カレン
私の好きな人は、幼馴染で気が弱かった子、グラントだ。
最初は助けてあげなきゃという正義感だったが、いつしか恋心を抱いた。
しかしその時グラントは、親友マリアと婚約していた。
マリアもグラントに恋をしていたようで、報告されたときは嬉しそうに話していた。
しかし、私がとった行動は、私もグラントのことが好きとにおわせること。
両親同士が仲が良く、はなから子爵家と公爵家の婚姻はできないのは知っているが、グラントと婚約の話も冗談で出たほどだ。
そんなことをマリアに伝え、マリアに罪悪感をもってほしかった、マリアに傷ついてほしかった。
本当に私は性格の悪い人間だ。
男爵との婚約を結ぶときも、かわいそうな私を演じた。
マリアは好きな人と結ばれていいねという思いを感じさせた。
すると、グラントとの妾の話を持ってきた。
あの男爵の妻になるより、公爵の妾のほうが利になるはずと、説得してきた。
ここにきて、罪悪感を覚えた。
マリアは私の想いをずっと受け止めてくれた。
そして実際に妾となった。
寝室に座っていた私に、グラントは謝った。
自分はマリアのことが好きなこと、カレンの危機を守るため妾として受け入れたこと、本当はマリアとしか行為はしたくないのに、マリアは初夜を遂行したかどうかの監視も入れており、抱かないといけないこと。
知ってるよ、マリアのことが好きなのは。
あなたの視線はいつもマリアだったから。
そして実際うまくいかなかった。
「私をマリアとのことだと思って。」
(マリアは初夜以降、行為を拒んでいるらしい)
「マリア、マリア、マリア、ずっと前からずっと好きだ。愛してる」
マリアと思いこみ、私を抱いた。
2人で泣きながら夜を過ごした。
しかし、妊娠してしまった。私もマリアも1度で。
マリアは相変わらずグラントと一緒にいられるようにしてくる。
グラントは避けられていることに傷つき、マリアに自分の気持ちを伝えられず、落ち込んでいる。
そして私も、この現状を生み出したことを心から反省したが、もはやなにもできずにいた。
そして時が過ぎ、マリアも私も同じ頃に陣痛がきた。
しかし、私は出血の量が大きく意識が遠のいていた。
自分の罪が今来たのだと理解した。
「マリア、リゼをお願い。私の子の名前はリゼ。ごめんね。本当に今までごめんなさい。」
意識がなっていく。
「私が絶対リゼを守るからっ」
先に出産をおえたマリアが、私の手を握って泣いていた。
そうして、カレンはひとり亡くなった。
大きな問題を残して。




