母と子
その日の夜。
俺は倭代さんからの伝言で俺が呼ばれたらしい。
誰かというと、それは…。
六花「こんなに大きくなって…元気そうで何よりよ、陽矢」
陽矢「…母様」
六花「なんだか、あの頃よりもお父さんに似てきたわね…」
俺の頬に触れる手から伝わる…あの頃よりもなんだか弱々しくて、今にも目の前から消えてしまうんじゃないかと思えるほど弱っていた。
母様はここの巫女。病弱であって、そして…妖気に弱い。
だから…妖気の溢れている今の状況だから、こんなにも…。
六花「…おやおや。泣き虫なのは変わらないのね…」
陽矢「…だって…」
六花「大丈夫。貴方とこうして会えたんですもの…子供の貴方達を残して、母様はまだ死なないわ。
ほら、いらっしゃい」
陽矢「…」
小さい頃に、俺が泣くたびによく母様に抱きしめてもらっていた。
懐かしくて幸せで、同時に辛くて…。
陽矢「…俺、絶対に…父様を、見つけるから…」
六花「ありがとう、陽矢…。無理はしないでね」
陽矢「…うん」
俺は母様の部屋を後にして、寝室に戻ろうかと思ったが…寝室には暦達が俺のフォローをしてくれるとはいえ夜月と桃芽がいるだろうし、なにより…。
陽矢「こんな赤い目で行くなんて、流石に恥ずかしいな…」
戻ったら笑われるか、それとも心配されるか…。
少なくとも夜月は後者の方だろうが。俺を記憶の中の「ヨウヤ」と重ねているだろうし。
…ていうか本人に本人を重ね合わせるなんて、おかしな話だよな。
陽矢「やれやれ…しばらくどこにいってるか…。…ん?」
いつの間にか俺の両肩に小動物が…。
陽矢「でー…なんで俺の肩に乗ってるんだ?月狼、火狐。ご主人様はどうしたんだー?」
月狼「ワン、ワンワン!」
火狐「キュン!」
陽矢「ふーん。俺が心配だって?」
月狼「ワン!」
火狐「キュン!」
陽矢「え?お、おいちょっと引っ張んなって!」
二匹に引っ張られるまま、俺はどこかに連れていかれた。ていうか浮けたのかよ。小さい体の割には力強っ。




