俺は最強の力を手に入れた 第67話「神の降臨」
海上たちは病院を後にして鉄沢たちと合流する
「そういえばさっきからさ、空が明るすぎないか?」
海上はそう言って空を見上げる。時間はもう19時半である。残暑が残る日であっても9月下旬にしては明るすぎる。まるで昼だ
「空の色が金色に変化した?」
「え?」
北時の言葉で5人は上を見上げる。するとところどことにあった積雲から金色の光が漏れだす
「………」
「なんだ?」
「!! 上から人が!」
周りの人も空を見上げスマホで撮影している。そして光の中に人影があることに気づいた
「なんなんだ?」
「人…」
「すごい…キレイ…」
崎見も津川もその美しさに見惚れる
「………!!」
鉄沢がしばらくの間見ているとその人物は両手を広げた
「なんだ…」
その人物は空に雲を集める。その雲は少しずつ色が黒く変色する
「………」「少しヤバくないか?」「ああ」「あの人…何をするつもりなの?」「待って…あの光」
崎見は雲を見つめて言う。雲の中で光るもの、そう『雷』だ
「ヤバい!!」
鉄沢が危険を察知した瞬間、雲から大きな雷が地面に降り注いだ
「!!」
海上と鉄沢はすぐに音を遮断するものを作る。そして地面が大きく揺れた
「うわっ…」
海上はバランスを崩し膝をつく。地面が揺れるほどの雷が地面に降り注ぎ爆音が周りを包んだ
「大丈夫か?」
北時が手を差し出し海上はその手につかまり立ち上がる。鉄沢は音を遮断していた壁を解除する
「嘘だろ…」
空は雲で覆われ周囲は建物が倒壊し、燃え盛る炎が見えた
「また…こんな大惨事が…」
津川が少し絶望する。甲府崩壊事件、大規模テロ、そして今回。大惨事が半年も満たないほどの短い期間で3回も起きてるためである
「なんなんだよ…」
『あーあー…聞こえてますか?』
「「「「「!?」」」」」
海上たちは後ろに大きな威圧を感じる。その威圧で体が動かない…
『どうやら聞こえているようですね?』
その後ろにいる人物こそ今回の主犯である
『まずは自己紹介としましょう。私はプロメテシウス。あのプロメテウスの後継者です』
プロメテシウスと名乗る人物はすぐに後ろから海上たちの前に移動する
『知っていますか?プロメテウスを』
プロメテシウスが質問すると北時が口を開く。その声はとても震えていた
「ああ…ギリシャ神話に登場する人類に火を与えた神。確か他にも文字や算術、建築、造船、航海、牧畜…etc.と、文明の礎となる技術を人間に与えたとされるんだろ?」
北時の説明にプロメテシウスは笑顔でうなずく
『はい。その通りです。あなたはギリシャ神話に詳しいんですか?』
「少し興味があってね。独学で調べていたんだ」
『それは素晴らしい』
「でも息子がいたのは知っていたが後継者を名乗る人物がいたとは…」
『ふふっ。まあ私は実際ギリシャ神話に登場してはいませんから。まあ…この世界に存在するオリジナルの神と思ってくれて構いません。ただあなたの説明で悪いことをお教えしましょう』
プロメテシウスは右手を振りかぶる。その瞬間北時が吹き飛んでいく
「北…!」
『だめですよ。私はあなたがしゃべっていいとは言ってません。そちらの吹き飛んだ方。私は神なのです。しっかりと敬語、使いましょう』
海上も鉄沢も津川も崎見も、まったく動けない
『ところで皆さん。スコアを使えますか?あ、今はしゃべってもらって構いません』
「ス…スコア?」
『はい!641年前、私があなた方に与えた力のことですよ』
「641年前…? まさか…異能のことですか?」
『あれ?この世界ってスコアのことを異能と呼んでいるんですか?』
「はい…」
鉄沢がふと思った
(641年前…与えた力…それはつまり)
「あなたが人間の異能の覚醒者、いや覚醒を促した人物ですか?」
『その通りです。私があなたたちにこの力を与えました』
「目的を教えてください。何のために…この力を与えたのか」
『目的…とは言えませんが、どちらかというと理由はただただ面白そうだからです!』
プロメテシウスは笑顔で面白さだけを求めてこの力を与えたことを説明した
『でもなぜか最近面白くないんですよ。一人一能力、そしてその能力を駆使して生きていく様が面白いのになぜか異能を複数持った人物が現れました』
4人は異能を複数持つ人物で鬼頭が思い浮かんだ
『その人物のせいで面白みがなくなったんですよ。だからこっちが処分しに来ました』
「………その人物はもうすでに死んでいますよ」
『えー。本当ですかね?』
第67話END




