神奉神社
『神奉神社にお越しくださいませ』
先ほど、綺羅の姿をした別の誰かにそう言われた。
忘れたものも取ってきたので、陽矢は神社に向かうことにした。
──神奉神社
そこは、朝美の家でもある場所だ。
昔はよく遊びに来ていたが…
陽矢「…何年ぶりだったかな…」
境内に足を入れると、昔と何一つ変わらない風景が視界に入った。
ただ…
物凄い形相をした右神と、本来の姿であろう左神の姿がそこにあった。
左神「お待ちしておりました。
奥様の場所は、お嬢と親しい間柄の貴方ならばお分かりでしょう」
陽矢「…」
右神「…」
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神社の隣にある屋敷の寝室、そこに朝美の母…日美子はいた。
元々日美子は体が弱く、ほとんど寝たきりの状態が多かった。
日美子「お久しぶりですね、陽矢君」
陽矢「…あの、俺に話っていうのは一体…」
日美子「…話というは、貴方にとってとても重大なことです」
陽矢「俺に…?」
日美子は、陽矢に話した。
──数日前の巫覡の最中、この神社の巫女である朝美と綺羅が、行方不明となってしまったことを。
日美子「…まさか、このようなことが起きるとは思いませんでした…」
最初、陽矢は驚いた。日美子の発言には、一瞬耳疑った。
しかし…本当だった。
陽矢「……そんな…」
日美子「…二人のいる場所は、既に分かっています…」
その言葉に、思わず反応した。
陽矢「本当ですか…!?何処に…」
日美子「…『日神祀』…地図にも載っておりません」
陽矢「…そこに、朝美と綺羅がいうんですね…」
日美子「…ええ」
日神祀…そこが一体どんな場所なのか、陽矢には分からない。
だが…
陽矢「…俺、そこに行きます。朝美を…二人を迎えに行きます」
陽矢の眼は本気だった。迷いの色はない。
日美子「…分かりました。
…二人のことは、頼みます」




