妖精王
光が落ち着いたころ、目の前に銀髪でアイスブルーの瞳、白い衣を身に着けた男が立っていた。
そして、ルイが腕に抱えられていた。
「何者だ!」
ヒューバートが王の前に出ようとしたところ、王はそれを制した。
「キニア様・・・」
王はつぶやいた。
「ヒューバート、部屋から出て行ってくれるか」
「しかしっ」
「大丈夫だ。そして、今見たことは誰にも言うな。王命だ」
「・・・はっ」
ヒューバートは男を睨みながら、返事をした。
その時、男は手を動かし、何かをつぶやいた。
ふわっとした風が吹くと同時に、ヒューバートは部屋を出ていった。
「申し訳ないが、念のため記憶封じさせてもらったよ。アレクス、久しぶりだな」
「はい、戴冠の時以来となります。ロナルド、カイル、こちらは妖精王のキニア様だ」
ロナルドとカイルは状況を理解できず、呆然としていた。
やっとカイルが「ルイ兄さま!」と声を出すことができ、王がそれに続いた。
「ルイは、ルイはどのような状態でしょうか」
キニアと呼ばれた男は、首を横に振った。
「右胸のため心の臓はさけられていたが、出血量が多いようでな」
「そんな・・・」と、カイルもロナルドも茫然自失となった。
「失礼を承知で伺わせていただきたいことがございます」
アレクサが口を開いた。
「聞きたいことは分かっている。私は人の生き死にには関与できぬ」
「そうですか・・・」
「この花は願いをかなえてくれると聞きます!兄上を生き返らせてれることはできないのでしょうか!」
ロナルドが懇願する。
「否だ」
「そんな・・・」と、ロナルドは泣き崩れた。
キニアはアレクサに近づき、ルイを渡した。
ルイの顔は、微笑んでいた。




