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王6
『私のせい』
頭がその言葉に支配される。
私は常に最善を尽くしてきた。
そもそも王妃を守るため、双子の弟を死に追いやることはあの時点では最善だった。
殺めなければ、王妃を守れなかった。
双子の弟が生きていると分かった時点で再度殺めればよかったのか。
いや、あの時点でエル公爵家に菓子を作る方が最善であった。
試練を受けさせなければよかったのか。
受けさせなければ、王妃も納得はしてくれなかった。
ルイを見張っていればよかったのか。
ルイの部屋の前には護衛を絶たせていた。
神の意志で動かされるなど考えてもみなかった。
私が悪いのだろうか。
・・・私は悪くない。全て仕方がないことだ。
私は悪くない。
しかし、ルイが死んだ。
私が双子の弟を殺そうとしなければ死ななかった。
しかし、それでは王妃は守れなかった。
やはり私は悪くない。
私は最善を常につくしている。
王族は判断を間違えない。
私は悪くない
私は悪くない
なのに、王妃の私を見る目が怖い。
ロナルドが泣いている。悔しがっている。
私が何をしたというのか。
神がなんだというのだ。
・・・あやつさえいなければ、あやつさえ産まれてこなければこんなことにならなかった。
そうだ、すべてあやつが悪いのだ。
私は悪くない。
私のせいではない。




