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第9話  逃亡

 第9話  逃亡


 病室の空気は凍り付いたかのようだった。

 ゼンは正確に看護師の()()の胸元めがけて、銃の照準を

合わせていた。

ゼン「そこまでじゃ。観念せい」

佐良「宮沢は-どうしたのかしら?あの子は見張りにおいておいたのだけど」

ゼン「ワシが来た時には廊下で気絶しておったわい」

 すると、カンナが現れた。

カンナ『少し、脅かしたら、泡ふいて、気絶したわ』

ユウト『そ、そっか。ありがとう、カンナ』

カンナ『それより、ナース・コールを早く押しなさい』

ユウト『う、うん』

 そして、ユウトはナース・コールを何度も押した。

 それに、佐良は気付いた。

佐良「フッ・・・・・・。ここまでか・・・・・・。でも、中々、楽しかったわ。

   ふふ、さようなら」

 そう言い残し、佐良はユウトの方へ、ナイフをきらめかせ、

駆けてきた。

 そして、ユウトの胸部に、ナイフが吸い込まれていった。

 それから、佐良は窓を破り、3階から、逃げ出した。

ゼン「ユウトッ!」

 と、ゼンは叫び、地面に両膝をつくユウトに、駆け寄った。

ユウト「あ、ゼンさん・・・・・・」

ゼン「お、お前・・・・・・無事なのか?」

ユウト「あ、うん。防弾チョッキを着てたから」

ゼン「そ、そうか・・・・・・。まぁ、聞いてはいたが、ゾッとせんぞ・・・・・・」

ユウト「でも、首とか狙われなくて、良かった・・・・・・。

    もし、狙われてたら、死んでたかも知れない・・・・・・。

    まぁ、ウールのマフラーは-してましたから、致命傷

    には-成りづらいだろうけど」

ゼン「お前という奴は・・・・・・無茶し過ぎじゃ・・・・・・」

 そう言って、ゼンはユウトを抱きしめるのだった。

 すると、宿直の看護師が駆けてきた。

 それを見て、ゼンは急いで銃を(ふところ)に-しまうのだった。

看護師「高坂さんッ!大丈夫ですか・・・・・・え?」

 と、看護師は割れた窓ガラスを見て、絶句するのだった。

ユウト「あ・・・・・・いや、これは、その・・・・・・。

    す、すみませんッ!」

 そして、ユウトとゼンは窓ガラスを割った事を謝罪する

はめとなったのだった。


 ・・・・・・・・・・

 ゼンは看護師と医師に-こってりと絞られており、一方で、

ユウトは-こっそりと抜け出していた。

 そして、ユウトは隣の空き部屋に倒れている看護師の宮沢

を見つけた。

ユウト(ゼンさん-が、移動させたんだな)

 そして、ユウトは宮沢の(ほほ)を叩いた。

宮沢「う・・・・・・」

ユウト「おはよう-ございます」

宮沢「ええッ!な、なんで君が・・・・・・」

ユウト「佐良さん-なら逃げましたよ」

宮沢「え?ええッ?・・・・・・もしかして、ばれてた?」

ユウト「はい。ばれてましたね。共犯だったんですよね。

    二人は」

宮沢「いや・・・・・・それは・・・・・・その・・・・・・」

ユウト「でも、多分、佐良さんは、宮沢さんを(おとり)にしようと

    思ってましたよ、最悪の場合」

宮沢「えっ?ど、どういう事?」

ユウト「佐良さんは、僕が宮沢さんの事を聞いた時、

    素直に個人情報を教えてくれました。

    転勤したばっかとか、人付き合いが悪いとか」

宮沢「そ、それって・・・・・・」

ユウト「恐らく、最悪、警察が捜査に乗り出しても、宮沢

    さんに疑いの目がかかるように、してたんだと

    思いますよ」

宮沢「嘘・・・・・・。って、問題は-そこじゃ無くて・・・・・・。

   あ、あのね・・・・・・。もしかして、佐良は、失敗した?」

ユウト「はい。ゼンさんは生きてます」

宮沢「やばい・・・・・・どうしよう・・・・・・殺される」

ユウト「殺されるって誰にです?」

宮沢「そ、それは、佐良によ・・・・・・。き、君ね。本当に、

   命知らずよ・・・・・・。佐良はねぇ、生粋(きっすい)の人殺しよ。

   あいつはねぇ、無神論者で、人を殺すなんて、

   何とも思ってないのよ・・・・・・。

   きっと、今回ミスった私も殺される・・・・・・」

ユウト「え・・・・・・ええと。なら、警察にでも保護してもら

    えば」

宮沢「それこそ、殺されるわよ・・・・・・。警察や囚人にも、

   組織の人間は居るモノ・・・・・・。刑務所ポックリ-

   なんて、良く聞くでしょ?」

ユウト「うーん・・・・・・。それは困りましたね」

宮沢「あ、あんたのせいでしょッ!何とかしなさいよッ!」

 すると、ゼンが現れた。

ゼン「よう。やっと、解放されての。金を払ったら、素直に

   戻ってくれた」

ユウト「あ、ゼンさん」

宮沢「ヒッ。こ、殺さないでッ・・・・・・」

 と、宮沢は(おび)えながら言うのだった。

ゼン「殺しはせん。じゃが、お前さんを-そう簡単に許すワケ

   には-いかんのう」

宮沢「な、何でもします。許して下さい・・・・・・」

 と言って、宮沢は土下座した。

ゼン「ふむ・・・・・・。なぁ、お前さん。話は少し、聞いとった。

   よければ、ワシと逃げんか?」

宮沢「へ?」

ユウト「ゼ、ゼンさん。この人は、ゼンさんを殺そうとして」

ゼン「まぁ、そうなんじゃが、お互い逃げねばマズそうじゃし

   のう。それに、ワシも体が本調子じゃないからのう。

   看護してくれる人が-おると助かる」

ユウト「でも、この人、裏切るかも-しれませんよ?」

宮沢「あ、あんたねぇッ!なんて、人聞きの悪い事をッ!」

ユウト「うるさいなぁ・・・・・・。この人殺しッ!」

宮沢「ええッ?いや、その・・・・・・それは、その・・・・・・。

   でも、私、基本、殺しには協力しなくて・・・・・・。

   普段は、窃盗(せっとう)とかの協力がメインで・・・・・・」

ゼン「いやぁ、しかし、ユウトが珍しく怒ったのぅ」

ユウト「そりゃ、怒りたくもなりますよ」

宮沢「あーん、許してくださいー」

 と、宮沢は半泣きになって、謝った。

ユウト「ゼンさん、この人、絶対に嘘泣きですよ」

宮沢「そんな事、ないです、クスン」

ゼン「うーん。まぁ、困ったのう」

 と、ゼンも考え込むのだった。


 ・・・・・・・・・・

 その頃、佐良は夜の街を駆けていた。

 そして、裏路地に入り、呼吸を整えた。

佐良「はぁ・・・・・・はぁ・・・・・・ああ、楽しかった」

『そう、それは良かったわね』

 との声が何処からともなく響いた。

佐良「誰・・・・・・?」

 そう言いながら、佐良は-いつの間にかサバイバル・ナイフを

取りだしていた。

 すると、カンナが壁から現れた。

佐良「これは・・・・・・何て事、ついに、私も-オバケが見えるように

   なったのかしら?」

 と、嬉しそうに言った。

カンナ『・・・・・・そう、私は霊。でも、お前の周りには、多くの

    霊体が渦巻いている。それは、お前が今まで殺して

    来た死者の怨念(おんねん)

佐良「ハハッ!そんなモノ、意味が無い。死ねば終わりなの。

   お前達は無力だッ!何も出来はしないッ!ただ、怖がらせ、

   震えさせる事しか出来ない。でも、私は、お前達を

   恐がりはしないッ!残念だったわね、アハハッ!」

カンナ『・・・・・・お前は統合-失調症を知っている?』

佐良「?精神障害の一種でしょ?」

カンナ『今から、お前は-それになるわ。お前には、霊を見る

    素質がある。でも、お前の背後霊が、見えないように

    守ってくれていた。その力をこれから取り除く』

佐良「背後霊?何を言って」

カンナ『すぐ、分かるわ。死者の存在を間近で感じなさい。

    そして、病院に行って-お医者さんに言うといいわ。

    幻聴がするんです、幻視がするんです、ってね』

佐良「だから、何を言って」

カンナ『見えざるモノを見、聞こえざるモノを聞きなさい』

 そう言って、カンナは指を鳴らした。

 次の瞬間、佐良は周囲に人々の手が伸びているのを見た。

 さらに、死者のうなり声が佐良の耳に入ってきた。

佐良「ッ・・・・・・な、なんだ。これは・・・・・・。なんの-まやかしだ」

カンナ『さぁ?それは-お前の受け取りしだいじゃないかしら?』

佐良「今すぐッ!これを元に戻せッ!私の目を耳をッ!

   おいッ!この肌触りを何とかしろッッッ!

   おいッッッッッ!」

 そう叫び、佐良はナイフをカンナに向けた。

カンナ『嫌よ』

佐良「死ねッ!」

 そう叫び、佐良は何度も、何度もカンナをナイフで切ろうとした。

 しかし、それは空を切るばかりで、カンナに触れる事は

かなわなかった。

カンナ『私を殺したければ、もう少し、どこかの宗教で修行を

    積んでからにしなさい。ああ、でも、お前は無神論者

    だったか。なら、一生、私には触れられないわね」

佐良「ああああああああああああああああッッッ!」

 と、叫び、佐良は半狂乱になって、暴れ出した。

 しかし、カンナは煙のように消え、佐良の前から姿を

消すのだった。

 残された佐良は、絶叫をあげながら、まとわりつく死者達に

ナイフをふるい続けるのだった。


 ・・・・・・・・・・

宮沢「お願いですー。信じてください。私、何でもしますから」

ユウト「ゼンさん、こいつ、絶対に、寝込みを襲いますよ。

    もしくは、毒を盛るとか」

宮沢「お、お前。さっきから人を何だと」

 すると、突如、カンナが現れた。

 それを見て、宮沢は絶叫をあげた。

カンナ『お帰り』

ユウト『ただいま。何処(どこ)に行ってたの?』

カンナ『まぁ、殺人狂に、お(きゅう)をすえに』

ユウト『そ、そう』

カンナ『それより・・・・・・』

 そう言い、カンナは宮沢に近づいていった。

宮沢「ヒィィ。待って、助けてッ!ごめんなさいッ!わ、私が

   悪かったから・・・・・・。わ、私、知らなくて」

カンナ『・・・・・・私の声、聞こえる?』

宮沢「ひぃッ、き、聞こえます」

 その様子をゼンは怪訝そうに見ていた。

ゼン「のう・・・・・・ユウト、これは・・・・・・」

ユウト「宮沢さん-は幽霊が見えるって話です」

ゼン「・・・・・・マジか?もしかして、そこに-おるんか?」

ユウト「はい・・・・・・」

ゼン「・・・・・・ユウト、お前さんと居ると、退屈せんわ」

ユウト「そ、そうですか?」

 一方で、カンナと宮沢は会話を続けていた。

カンナ『というワケで、もし、今後、ユウトやゼンに迷惑を

    かけたら、呪い殺すわよ』

宮沢「ヒィッ、しません、しません。良い子になりますから」

カンナ『なら、一度だけ信じるわ。ただ、忘れないで。

    私は-いつでも、お前を見ているわ。

    次に私が-お前の-前に姿を現す時、それは、お前の

    最期よ』

宮沢「はいッ!はいッ!すいませんでした・・・・・・」

カンナ『うん。よろしい。じゃあ、後はユウトに任せるわ』

 そして、宮沢はユウトの方に向き直った。

宮沢「ええと・・・・・・如月(きさらぎ)さん・・・・・・。その・・・・・・チャンスを

   くれませんか?」

 それに対し、ユウトは-ため息を()いた。

ユウト「・・・・・・まぁ、ゼンさんに任せます」

 それに対し、ゼンは-二カッと笑った。

ゼン「よっしゃ。なら、善は急げじゃ。さっそく、逃げると

するかのう」

宮沢「は、はいッ!」

 そして、宮沢はゼンに付き従った。

ユウト「ゼンさん、気を付けて」

ゼン「おう。まぁ、安心せい。昔、馴染(なじ)みじゃったモグリの

医者の所に行こうと思っての。京都じゃから遠いがの」

ユウト「そっか、じゃあ、お別れだね」

ゼン「おう。なぁ、ユウト。ワシらの業界はのぅ、たとえ恩人

   であろうと、容赦(ようしゃ)なく(だま)し、金を巻き上げる

   事も多い。じゃが、ワシは、お前さんから受けた恩を絶対に

   忘れん。いつか必ず、お前さんに恩を返す。必ずじゃ。

   それを忘れんどくれ」

ユウト「うん」

 そして、二人は握手をかわした。

ゼン「じゃあの」

 そう言ってゼンは-ゆっくりと病室を去って行った。

 その後を宮沢は続き、ユウトに頭を下げ、退出していった。

 それをユウトは部屋から見送るのだった。

しばらく、ユウトは-そのままで居た。

ユウト「さて・・・・・・部屋に戻ろっか」

カンナ『ええ。そうね』

 そして、二人も歩き出すのだった。


 ・・・・・・・・・・

 翌日、ユウトの病室には見舞いが訪れていた。

 そこには、ユウトの両親と、同級生のシュウと、車いすに

乗ったルリの姿が見えた。

シュウ「いやぁ、でも、もう、すっかり元気なんじゃねぇの?

    ユウト」

ユウト「まぁね。おかげさまで」

 すると、ユウトの母がリンゴをむいて運んできた。

母「シュウ君も、これ、どうぞ」

シュウ「あ、ありがとう-ございます」

 そう言って、シュウはリンゴを受け取るのだった。

母「ルリちゃんも-どうぞ」

ルリ「ありがとう-ございます」

 そして、皆はリンゴを仲良く食べるのだった。

 すると、ユウトの父が口を開いた。

父「しかし、シュウ君は、(れい)(せい)-学園の野球部のスタメンだ

  なんてなぁ。いや、私も野球は好きでね。若い頃は、

  野球部に一時、入ってた事も-あったくらいだ」

シュウ「あ、そうなんですか。今年は頑張りますんで」

父「そうか、となると、やはり応援に行かないとな。

  ユウト、母さん」

ユウト「うん」

母「そうね。お弁当、持って」

 すると、ルリが口を開いた。

ルリ「あ、あの・・・・・・私も連れて行ってもらって-いいでしょうか?

   いえ、その・・・・・・迷惑じゃなければ・・・・・・」

母「もちろんよ。後で、ルリちゃんの-ご両親に、ご挨拶(あいさつ)

  (うかが)わないとね」

ルリ「あ・・・・・・はい・・・・・・」

シュウ「あ、あの・・・・・・。ルリの親は、その・・・・・・い、(いそが)しくて、

    滅多(めった)に病院に来れないんです」

母「あら、そうなの・・・・・・。なら、寂しいんじゃない?」

ルリ「・・・・・・はい」

母「なら、良ければ、おばさんが毎日、お見舞いに来ようかし

ら?」

ルリ「い。いいんですか?」

母「ええ。昼間は暇だしね。最近、自動-皿洗い機と、圧力鍋を

  買ってから、家事が楽なのよね」

ユウト「ああ、義母(かあ)さんのチャーシュ-、食べたい・・・・・・」

母「はいはい。ちゃんと退院したら作って-あげますからね」

 すると、ルリから腹の()が響いた。

シュウ「今のって・・・・・・」

ルリ「う、うるさい・・・・・・。チャーシュー、おいしそう」

母「なら、いつか-お土産に持って来てあげるわね」

ルリ「ほ、ほんと-ですか!」

 と、ルリは目を輝かせながら言った。

母「ええ。そんな事で良ければ」

父「ただ、お医者さんに一応、許可をもらってからだな」

母「ええ、そうね」

 と言って、母は微笑(ほほえ)むのだった。

 それから、ユウト達は楽しく談笑をして過ごすのだった。


それをカンナは黙って見ていた。

ユウト『カンナ?どうかした?』

カンナ『・・・・・・別に』

ユウト『もしかして、輪に入れなくて、寂しいとか?』

カンナ『別に・・・・・・』

ユウト『なら、後で俺と-おしゃべりしようよ。カンナって、

    好きな漫画とかある?』

カンナ『・・・・・・私に語らせると長くなるわよ』

 と、カンナは不敵な笑みを浮かべ答えるのだった。

ユウト『それは、楽しみだ』

 と、答え、ユウトも微笑(ほほえ)むのだった。

 そして、日は暮れていった。


 ・・・・・・・・・・

 ゼンと宮沢はタクシーに乗って、京都へと向かっていた。

 そして、高速のパーキング・エリアで、一時、休憩となって

いた。

運転手「すみません、ちょっと、トイレに行かせてもらいます」

 と言って、運転手は去って行った。

 一方で、ゼンは-いびきをかいて寝ていた。

宮沢「・・・・・・ほんと、不用心よね。客側と運転側は-しきられてる

   とはいえ、お金を置いて行っちゃうなんて」

 と、(つぶや)くのだった。

宮沢「でも、それ以上に不用心なのは、この人ね」

 そう言って、宮沢はゼンの寝顔を見つめた。

 すると、宮沢は-クスクスと笑い出した。

宮沢「ほんと、無邪気(むじゃき)に寝てるのね。泣く子も黙る

   事件屋さんなのにね」

 そう言って、宮沢はゼンの髪を優しく()でるのだった。

 すると、ゼンが目を開けた。

ゼン「ん?どうした?」

宮沢「何でもないですよー」

 と、宮沢は-うそぶいて答えるのだった。


 ・・・・・・・・・・

 その頃、アサギは、パソコンでメールに目を通していた。

アサギ「・・・・・・やれやれ、世の中、上手(うま)く行かないモノだな。

    まぁ、いいさ。楽しみを後に取っておくのも良い。

それよりは、そろそろ都議選の準備をせねばな」

 と言って、アサギは-クックと笑うのだった。


 ・・・・・・・・・・

 病室ではユウトとカンナは二人で話していた。

カンナ『そう言えば、ゼンの持ってた銃って本物だったの

かしら?』

ユウト「うーん、多分、モデル・ガンじゃ無いかなぁ?

    まぁ、今度-会ったら、聞いとこ」

カンナ『そうね。でも、良く頑張ったわね。

    やれば、出来るじゃ無い』

ユウト「あ、ありがとう」

カンナ『どういたしまして』

ユウト「・・・・・・ところで、こんな感じで救ってけば-いいのかな?

    いや、救うって言い方だと偉そうな感じだけど」

カンナ『ええ。その通りよ。次の子は・・・・・・』

 そう(つぶや)き、カンナは窓から月夜を見た。


 満月の(もと)、男達の-うめき声が聞こえた。

 そして、倒れ、悶絶(もんぜつ)する男達の前に、一人の女子高生が

立っていた。

女子高生「予感がするわ。何か、何かが私に起きようとして

     いる。フフッ、楽しみね」

 そう言って、女子高生は-その大きな胸を軽く揺らしながら、

夜の街へと消えていくのだった。


 ・・・・・・・・・・



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