表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
60/88

試練15



「・・・2度も助けられた。いや、3度目だ。礼を言う」


「殿下・・・」


ロナルドは地に座り下を向きながら、礼を言った。



「俺の方が捨てられれば良かったよ。そしたら、こんなみじめな思いをせずに済んだ。お前が兄であればよかったんだ」


「・・・」


「そしたら、父上も母上も・・・兄上もがっかりせずにすんだんだ。私が先に生まれなければよかったんだ」


「・・・殿下、殿下はみじめな男ではありません」


「はっ、同情か」


「フルール様の隣で、ずっと見てきました。あなたが日々努力していたこと。あなたは私の誇れる兄です」


「フルールには冷たく当たっていたがな」


「その点は許していません」

カイルはにこりと笑った。


「・・ふ」

ロナルドも笑みを浮かべた。


「殿下」


「ロナルドでいい」


「ロナルド兄さま、一緒に花を取りに行きませんか。もう終了の時間が近いと思われます」


「もう賭けは負けだ。何度も助けられている時点で、花は私を認めない」


「私は王族には興味はありません。戻る気もありません。フルール様と結ばれるなんて大それたことも考えていません。ただ、フルール様を助けたいだけです。フルール様を助けると、愛未様とともに誓ったのです」


「愛未?」


「詳しいことは私にもわかりません。これも妖精のいたずらなのいたずらでしょうか、フルール様の意識を閉じ込め、フルール様の体に愛未様の意識を勝手に連れてきました」


「何を言っている?」


「頭がいかれていると思うでしょうが、事実です。私は愛未様と、フルール様を助けると誓い、そのために花を取りに来ました」


「・・・」


「兄上にお願いがあります。私の片足は負傷しています。兄上もですよね。」


「・・・」


「私も兄上も、一人ではもうできないでしょう。一緒に花を取りに行きませんか。そして、願っていただけませんか。フルール様の意識が戻るように。」


「・・・ここ最近フルールの様子が変わったのは、その者のせいというのか」


「そうです」


「もしそうだとしても、お前はそのものに怒りを覚えないのか。そいつのせいでフルールは閉じ込められているんだろう」


「初めはそうでした。でも、愛未様はいつもフルール様のために行動してくれました。フルール様の意識が戻ったら、愛未様はどうなるのかわかりません。消えてしまうかもしれません。愛未様も被害者なのです。それなのに、フルール様の意識を取り戻すためにいつも考えてくれていました。時々フルール様の意識が戻ることもありました。フルール様は愛未様に感謝されておりました。しかし、もう時間がないのです。もうしばらく、フルール様は現れなくなりました。もう、花に頼るしかないのです」



「・・・すぐには信じがたい」


「分かっています。ただ、フルール様のために、願っていただきたいのです。」



「・・・カイル、行くぞ」


肩を取り合い、2人は立ち上がり、歩き出した。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ