青龍の祠
色々とミスが起きて、内容が多少変わってしましました…
すみません。
『おい、こら。起きろー』
何かが顔に当たる感覚がある。
なんというか…顔の上で小さなものが跳ねている気がする。
『おいー、起きろってのー』
陽矢「…うっ…?」
目を開けると…目の前で、蛍のようなものがぴょんぴょん跳ねている。
…どっかで聞いたような声。
『よーし、目が覚めたな?
…ったく、再会したと思ったら、ぶっ倒れてるなんて驚いたぜ』
陽矢「…再会…?
…って、ああッ!?アンタあの時の〝声〟!」
〝声〟…それは、神奉神社で夜月と戦った時(正しくは夜月の一方的な攻撃)に、『すこーし手伝ってやる』などと言ってあれこれ指示したくせに最後は勝手に消えた…あの〝声〟だ。
陽矢「あの時死ぬかと思ったんだぞ…しかも笛出せとか言って…まだ生きてるからいいけどさ…」
『ま、まあまあ…たとえどんなに血が昇ってても、アイツは人を殺めることは絶対しないからよ…まあ、結果オーライじゃないか?今は共に旅してるんだからよ』
このヤロ…。
陽矢「…で、アンタ。そんな姿してたんだな」
『は?…あ、いやいや違うぜ?俺ホントは人間だぞ。
色々あって、こんな姿にさせられたんだけどよ。
ちなみにお前より年上だぞ俺。あ、だからって敬語なんて使わないでいいからな』
陽矢「いや、話が急すぎるんだが…」
『俺の名…そうだな…今は本名とか名乗れねえし…
…よし、俺のことは“レキ”って呼んでくれ』
陽矢「人の話聞けよ」
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現在、陽矢のいる場所をレキが話した。
レキ『ここはな、“青龍の祠”っていうんだ。祠といっても、洞窟っぽいけどな。
んで、ここには5神の一人。青龍が祀られてんだ』
陽矢「5神?」
レキ『ここ日神祀で祀られている5人の神様のこと。
東に青龍、西に白虎、南に朱雀、北に玄武。そして中心に…
…いや、これは自分の目で確かめな。多少の面白味もないと旅もつまんないだろ?
まあ、その方が物語の都合的にも良いらしい』
陽矢「…?」
やめなさい 裏話するのは。主人公が理解できないでしょうが。
──その頃、夜月たちはというと…
村長・ミクマリの家で、陽矢たちが戻ってくるのを待っていた。
桃芽「まったく…夜月は心配症ですね。月狼をつけるなんて」
夜「わざわざ月狼にいかせる点をみると、自分で行くのが照れくさいようですね」
夜月「……うるさいぞ、お前たち」
そんな雰囲気を掻き消すかのように、月狼が戻ってきた。
そこに陽矢の姿はない。
夜月「…アイツはどうした?」
夜月が問いかけると、月狼は酷く怯えた様子で夜月の腕に飛び込む。
その様子を見て、桃芽が言った。
桃芽「…もしかしたら、陽矢君の身に何かあったのでは…」
それを聞いた瞬間。
夜月が月狼を連れ、外へ飛び出していった。
桃芽「夜月…!アナタ怪我して…」
夜「私たちも追いますぞ!…失礼」
桃芽「ちょ…ちょっとっ!?」
桃芽を抱え、夜も夜月の後を追っていった。