緑亀
玄武『我が名は玄武。四神の一人、草木を司る者なり。
「百」の執行者よ、よくぞ我を正気に戻してくれた。心から感謝するぞ』
さっきまでなかった花がいたるところに咲いている。
なるほど、よくよく思い出せばさっきは蔦や蔓だらけだったが、今は色々な種類の花が咲き誇ってる。
玄武『「百」の執行者よ。我との戦いではなかなか面白い機転を利かせたようだな、それもまた執行の一つの手である』
陽矢「そう…なのか?」
玄武『規則に縛られたままでは、思うように身動きもとれなくなるだろう』
さっき物理的にそうだったわ。文字通り縛られててな。
玄武『…と、お主。名を陽矢というらしいな』
陽矢「ん。あ、はい」
玄武『陽矢…。お主、徐々に記憶が戻り始めておるな。“この日神祀にいた頃”の記憶が』
陽矢「…え?」
日神祀にいた頃の…記憶?
俺が、ここにいたってことか…?
桃芽「…どういうことですの?」
夜月「…」
玄武『お主は昔、この地にいたのだ。「あの時」が来なければ、お主は「九十九」により外の土地に行くこともなく、この地で生涯を過ごしていただろう』
陽矢「あの時って…あの時って何だよ。一体何があったんだよ」
玄武『妖魔・九尾だ』
陽矢「…ツヅ、ラオ?」
玄武『お主は知らぬだろうが、お主は童とは思えぬ程の霊力を持っていた。妖怪どもにはお主の存在が目障りだったのだ。
お主は一度、九尾に殺されかけたこともある。その時、若い陰陽師と「九十九」が救出に向かい助かったのだがな』
夜「…」
玄武『「百」の執行者、道陰陽矢よ。我ら四神が仕えし主の命により、お主に、草花を操る我が力を授けよう』
十六夜から笛の姿に戻った巫月夜に玄武の力が宿る。
玄武『祠の外に導こう。少年らよ、最後の四神…白虎を、頼んだぞ』




