フルール5
失礼いたします、と部屋の中に入ると、異様な光景が広がっていた。
王妃様は険しい顔をしていらっしゃる。
王様は、ぶつぶつなにかつぶやきながら、茫然自失となっている。
「エル公爵、フルール嬢来てくれて感謝するわ」
「いえ、遅くなりまして申し訳りません」
父が答える。
「まず、いろいろと聞きたいことがあるとおもうけれど、はじめに確認したいことがあります。フルール嬢」
「はい」
緊張する。何を聞かれるのか。
「あなたは、フルール嬢で間違いないわね」
父は困惑しているが、質問の意図が分かった。王妃は知っているのだ。
「はい、私はフルールです」
「ならよいわ。次に試験の結果について説明します。花はロナルドが2輪とりました。試練はロナルドが合格です。そして、カイルの願いは、ロナルドが叶えました。フルール嬢、意味が分かるわね。」
「・・・はい」
ロナルド様がかなえてくれた。
試練の時になにかあったのだろうか。
不安が広がっていく。
「宰相、2人を連れてきて」
「はっ」
宰相が、奥の部屋へ動き出す。
しばらくすると、怪我の治療を施されたようだが、足を引き釣りながら2人が出てきた。
その顔は・・・暗い。険しい。
「フルール様・・・」
カイルが私を見つけたとたん、泣き崩れた。
急いでカイルに近づく。
「カイルどうしたの。怪我が痛むの?」
「フルール様、フルール様・・・・」
泣き止まないカイルを抱きしめる。
カイルは何も言えず、ただ泣くだけだった。
父も何も言わないでくれた。
カイルが、少し落ち着いた時、ロナルド様へ体を向ける。
「ロナルド様、この度は試練合格おめでとうございます。そして、カイルと私の願いをかなえてただき、ありがとうございました。
深々と礼を伝える。
「いや、大丈夫だ。フルール嬢よかったな」
ロナルド様は優しい笑顔を見せてくれた。しかし、どこか無理をしているようだった。
「エル公爵、フルール嬢、これから事の顛末を説明します。このことは今後一切外部にはもらさないように。王代理としての命令です」
険しい顔で王妃が口を開いた。




