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陰陽師物語  作者: 睦月火蓮
弐幕
7/61

東清村

※前書きではなく思いっきり本編

------------------------

──真っ暗な、何もない世界。

 陽矢はそこを歩いていた。


しばらく歩いていると、目の前に…


『…朝美…!』


陽矢は、急いで駆け付けると…


『…!?』

陽矢「──うわあ!?」


飛び起きると、目の前には…


「あー陽矢、気がついたんだね」


この口調は…。

行方不明になった巫女の一人…綺羅がそこにいた。


陽矢「…お前…なんでここに…?」


綺羅「へ?」


二人「「……………」」


綺羅「…\(^o^)/」


陽矢「はあっ!?今何て!?…今の何語!?」


「…静かにせんか。騒々しい」


横を見ると夜月たちが座っていた。

よく見ると、夜月は治療等を受けたあとが見られる。


夜月「まったく…いきなり倒れよって。

 先ほどまで眠っていたのが嘘のようだな」


皮肉を込め、陽矢に言う。


陽矢「何だと…」


陽矢が夜月に文句を言ってやろうとしたが、

綺羅に耳打ちをされてその気はなくなった。


綺羅「実は一番心配してたんだよ、夜月お姉ちゃん」


夜月たちの方を見ると、夜と桃芽が頷いていた。


夜月「…お前たち。後で覚えておれ」

------------------------

しばらくすると、誰かが来た。

どうやら女性のようだ。


「はじめまして。私はこの村の村長、ミクマリと申します。

 使いの者から、既に話は聞いております」

話を聞くと此処は東清(トウセイ)村といい、陽矢たちのいる所は村長の家。

誰かの術でここに移動させられたのか、気が付いたらこの村にいたらしい。

夜曰く、移動した場所がかなり雑だったとか(空中)。

ちなみに、夜月の傷は着地の際に陽矢を庇ったためらしい(桃芽・綺羅談)。


綺羅「…そういえば陽矢、ずっと魘されてたみたいだけど…悪い夢でも見た?」


悪い夢…。

確かにあれは悪夢だった。

嫌なほど現実味があった…


綺羅「…どんな夢?」


陽矢「え?ああ…」


あれは夢の出来事。

だか…話すにも話せない。


桃芽「……『お嬢に刺された』…そういう夢ですね」


その通りだった。

しかし、それほど顔には出てな…


綺羅「あ、それみたい」


…出ていたようだ。

それを聞いた途端、夜月の顔が変わった。


桃芽「…先程、夜月も同じようなことを言っていましたわね」


夜月「…」

------------------------

陽矢は、一度村の様子を見に行ってみることにした。

東清村は川が多く、ここまで綺麗な水を見るのは初めてだった。


陽矢「魚が泳いでるってことは、水が綺麗なことなんだよな(?)」


月狼「ワンッ!」


陽矢「…って、ついて来てたのか」


「…ねえ、君」


陽矢「…?」


横を見ると…自分と似た少年が立っていた。

しかしよく見ると…どこか自分と違う。


「…君、名前なんて言うの?」


陽矢「俺?…道陰 陽矢だ」

「僕は…陽炎(カゲロウ)っていうんだ」


陽炎。

この村の子供だろうか…?


陽炎「陽矢。君はこの村に来たのは初めてかい?」


陽矢「ん、まあ…この日神祀に来たこと自体が初めてかもな」


陽炎「へえ…そうなんだ」


陽炎と話していると、気のせいだろうか。

…視界がぼやけてくる。


陽炎「…どうかしたかい?」


陽矢「え…いや…なんでもない。

 …あ。そろそろ戻るか…」


陽炎「そうかい…それじゃ…


































──せいぜい迷子にならないように…」


陽矢「…え?」


突然、陽炎の眼の色が変わった。

そのことに気を取られ、その隙を突かれた。


陽炎「君の存在は色々と厄介でね、一度消えてもらうよ」


陽矢「しまっ…!」


一瞬のうちに、陽矢がその場から消えてしまった。


陽炎「…これもすべて、我が主…天邪鬼様の命令。

 …悪く思わないでくれ」


陽炎は、突然消えた陽矢を心配する月狼を見つけると一言。


陽炎「…君は、ご主人様のもとにでも戻ったらどうだい?」


ゾッとするような陽炎の笑みを見て、その場から逃げるように月狼は夜月たちのもとに急いで行った。

月狼が見えなくなると、誰に言うでもなく言った。


陽炎「…さて、どうなるかな。

 全ては…君次第だよ、陽矢」

作者の一言…


陽矢(ようや)陽炎(カゲロウ)って名前表示がパッと見区別しづらい。

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