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元婚約者
「カイル、なぜお前は氷山の花を欲するのだ。王族になりたいのか」
「私は、王族に戻りたいとは思っていません」
カイルが答えた。
王妃は、私とカイルの発言におろおろしていた。
「ではなぜ試練をうける。」
「・・・言えません。」
「花は願いを一つ叶えてくれる言い伝えがある。お前には何か叶えてほしいことがあるのか」
「…」
カイルはビクッとした後、黙ってしまっている。
「やはりそっちか。しかし、花は私利私欲の心根が腐った人間が持つとすぐ枯れ落ちてしまう。お前の望みはなんだ」
「・・・」
まだカイルは黙っている。
「答えよっ!」
イライラし、大声をだして言った。
「・・・フルール様のためです」
「・・・フルールのため?はっ、それこそ私利私欲だろうが」
「それでも・・・どうしても必要なのです。望みにかけたいのです。
王様、王妃様、第一王子様、第二王子様、お願いします。氷山の花を取りに行く試練を受けさせていただけませんでしょうか」
泣きながら、カイルは王族に頭を下げた。
絶対に嫌だ。この男に花はとらせない。なにが、フルールのためだ。
おそらく妹が私と結婚することになり、フルールを自分のものにしたいんだろう。しらじらしい。
「はっ、ふざけたことを・・・」
「よいではないですか」
第一王子が私の発言を遮った。




