「常闇」?
オオヤマ「…『常闇』、とな。そう母上が言ったのか」
西地村で村長の家に戻り、さっきのことを話した。
オオヤマ「…常闇か。夜桜、何か分かるか」
夜桜「そうですね…。…考えたくはありませんが、アレしかないでしょうね」
オオヤマ「…アレ、か。…やはりか」
陽矢「…『アレ』というのは?」
オオヤマ「…」
夜桜「…」
陽矢「…?」
レキ『大妖怪・八岐大蛇。おっと、迂闊に口に出さない方がいいぜ、心が弱い者はその名を口に出しただけでも呪われる』
…だから、「アレ」なのか。
桃芽「…どうして貴方は平気で口に出せるんです?」
レキ『一応修行は積んでたからよ。まぁ、ちゃんと呪除けの術とか掛けてるし。…といっても、アレには効かないだろうけどよ』
陽矢「…あれだよな。確か、神話で有名な奴だよな?」
夜桜「うん。外の世界でも多く本なんかになってるからね」
陽矢「…ん?なんか矛盾してる気がする。口に出したら呪われるんだよな」
夜桜「それはアレそのものじゃなくて、本の中のアレを指してるからまだ大丈夫なんだ。呪いはアレそのものの名を言った場合だよ」
…なんかややこしいっていうか、面倒っていうか…。
オオヤマ「母上が何故、封印された筈のアレの名を出したのか…。何か風雲急を告げるようなことでも起ころうというのか。
『四神の君主に導かれし者。大地の力授かり、真の力を目にする』…『百』の執行者らよ。一刻も早く、霊神村へと。アレのことは霊神村の前村長がよく知っておる」
陽矢「わかりました」
霊神村…。
俺の家族、両親がいる所…。
そして…
陽矢「…朝美」
行方不明になった巫女の一人、朝美。
もしかしたら…そこにいるかもしれない。
四神宝玉最後の一つ「白地玉」を受け取り、村を出る。
夕暮れ時、俺達は霊神村に急いだ。




