霊神村
念願の霊神村到着。と言いたいところだが…。
夜月「…」
陽矢「…夜月」
さっきの戦闘で、陽炎が夜月の行方不明になった弟のヨウヤってことが分かった。
…そりゃ、落ち込むよな。
陽矢「…な、なぁ夜月…。…その、何て言ったらいいのか分からないけど…、ちゃんと、取り返せる…と思う。夜月の弟」
夜月「…。…そう、だな」
…いつものような夜月の強さが感じられない。俺よりも身長は高いのに…小さく感じる。
今にも、潰れそうな…そんな──
夜月「…。…?」
今まで下に下げていた顔を急に上げた。皆も見ると、同じように正面を見ていた。
気になって俺も前を見た。
…男の人?
湖の前に立って、俺達の方を見いている。
夜月「…ち、父上……」
「…」
あれが、夜月の父さん…。…?何か、嫌な予感がする。
桃芽「吉平様…。…あ、夜月…」
夜月が父親に向かって駆け出した。…いや、これは…。
陽矢「──駄目だ夜月!」
レキ『ん?うぉおっ!?』
夜月「父上!…?」
何故かよく分からないけど、俺は夜月の前に立っていた。
夜月「陽矢…?」
陽矢「何だか分からないけど…行っちゃ駄目だ!」
レキ『うぇぇ…なんだよいきなり…』
「……」
夜月「?……! 陽矢!」
陽矢「え?──うわあっ!?」
突然、体が浮いた。かと思えば、目の前に水が──
夜「!」
夜月「陽矢!…!」
そうか…アイツ、夜月の父さんじゃなくて…。
「…く、くくくくっ…あっははははははっ!!馬鹿な人間だ!父親の姿に化けただけで騙されるとはな!」
夜月「きさ、ま…っ!!」
陽矢「…アマノ、ジャク」
俺はそのまま、湖の中に落とされた。
天邪鬼の妨害から唯一抜けられた夜が手を伸ばしてきた姿を見ながら…
意識が、途切れた──




