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陰陽師物語  作者: 睦月火蓮
伍幕
30/61

援護

陽矢「北に鎮座し草木司る玄武よ、汝の力を十六夜に宿せ!」


十六夜の刀身が緑色の光を帯びる。そして、十六夜の形を槍の形に変える。

…と。

------------------------

(数分前)


夜月「…陽矢」


陽矢「ん?」


夜月「十六夜は確かに便利な神器だ。だが、それでもカバーしきれない時もある。

 先程夜桜から渡すように言われた物だ。おそらく役に立つだろう」

------------------------

…どんなセンスしてるんだか。


陽矢「槍に鞭って…。…まぁ、この際文句はナシだ」


鞭なんて例の探検家でしか知らないしな…。

…こうなったらぶっつけ本番だ。


桃芽「(あの鞭は…もしや)」


白虎『瓦礫ノ下敷キニデモシテヤロウ!』


白虎の乗っていた岩が崩れ始め、俺達に岩雪崩となって落ちてくる。

…ん?あれ、もしやこのパターンって…。


陽矢「また俺だけかよ!?あぁクソッ!!」


桃芽「陽矢君!私の方向に鞭を!」


陽矢「はぁ!?」


桃芽「いいから早く!」


陽矢「何か考えでも…、だーっ!やるしかない!」


言われた通りに鞭を桃芽のいる方向に振るった。

鞭が当たる直前に桃芽が避け、その後ろの岩に巻きついた。

と、勝手にその方向に引っ張られた。


陽矢「うわぁあ!?」


夜「危ない!…っと…」


ギリギリ夜がぶつかる直前に岩を壊した為、俺は怪我せずには済んだ。

ただ、俺を受け止めた夜月の方が心配だったが。


レキ『うぉおお…』


陽矢「だ、大丈夫か…?」


夜月「それはこっちの台詞だ。怪我してないな」


桃芽「やはり…思った通りでしたわ。それは『自在蔦』。昔、兄様が作った物です」


レキ『アイツが?』


桃芽「ええ。確か、その名の通り鞭の部分が自由自在に操れるだとか…。最初は少しばかり扱いには苦労するらしいですけれど…」


陽矢「自由自在、か…。どうやら使えそうだな」


桃芽「えぇまぁ…って、貴方まさか…」


陽矢「そのまさかだよ」


俺はニヤリと笑い、白虎を見た。

そして…


陽矢「はぁっ!」


白虎『グゥッ!?』


次の岩に飛び移る前に、前足に鞭を巻きつけ引きずりおろした。


夜「お見事ー」


桃芽「…はいっ!?」


レキ『なんでもアリかよ!?』


夜月「陽矢!」


陽矢「ああ!」


白虎が起き上がる前に、さっさと済ませないとな。


陽矢「『百』の名に於いて…我、退魔の執行を行う──!」

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