婚約者2
学園へ着くと、周囲がざわめいた。
フルールとリゼとロナルドが一緒の馬車からおりてきたからだ。
「今日は昼食を一緒にとらないか」
ロナルドはフルールに提案した。
そして、無意識に提案してしまった自分に驚いていた。
「では、リゼと3人で食事にしましょう」
「私もお姉さま一緒に昼食をとってもよろしいのですか」
リゼが喜んでいる。
リゼと昼食をとれるのは嬉しい。
だが、何かもやもやした気持ちが広がっていた。
昼食は学園の中庭でとることにした。
ぽかぽかと温かく、空気が澄んでいた。
エレンなど侍女たちが各々昼食の準備をする。
「わぁおいしそう。それに美しいわ。いつもこのような食事を頂いていたのに私は・・・。料理長に後でお礼を言いに行くわ」
ロナルドは驚いた。
発言もだが、目をキラキラとさせて食事を見ている。
「・・・きれいだ」
ついつぶやいてしまいはっとする。
「殿下もそう思われますか?それも料理長に伝えておきますね。とても喜ぶと思うわ」
「では、お二人ともいただきましょう!」
食事は終わり、フルールとリゼは教室に戻っていった。
食事はおいしく、そして楽しかった。
まだ、もやもやが残っている。
(フルールと二人でたべたかったな。もう少し一緒にいたかった・・・。えっ俺は何を考えているんだ)
もやもやしながら、教室へ向かった。