6話
最初なので、さっき急に1時間登校に変更しました
私はギリギリで追い詰められてからやる派なので……
まあ、期限とか決まってるわけでないのでギリギリも何もないんですけどね
気持ちの問題です(笑)
明日からもなるべく頑張ります!
「これで、良いですか?」
「はい。かなり満足しました」
先ほどの、芝居をやり終え若干疲れた俺が鈴梨先生に問いかけると、やる前よりお肌がつやつやな鈴梨先生が元気よく答えてきた。
俺は、あれくらいで体は疲れることはないので、疲れたと言うのはもちろん精神がだ。
「それじゃ、俺はもうそろそろ帰りますね」
「はい。今度こそさようなら」
うーん。字面だけ見るなら感動の場面に見えなくもない?
そんなことないな。気のせいだ。
手を振ってきた鈴梨先生に、手を振り返しながら広い教室から出て校外へと向かった。
向かったのだが……
「ははは!これで、これは俺のもんだ!盗ったぞー!」
見るからに悪面の男子生徒が、見るからに影が薄そうな男子生徒が持っていた武器を取りそう叫んでた。
もう、授業が終わってからそこそこ経つのにまだいたのか!?(自分のことは除外してます)と思うほどの人だかりの中にその光景があった。
よくよく見ると、九宇と辜月もいた。
「げっ!源八がいる……」
がたいがよく熊みたいな体をしていて、頭にはちょん髷がある。
そして何より……ものすごくでっかい大剣を持ってる。
「わかりやすいなあいつ」
ちなみに、源八は高等部2年だ。
年上なのだが、俺とは仲が良く呼び捨てだ。
あいつは見た目怖い感じだが、内面はかなり優しい。
そんなことを考えていると、九宇が俺を見つけたようでこっちに向かって来い来いと手でいってくる。
俺は、呼ばれたので素早く九宇のとこまで移動する。
遅いと何言われるかわかったもんでないからな。
「……遅い」
うん。急いできても言われるようでした。
どうしろと!?
「ごめんごめん。これでも急いだんだけどね」
「……降りて来ればよかった」
九宇が言葉が少ないのはいつもなので、もうなれた。
だから、1年G組の教室(3階)をでてすぐのところから降りてきてるのに、どういう意味とはならない。
もちろん、自分が降りてくれば良かったでもない。
ようは、こいつはあの3階からそのまま外に出て、降りて来いよ!と言っているのだ。
「いや、できるけどもさ。でも、普通は生徒玄関から出るでしょ。しかも、外靴履いてなかったし」
「……普通じゃない」
「…………」
「兄ちゃん諦めちゃいなよ」
いや、そんな最後に☆が付いちゃいそうな漢字で言われても、困るし。
しかも、なんだか目立っちゃってますよ。
さっきまで、中心のほうに目がいってたのに、今じゃこっちに向けられてるよ。
「いや、兄ちゃん。そんなおどおどしないでよ。緊張しちゃうのはわかるけど」
「い、いや、弟よ。こんなに注目されると、きつい。俺の皹が入りまくったガラスハートが砕け散る。それも粉々に……」
「……ふっ」
「おい、九宇!何鼻で笑ってやがる!」
九宇の表情はほとんど変わらないのだが、それもでほとんどだ。
長年いると、わかるくらいには一応変わっている。
そして、今こいつは嘲るような表情をした。
「うるせーよ、お前ら!今俺が目立ってるとこだから引っ込んでろ!」
さっきの悪面の男が言ってきたが、こっちは絶賛九宇と(目線での)大戦中なので、聞こえてても反応するわけにはいかない。
なぜなら、負けられない戦いがそこにあるから。
「……妄想乙」
「うわぁーー!」
俺は泣き崩れた。
また、負けてしまった。
俺のひびが入っているガラスハートはもう落ちる寸前だ。
そんな時、救いの手が肩に置かれた。
新しい桃前家の人物を出しました
これからは、キャラが増えて……いくと思います
誤字・脱字ありましたら言ってください