初戦闘
夜「来ますよ!」
夜がそう叫ぶとほぼ移動時に朱雀が向かってくる。
俺を抱きかかえながら夜月、桃芽、夜は朱雀の突進を、櫓から飛び降りて避ける。
つーか熱っ!?熱風じゃねえかよ!
レキ『陽矢、巫月夜を出し──うわぁ危ねっ!?』
夜月「!」
陽矢「なっ…!? うわあっ!」
突然、俺と夜月のいた場所の地面が燃え上がる。
かと思うと、二人バラバラの方向に吹き飛ばされた。
俺はまた、櫓の上に戻されて。
レキ『うへぇ…目が回る…』
陽矢「あんの野郎…!」
と、顔を上げると…
朱雀『ナンダ?口ダケハ達者ノヨウダナ』
目の前に、奴がいた。
夜月「陽矢!」
朱雀の熱気がすぐ近くまで感じる…。
このままじゃ…。
──諦めるな、陽矢。
陽矢「…?」
──お前なら、朱雀様を助けることが出来るはずだ。
声が聞こえてきた。
何処かで聞いたような…強く、優しい…まるで──
──思い出せ、『父』の教えを。お前なら、どう乗り越えるか分かっている筈だ。
陽矢「…」
朱雀『コレデ、終ワリニシテヤロウ!』
朱雀の口から火の粉が見える。
…どうして俺はこんなにも落ち着いてるんだろうか。
レキ『お、おい陽矢!…!?』
陽矢「…」
俺は、顔の前で手を…『印を結んだ』。
陽矢「四神の力授かりし退魔の笛・巫月夜よ、今こそ真の姿、神器・十六夜を…退魔の執行者の前に表せ!」
勝手に俺の懐から笛が出てくると、俺の目の前に浮き…刀・十六夜へと変わった。
朱雀『何ッ!?貴様マサカ──』
陽矢「東に鎮座し清水司る青龍よ。汝の力を十六夜に宿せ!」
十六夜の刃が銀色から、青みを帯びる。
…自然とどう扱えば良いのか分かる。
軽く目の前で振るうと、刀を振った軌道に水が現れて消えた。
陽矢「…これが、青龍様の力か」
大きく息を吸い込み、朱雀に向って宣言する。
陽矢「『我こそは、現世に遍く妖魔を退治す命を授かりし者。退魔の執行者の名に於いて、汝に取り憑きし魔を打ち払わん』」
レキ『陽矢…お前…』
朱雀『クッ…』
陽矢「こっからは正々堂々と俺が相手してやる。覚悟しておけ」
刀を縦に振ると、朱雀に向って四方から水柱が伸びる。
…有難い力だな本当。流石は水の神様ってことか…。
朱雀『フン!幾ラ我ノ所ニ来ヨウト、此処マデ──』
陽矢「どうだろうな?」
微かに浮かぶ記憶の断片。
誰かの膝に座って、古い書物を読み聞かせてもらっていた…。
陽矢「宝刀・十六夜ってのは、別名『夢写』。執行者の思う武器へ自在に変化させられんだよ」
そういった直後、日本刀から弓矢へと変わる。青い光を放つ矢を、真っ直ぐ朱雀に向ける。
陽矢「まさか…『こうも俺の意図が分かる』なんて、思いもしなかったな」
夜月「──『神動封』!」
朱雀『何ッ?…!?』
水柱の一つから、俺をサポートする陰陽師が現れた。
さっきまであんなに動き回っていた朱雀の動きが、空中で静止する。
水柱が消え、夜月が櫓に降り立つ。
陽矢「アンタも残念だったな──最初の退治の対称な上、俺の得意分野で倒されるんだからよ」
俺は焦点を合わせ、矢を放った。




