表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

刻むは錆び世

作者: 片結 あるふ

 止まる時計の針を指で押す。

 残された二本の針が褐色の指に追いやられ、重なり合って流れ出す。

 真実になりえぬ偽りの時間。

 住むも叶わず。詠むすら叶わず。

 問えば望みを返し。望めば妄言を吐く。

 吹きすさぶ灰色の風に打たれ、針は錆びを訴える。

 一層褐色を纏う指はそれに応えず盤をなぞる。

 意味もなく、時もなく。標を失くした針は巡る。

 一に止まれば後悔し。六に止まればやり直し。

 繰り返し、繰り返す。

 錆びに割かれ朱色が飾る。

 終に盤の数も穢れ、針押す指も止まる。

 ならば、すべては。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言]  素敵です。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ