良し。


毒りんごなら死、(のち)地上界に転生。


NOT RESPAWN. NOT GOLDEN BOMBER.


尚良。うーんヨシ



───とも思ってたんですがね。



瀬戸物でした。



食い物ですら無いの。バカジャネーノ?

そして儚げにパリンとすぐ割れた。


まぁ肉体はすでに失っているので、空腹等肉体的欲求がない分

食えなくても構わないのだけどね。

そんなオレちゃんを見てウサ子様が───


「観測者の心を表すその実、喜びや楽しみの結実。儚くも繊細なものですね」

などとドヤ顔してましたよ。


オイ、上手いこと言われてるぞ神コノ!

大事よ?マジで!こ・う・い・う・の!!


ま、そんな具合で

空腹もなきゃ当然衰え等もなく、ただひたすらに変化の

ない毎日が続いておりましたよ。いや

努めて続けてましたよ。


だって!良かれと思って何か事を起こす度に

絶対酷い目に合うのだもの!!

オ・レ・が!!


某終わらない8月も真っ青な変化もないくせに

無駄にリスキーでスリリングな日々を

送ってましたとも。



とまぁ、前回のお話から一体どれくらい経ったであろうか?

せっかく不思議の世界に居るうさぎちゃんなんだから

時間を操れる懐中時計でも持たせてもらってれば

どれだけ幸いだった事か。

特にオレが・・・


そんな中でも、イイことも有ってですね。

実は───


「残念ですがお時間だそうです。尺一杯だそうですメガネ」

「撮れ高十分だそうです。」


Oh! なんたらチューバーみたいだなYou!!



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