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【監視者】
「…」
「やァ。捗ってルー?[Ⅰ-109]」
「また貴方ですか。[Ⅲ-063]アイメ」
無表情なまま目の前の記録作業を黙々と続ける[Ⅰ-109]の前に、猫耳がついたパーカーのフードを被り飄々とした[Ⅲ-063]アイメと呼ばれる少女が現れた。
それでも[Ⅰ-109]はアイメに目を向けることなく本に記録をしている。
アイメ「冷たいナー。[Ⅰ-109]」
[Ⅰ-109]「私は作業を続けるだけなので」
アイメ「キミは生真面目だネ…、本当に初代の記憶を受け継いでいるんだカ」
[Ⅰ-109]「邪魔をするなら、貴方も仕事に戻ってください」
アイメ「監視するのって正直ボクも疲れるんだヨ。こうしてキミに報告書を提出しに来てるんじゃないカ」
[Ⅰ-109]「…これのどこが報告書ですか」
アイメ「報告書だヨ?」
[Ⅰ-109]「なんですか。『特にナシ。前回と同じ』って。やり直してください」
アイメ「えぇー…面倒だなァ…」
愚痴をこぼしながら、[Ⅰ-109]のいる部屋から去っていく。
[Ⅰ-109]「…『心』。私には理解しがたいシステムです」
一人だけの部屋で、ひとり呟いた。




