第七話 『H&K HK45』
今回紹介するのはヘックラーウントコッホ社の「HK45」です。
独の自室
オルゴイ
「いやー、参った参った。」
独
「どうした、オルゴイ?」
オルゴイ
「会社のパソコンも家のパソコンも変換が物騒過ぎて。」
ヴァン
「へぇ、どんなふうに?」
オルゴイ
「“内線”って打とうとして変換キー押したら“内戦”になるし、“洗浄”って打とうとしたら“戦場”になるし。
もうわけわからん。
………
さて、俺の愚痴はそこそこにして銃の紹介と行きますか。」
ヴァン
「そだね~。
そもそもこの拳銃って、米軍のSOCOMで使われるベレッタM92FS--制式名称M9の後継拳銃を決めるトライアルの為に作られた拳銃なんだよね?」
独
「いや、逆だ。
製作中にその選定トライアルが開始されたから、トライアル参加要件である45口径とアンダーマウントレールを装備して、『んじゃぁ出すかぁ』みたいにして出展したようだ。」
ヴァン
「逆なんだ。」
オルゴイ
「まぁでも、その計画自体が2006年に白紙化されたから当分の間M92FSが制式装備に君臨し続けるだろうな。」
独
「だろうな。
因みにこの銃の開発には、デルタフォース出身のガンスミスや元特殊部隊員、現役の特殊部隊員の意見が大きく反映されていて、彼らの為に作られた銃といっても過言ではないな。」
ヴァン
「なんでそんなモノ持ってんのよ。」
独&オルゴイ
「「形が気に入ったからだ!!」」
ヴァン
「さいですか。」
独
「さて、茶番はこの辺りにして、銃の本格的な説明に移るぞ。
なんとこのHK45、その名の通り.45ACP弾オンリーのラインナップだ。」
ヴァン
「さて、その理由とは?」
独
「未だ45口径神話が強い北米市場を睨んでのことだそうだ。
NATOの共通規格じゃ拳銃弾は9×19㎜NATO弾だというのに。」
ヴァン
「あれ、その規格って9㎜パラベラム弾じゃ無いの?」
独
「どっちも同じだ。
その規格の銃弾は俺が知ってるだけでも呼び方が3つある。
この弾薬を開発したメーカーのモットーを取り込んだ9×19㎜パラベラム弾もしくは薬莢長の規格を飛ばして9㎜パラベラム弾、開発者の名前を取った9㎜ルガー、そしてNATO標準弾薬ということで9×19㎜NATO弾。」
ヴァン
「なるほどね~。」
オルゴイ
「さて、話はズレたが戻るぞ。
そもそもこのHK45は同社がSOCOM向けに供給していたMk.23 Mod.0の欠点を改良する形で開発されたわけだ。」
独
「特徴的なのは、グリップにあるフィンガーチャンネル。
網の目のような握りの模様から“スパイダーマン・グリップ”なんて綽名がついている。」
ヴァン
「でも実際握り易いんでしょ?」
独
「まぁな。」
オルゴイ
「で、どうよ、最近の戦果は。」
独
「一般の犯罪者相手だと使うまでも無いんだが、最近はヤバいね。人外がうようよいるし。
正直通用するかどうかも分からんね。」
ヴァン
「なんて中途半端な武器…」
独
「一応目立たないところで活躍してるよ、バックアップの武器として。
乗っ取られた飛行機の中とか。」
オルゴイ
「そうだな。
バックアップのサイドアームだし、あまり目立った活躍はできないだろうな。」
ヴァン
「そもそも45口径弾ってぶっといから装弾数少ないんだよね。」
独
「そういえばお前の銃も.45ACP弾だよな。」
ヴァン
「今となっては失敗かなって思ってる。
9㎜パラベラム弾仕様にバレルとか変えようかな。」
独
「そういえばお前の銃はそれが簡単にできるんだっけか。
便利だこと。」
ヴァン
「まぁね。
って、アタシのことはどうでもいいのよ。
今はアンタの銃の説明でしょうが。」
独
「そうだったな。」
オルゴイ
「で、反動制御とかは大丈夫なのか?」
独
「自分が構成したのによく言うよ。
反動制御も問題なくできてるよ。日本人にはきついといわれるけど、そこはフィクションだから何とかしてる状態だろ?」
オルゴイ
「まぁそうだな。
因みにいうと、初期構想では減音器が装着できるHK45Tを配備予定だったんだが、現実の時間軸での2012年現在でも開発中だっていうことに途中で気が付いて通常のHK45に変更したわけだ。
けど、所々このサイトに掲載していた文章には“HK45T”の表記が混じっていたという裏話もある。
なかなか気付かないだろうけどな。」
独&ヴァン
「「そこは微妙に現実志向なんだ…」」
オルゴイ
「あくまであの作品は俺のノリと軍事ネタで構成されてるからな。
ぶっちゃけ軍用車両とか軍用機とかもそのネタの一部。
とりあえず出しときゃいいじゃん、的な本業の人からしたら失礼極まりないノリだけどな。」
独
「テキトーだな、おい。」
オルゴイ
「Yes.
だって俺のモットーは――」
オルゴイ&ヴァン
「「――適当万歳、気にしたら負け!」」
独
「シンクロ!?」
オルゴイ&ヴァン
「「よっし、タイミングばっちり~!」」
独
「何なんだ、このノリは一体…?」
ヴァン
「だって一応生みの親なわけだし?」
独
「理由になってねーよ。
さて、取り敢えずオレの拳銃武装も出尽くしたことだし、アンダーマウントレールに付ける武装でも紹介しとくか?」
オルゴイ
「いや、それはまた別の機会にしておこう。今回はHK45の紹介ってタイトルだったし。」
ヴァン
「半分ぐらいまったく関係ない話だったけど、いいの?」
オルゴイ
「そこはやっぱり――」
オルゴイ&独
「「――気にしたら負けだろ。」」
ヴァン
「さいですか。
じゃあ今日はこの辺りってことだね。
では次回をお楽しみに。」