二日目
身体中が痛い。
きしきしと痛い。
クビが一番に痛い。
昨日の夜はあまり寝れなかった。布団はダメだったので毛布を何枚か集めて丸まって寝てた。
話合いの結果、この家がきれいになるまでは寝泊まりの時ビジネスホテルに行くと決定した。
けど、膨大なごみをどこから片付けようか考えると気が萎える…。
とりあえず小ネズミくんの様子が気になったので昨日の残りのかやくをもっていった。
ちちっちぃちぃちぃーっ
相変わらずもちにくっついたままだが、幾分か元気になったみたいだ。
ネズミが減らない理由はこの生命力の強さなんだろうな…。
えさを口に運んでやると嬉しそうに食べてるように見える。
(まぁハムスターもネズミだし、顔とか似てんな…)
ただ黙々と小ネズミくんを観察し、時々引張って取れるか実験してみるが、やっぱり取れないようだ。
(簡単にとれたらこんもん売れないもんな〜。小ネズミくんよ悪いな。)
とりあえず見つからないような場所に避難させようと思い、ウロウロしてみた。
見つかったら駆除されるかわからないからだ。
小ネズミくんの新たな家?は台所奥にある物置の陰に決定した。
ちゅっちぃちぃ
どーやら気に入ったみたいだ。
小ネズミくんの仲間が集まらないように周りに堤防まで作ってやる。
まるで秘密基地を作ってるみたいな感覚だ。
(私もまだまだ子供じみた事をするな…)
フッと鼻で笑って秘密基地を後にした
私はこの状況と妄想をねり混ぜながら片付けを淡々とした。
―まず、敵はごみの山。もちろんネズミもゴキブリもだ。
あの小ネズミくんは残念ながら捕まってしまった捕虜なのだ。
だが我々の真の目的は敵の巣、つまりこのボロ家の破壊だ…。
なぜ破壊するかというと敵に占領寸前まで追いやられた我が軍(父の一家)。とうとう父一人になった。
しかし父は別の基地をもっており、そこを統括する立場の上に私達を養うという任務が残っているため基地をやむなく破壊となった。
そんな事を考えてたら思わずフッとまた笑ってしまった。
「不気味な子ねーアンタ今何に笑ったのよ?」
母がどうやら見てたようだ。
なんとも目敏い女だ…
「別に」
説明するのも億劫でいつもと同じ決まり文句を言う。
本当に冷めた子ねーっもうちょっと可愛いく笑いなさいよね〜
母の声を聞えないフリをして、私は目前の敵を片付ける事に専念した。