フルール(愛未)3
「・・・ん・・朝か。・・・やっぱり夢じゃないんだよね~。」
ベットから出て体を伸ばす。まだ時間的にエレンは来ない。
「ふぅ」
ヨガをしていた。
仕事が忙しくて取り組むこともできず、やるのは久しぶりだ。
コンコンコン
ドアをノックする音が聞こえる。
「エレンです。朝の支度に参りました」
「入って。エレンおはよう。今日はいい天気ね」
「・・・そうですね」
また涙ぐんでいる。
(エレンはをずっと見ていてくれた侍女だもんね。母様よりずっと一緒にいてた・・・)
朝食の場では、父母の雰囲気は柔らかく、なんだか距離も近いようだ。
(誤解は解けたのね)
そこにリゼが入室した。
「お父様、お母様~雰囲気がちがうわよ。やっと仲直りされたのですね。」
リゼが声をかける。
「「・・・」」
2人して気まずそうだ。
「だから言ってたじゃないですか。2人して聞くのが怖いって私に言いつけて、間に入っていた私がたおれてしまうところでしたわ」
リゼの反応に使用人含め皆が喜びくすくすと笑っている。母と父は赤面しているが。
しかし、リゼはこんなキャラだったろうか・・・。
(意外と鋭いというか周りを見ているというか・・・リゼの様子も注意してみてみよう。)
「カイル、学園へ行くわ」
「・・・フルール様、これを」
学園への出発前、何かを渡そうとしてきた。
紙の束だった。
手紙のようであて名はフルールさまへとなっている。
「誰にも見せずに後でお読みください」
そういって、護衛へ戻っていった。