42/88
王4
謁見の間を出てから、執務室に第一王子を呼んだ。
王妃がいると話にならないからだ。(そして私が傷つく・・・)
コンコンコン
「ロイです。」
「入れ」
ロイが入室する。
「もう一度先ほどの話をしよう」
「はい」
「もう一度問う。なぜ王命を無視してあの弟を助けた。」
「助けることが私の存在理由だからです。」
「存在理由?」
「はい。生まれてからそう思っていきてきました。弟を助けなければならないと。それ以下でもそれ以上でもありません。」
沈黙が続く。
「本来、試練の監督は、前回花をとってきたものが慣例であるが、お前はあやつに偏りすぎている。今回は、王弟に頼むこととする。お前は終了するまで謹慎とする。」
「分かりました。」
「もう一つ問う。あの騎士はどこに逃がした。」
「母上の出身の国です。しかし、あちらの国に情報は入ってはおりません。念のため自分で定期的に監視していましたので。」
「・・・そうか」
「それでは失礼いたします。」
ロイは淡々と出ていった。
「・・・はぁ」
ため息をつく。
(なぜあやつを助けたんだ・・・。助けなければ何も問題にならなかったのに・・・)
親として、人間として、最低なことを考えていることは分かっている。
しかし、そう思わざるを得なかった。




