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陰陽師物語  作者: 睦月火蓮
伍幕
32/61

「常闇」?

オオヤマ「…『常闇』、とな。そう母上が言ったのか」


西地村で村長の家に戻り、さっきのことを話した。


オオヤマ「…常闇か。夜桜、何か分かるか」


夜桜「そうですね…。…考えたくはありませんが、アレしかないでしょうね」


オオヤマ「…アレ、か。…やはりか」


陽矢「…『アレ』というのは?」


オオヤマ「…」


夜桜「…」


陽矢「…?」


レキ『大妖怪・八岐大蛇(ヤマタノオロチ)。おっと、迂闊に口に出さない方がいいぜ、心が弱い者はその名を口に出しただけでも呪われる』


…だから、「アレ」なのか。


桃芽「…どうして貴方は平気で口に出せるんです?」


レキ『一応修行は積んでたからよ。まぁ、ちゃんと呪除けの術とか掛けてるし。…といっても、アレには効かないだろうけどよ』


陽矢「…あれだよな。確か、神話で有名な奴だよな?」


夜桜「うん。外の世界でも多く本なんかになってるからね」


陽矢「…ん?なんか矛盾してる気がする。口に出したら呪われるんだよな」


夜桜「それはアレそのものじゃなくて、本の中のアレを指してるからまだ大丈夫なんだ。呪いはアレそのものの名を言った場合だよ」


…なんかややこしいっていうか、面倒っていうか…。


オオヤマ「母上が何故、封印された筈のアレの名を出したのか…。何か風雲急を告げるようなことでも起ころうというのか。

 『四神の君主に導かれし者。大地の力授かり、真の力を目にする』…『百』の執行者らよ。一刻も早く、霊神村へと。アレのことは霊神村の前村長がよく知っておる」


陽矢「わかりました」


霊神村…。

俺の家族、両親がいる所…。

そして…


陽矢「…朝美」


行方不明になった巫女の一人、朝美。

もしかしたら…そこにいるかもしれない。


四神宝玉最後の一つ「白地(ハクチ)玉」を受け取り、村を出る。

夕暮れ時、俺達は霊神村に急いだ。

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