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陰陽師物語  作者: 睦月火蓮
壱幕
3/61

神奉神社

『神奉神社にお越しくださいませ』


先ほど、綺羅の姿をした別の誰かにそう言われた。

忘れたものも取ってきたので、陽矢は神社に向かうことにした。


──神奉神社


そこは、朝美の家でもある場所だ。

昔はよく遊びに来ていたが…


陽矢「…何年ぶりだったかな…」


境内に足を入れると、昔と何一つ変わらない風景が視界に入った。

ただ…


物凄い形相をした右神と、本来の姿であろう左神の姿がそこにあった。


左神「お待ちしておりました。

 奥様の場所は、お嬢と親しい間柄の貴方ならばお分かりでしょう」


陽矢「…」


右神「…」

------------------------

神社の隣にある屋敷の寝室、そこに朝美の母…日美子(ひみこ)はいた。

元々日美子は体が弱く、ほとんど寝たきりの状態が多かった。


日美子「お久しぶりですね、陽矢君」


陽矢「…あの、俺に話っていうのは一体…」


日美子「…話というは、貴方にとってとても重大なことです」


陽矢「俺に…?」


日美子は、陽矢に話した。


























──数日前の巫覡の最中、この神社の巫女である朝美と綺羅が、行方不明となってしまったことを。


日美子「…まさか、このようなことが起きるとは思いませんでした…」


最初、陽矢は驚いた。日美子の発言には、一瞬耳疑った。

しかし…本当だった。


陽矢「……そんな…」


日美子「…二人のいる場所は、既に分かっています…」


その言葉に、思わず反応した。


陽矢「本当ですか…!?何処に…」

日美子「…『日神祀(ひのかみし)』…地図にも載っておりません」


陽矢「…そこに、朝美と綺羅がいうんですね…」


日美子「…ええ」


日神祀…そこが一体どんな場所なのか、陽矢には分からない。

だが…


陽矢「…俺、そこに行きます。朝美を…二人を迎えに行きます」


陽矢の眼は本気だった。迷いの色はない。


日美子「…分かりました。

 …二人のことは、頼みます」

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