表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/6

この出会いは幸か不幸か

雨の日の帰り道。公園の前を通ると何か不思議な感覚が起きた。

引き寄せられような感じがし、公園の中を見るとベンチで一人寂しそうに座る少女の姿が……

怜は無視して帰ろうにも良心が痛み、仕方なく話しかけることにした。

警戒心丸出しの彼女に臆することなく彼女がなぜそうしているのかを何となくで察し、そのまま傘を渡して帰るのだった。

ある日の帰り道でその出会いはあった。

見慣れた公園にふと目を向けるとそこには一人の少女がベンチに座っている。

虚ろな目をどことなく空に向けて雨に打たれながら、ただぼーっと座っている。

夜狼怜はその様子を見て一人にした方がいいと考え、その場を立ち去ろうとしたが、どうにも前に進めない。

少し後ろ向きで下がりもう一度彼女を見るとやはり一切動くことなくそのまま座ったままだった。いつまでいるのだろうかと思いよく見てみると、耳が少し赤く染まっているのに気づいた。

帰ろうとしない時点で本人がそうしたいからそうしているのであろう。他人が口出しするのは間違っているかもしれない。だが、ここで見て見ぬふりするのは何かと自分の良心に傷がつくと思い、そのまま公園に入り彼女のもとに向かった。

別に関わりたいからとかではなく、ただ単にこんなところ雨にあたりっぱなしになり、風邪をひかれるとなんだかいたたまれなくなるからだ。

というか、怜は彼女のことを知っている。

彼女__姫野葵は怜の隣の家に住んでいる。とはいえ交友関係は一切ない。

高一の初めのころから隣人だが、わざわざ関わりを持つのも面倒なため今まで話したことすらない。

だからこそ、雨の中だろうがなんだろうが彼女の顔や髪の色が特徴的だったのもありすぐに葵だということには気づけた。

「……こんな雨の中で何やってるんだ」

手持ちの傘を葵の上に被せながら声に掛けた。

彼女は傘が目の前に見えるまで近づいてくるのに気づかなかったのか、ゆっくりと虚ろな目を下におろして怜のことを見た。

雨のしずくが彼女の頬やら伝っていくが、それですら彼女の綺麗さを際立たたせる小道具とかしていた。

水も滴るいい女とはまさにこのことだろうと。美女とはなんとも恐ろしい……

葵は瞬時に状況を判断すると、水色の瞳に警戒心をにじませた。

「夜狼さん。放っておいてくれますか?」

まさかの苗字を知っていたくれていた。まあ、隣人なのだから当然なのかとも思ったがそんなこと考えてる場合ではないと思いなおした。

それと同時に彼女の顔からも一切の警戒心が緩まないことも悟り、彼女が異性との関わり持ちたくないというのも察した。

それもそうだろう。名前を知っておきながら見ず知らずは言わないものの他人に声をかけられたら警戒するのも頷ける。それにこんな美人ならなおさらだ。

「そうしたいんだけどな。こんな雨の中で一人ベンチで座ってる女子がいれば気になるだろ」

「そう、ですか……お気遣いどうも。 ですが、私がしたくてしてることなので放ってくれると助かります」

冷たく尖って声ではなく、あくまで心配してくれることに感謝をするような、柔らかな声だった。

それでいても、警戒心を緩める気が更々ないのは見て取れる。

(まあ、そうなるか……)

関係のない事に首を突っ込んでしまったことに関しては多少なりとも罪悪感はあるもののその場で何もせずに立ち去るのはいかがなものかと思う。

とはいえ、気まぐれ話しかけに行ってみたもの彼女からは関わってくるなという拒絶するような目を向けられている。訳ありなのが明白というのもあって深追いすれば痛い目を見るのは怜自身なため特に公園で一人でいることに関しては何も言わない。

彼女がここに居たいからそうしているのであれば別に構わない。

これ以上の散策は無粋だと思った怜は「まあ、いいや」と言いカバンの中からなぜか知らないが入っていた折り畳み傘を取り出した。

断じて他意はない。ただ、ここで何もせずに立ち去り、雨の中少女をずぶ濡れていさせるというのは良心が痛んでしょうがない。

「はい、これさしてろ。 さして帰るも良しだし、置いていくのもありだ」

「え……? いえ、別にお構いなく……」

素直に断れると多少なりともいたたまれなくなるが怜はお構いなしに、半ば押し付ける形で手渡した。

「風邪ひかれても困るからな。 まあ、俺には関係ないけど」

「ではなぜ傘を?」

「俺の自己満足。黙って受け取っとけ」

「……勝手に話しかけてきたくせに」

「はいはい、そうだったな」

ここでいろいろ言っても後々面倒になるのもあって、適当に返事を返しそのまま踵を返して公園から立ち去ろうとした。

葵にどう思われようと怜には関係のない事であり、明日からはどうせ関わりはなくなる。今の時点で悪く思われようが怜の知ったことではない。

だからこそ、その場に放って帰るという決断ができた。下心のある男ならおそらく彼女をそのまま家に持ち帰ろうとするだろう。つまり、怜は下心なんて一切ないのだ。というかそういうことに全くの興味がない。

怜はそのまま振り返ることなく帰路についた。

その後ろで小さく儚い声で葵が何かを発していた。

けれど、その声は雨の音によってかき消されるのであった。


葵が会話を拒んだのもあり、今後関わりはいつものように無くなるのであろうと思いつつ多少公園の方を振り返るもすぐに改めて帰路についた怜は心の中でこう呟いた。

明日から顔見知りの同級生だと。

お久しぶりです。ひまキチです。

えーと、何話せばいいんでしょうか。

あ、そうだ。今作であるこの小説以前に同じタイトルで出したんですけどなんか思っていたものと違ったので新しく一から構成を考えて書き直しました。

めっちゃ時間かかったー。

いや、一から書き直すって相当大変なんですよ。前回まで書いてたのが8話くらいまで一応書いてたんですけど段々と思ってる方向と全く違うところに行ってしまって、一人に旅に出たので書き直したんですよ。

あ、もちろんパクリじゃないですよ?雨の中美少女がベンチに座っているなんて漫画や小説の世界じゃ当たり前のうちの一つですよ。そりゃ他の小説と似てるような感じがあるかもしれないですけど、決してパクリじゃないです。ちゃんと自分で考えて書きました。

もし似たようなのがあるというのであれば教えてください僕も読んでみたいです。

では、これ以上話すと長くなるのでここまでで。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ