援護
陽矢「北に鎮座し草木司る玄武よ、汝の力を十六夜に宿せ!」
十六夜の刀身が緑色の光を帯びる。そして、十六夜の形を槍の形に変える。
…と。
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(数分前)
夜月「…陽矢」
陽矢「ん?」
夜月「十六夜は確かに便利な神器だ。だが、それでもカバーしきれない時もある。
先程夜桜から渡すように言われた物だ。おそらく役に立つだろう」
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…どんなセンスしてるんだか。
陽矢「槍に鞭って…。…まぁ、この際文句はナシだ」
鞭なんて例の探検家でしか知らないしな…。
…こうなったらぶっつけ本番だ。
桃芽「(あの鞭は…もしや)」
白虎『瓦礫ノ下敷キニデモシテヤロウ!』
白虎の乗っていた岩が崩れ始め、俺達に岩雪崩となって落ちてくる。
…ん?あれ、もしやこのパターンって…。
陽矢「また俺だけかよ!?あぁクソッ!!」
桃芽「陽矢君!私の方向に鞭を!」
陽矢「はぁ!?」
桃芽「いいから早く!」
陽矢「何か考えでも…、だーっ!やるしかない!」
言われた通りに鞭を桃芽のいる方向に振るった。
鞭が当たる直前に桃芽が避け、その後ろの岩に巻きついた。
と、勝手にその方向に引っ張られた。
陽矢「うわぁあ!?」
夜「危ない!…っと…」
ギリギリ夜がぶつかる直前に岩を壊した為、俺は怪我せずには済んだ。
ただ、俺を受け止めた夜月の方が心配だったが。
レキ『うぉおお…』
陽矢「だ、大丈夫か…?」
夜月「それはこっちの台詞だ。怪我してないな」
桃芽「やはり…思った通りでしたわ。それは『自在蔦』。昔、兄様が作った物です」
レキ『アイツが?』
桃芽「ええ。確か、その名の通り鞭の部分が自由自在に操れるだとか…。最初は少しばかり扱いには苦労するらしいですけれど…」
陽矢「自由自在、か…。どうやら使えそうだな」
桃芽「えぇまぁ…って、貴方まさか…」
陽矢「そのまさかだよ」
俺はニヤリと笑い、白虎を見た。
そして…
陽矢「はぁっ!」
白虎『グゥッ!?』
次の岩に飛び移る前に、前足に鞭を巻きつけ引きずりおろした。
夜「お見事ー」
桃芽「…はいっ!?」
レキ『なんでもアリかよ!?』
夜月「陽矢!」
陽矢「ああ!」
白虎が起き上がる前に、さっさと済ませないとな。
陽矢「『百』の名に於いて…我、退魔の執行を行う──!」




