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父3
1時間後の出発のため、馬車に乗り公爵家へ戻る。
フルールも何も発さず、泣くのを我慢しているようだ。
カイルの件かとは思ったが、試練の件だとは考えもしなかった。
カイルはフルールのためといった。
カイルの事情はフルールが知っている。
そして、花をとってくることを提案したのはフルールであろう。
フルールは、あの日から変わった。
話しかけてくれた、笑いかけてくれたあの日から。
それが関係しているのは間違いないだろう。
フルールは、本当にフルールなのか。
目の前にいるお前は本当にフルールなのか。
そんな言葉が今にも喉から出てしまいそうだ。
カイルが花をとってくればすべてがわかる。
そしてそれは、本当にフルールのためなのだろうという確認はなぜかある。
今は私が口をはさむべきではない。
そんな気がした。




