愛未4
数日後、私は退院した。
入院中、祐のところに行きたかったけど、重体の祐も元へは行くことができなかった。
祐のお母さんが来ていた。
土下座をして謝った。
あなたが助かってよかったわ、と気丈に微笑んでくれた。
私のせいで祐がこんな状態になっているのに。
意識が戻ったらすぐに連絡するわね、と言ってくれた。
私のことを恨んでもいいはずなのに、目の前に顔を見せるなと、あなたのせいでと頬をはたいてもいいはずなのに、祐のお母さんはそんなことしなかった。
しばらく会社は休んで実家にお世話になることとなった。
考えることは祐のことばかり。
祐の意識はまだ戻らないらしい。
連絡が来ない。
怖い。
電話にいつでも出られるよう、スマホはずっとそばに置いてある。
通知音に緊張する。
私の心配をしてくれている友達からの電話なのに、祐のお母さんではないと分かってがっかりする。失礼にもほどがある。
退院してから一週間、二週間と過ぎていく。
祐の意識が戻らない状態はもうすぐ1か月となる。
「祐、会いたいよ・・・」
スマホを握りしめ、涙がこぼれる。
私に泣く権利なんかないのに。
スマホを置いてベランダに出る。
空を見上げる。
月が、星々が輝いている。
そんな時、電話の通知音が鳴り響いた。
急いで部屋に戻る。
画面には「祐母」と出ている。
「はい、愛未ですっ」
『・・・愛未ちゃん?祐が、祐が・・・』
電話越しで祐のお母さんが泣いている。
最悪を想像したとき、
『目を覚ましたわ』
めをさました。
力が抜け、膝から崩れおちる。
「よかった・・・よかったよう」
『愛未ちゃん、本当によかった・・・よかった』
電話越しで、2人でわんわん泣いた。
もうすぐ夜が明けようとしていた。




