朱雀
…妙に暑い。青龍の祠じゃ少し肌寒かったんだが、ここはまるで真夏みたいな…
夜月「…流石は火を司る神だ。祠自体入るのは初めてだが…こうも暑いとは」
桃芽「夜月は暑がりでしたわね」
夜「貴方は大丈夫なのですか。レキ殿」
レキ『俺の体は別のトコに監禁されてっから、特に暑さは感じねーな』
陽矢「アンタが少し羨ましい。…って、監禁?」
夜月「…何?」
レキ『ん?あ、いっけね』
陽矢「おまっ…監禁って何があったんだよ!?つーかそうなった経路は何だよ!?」
レキ『昔な、子供助けようとしたら妖怪に封印されてな。一年はかかったがようやくこの姿で精神だけは飛ばせるようになったわけだ。
ちゃんと修行しときゃ良かったな。はっはっは』
陽矢・夜月「「笑い事じゃない!!」」
レキ『うおっ…。お前ら二人同時に言われると威力あるな…』
夜「…」
桃芽「どうかしたのです?」
夜「…いえ」
暫く歩いていると、やっと広い場所に出て来れたらしい。
…と。
『ワガ境界ニ無断デ這入ル輩ハ誰ダ』
レキ『大荒れなこった…』
何故こんな馬鹿でかくて天井が見上げても見えないような空間…つーか、もはや異世界じゃねぇか。
周りを見るとさっきまでの岩だらけの洞窟じゃなくめっちゃ広い屋根のない櫓の上みたいな所で、周りは松明だらけだし。櫓の外は岩だらけか…。
と…正面を見ると、今にも崩れそうな細くて高い岩の上。顔を上げると朱雀がいた。
陽矢「…脱水症状で死にそう」
夜月「奇遇だな。私も同感だ」
お互い、この暑さで苛立ちを含んだ声で、明らかに不機嫌な表情で、言った。
…炎天下の体育、いや部活以上に暑い。
陽矢「元一般人道陰陽矢と陰陽師一行だ。鳥頭」
レキ『ちょ、おまっ』
『ミチ、カゲ、ヨウヤ…。フン、ワガ聖ナル火炎デ焼キ払ッテクレルワ!』
羽を大きく広げ、岩から飛ぶ。
戦闘開始の合図を告げる轟音が鳴った。




