俺は最強の力を手に入れた 第54話「奈良の制圧」
鉄沢と津川、崎見はキャパシティーオーバーをして衝撃波を発生させる。そして土煙を吹き飛ばす
「早くないか?」
「大丈夫。それよりも相手の無力化はキャパシティーオーバーは必須」
「なるほどね。いくよ!京、波ちゃん!」
津川は水色の翼をはやし空を飛ぶ
「こんなに…」
地上は改造人間が溢れていた。異能者がどんどんやられてく
「波ちゃん!」
津川が崎見を呼ぶ。すると崎見も空を飛び津川のもとにやってくる
「空から広範囲攻撃しよ!そうした方がすぐに倒せる」
「そうだね。わかった」
崎見は地上を見下ろす。炎で右手を燃やす。そして地上に向かって炎を放つ。一本の炎の柱が四方八方に分裂し、改造人間の元に向かう
「追撃型の炎。氷ちゃん!」
「うん!」
津川が空気を凍らし吹雪を起こす。炎の柱と吹雪で敵がどんどん倒されていく
一方鉄沢はある人物を見つけた
「お前は…」
「ふっ。鉄沢 京だな?」
そこには鉄沢の元同級生の椚岡 蓮が立っていた
「お前が敵側に落ちるとは…いや確かに落ちるような性格してたな。だってお前はクズだから!」
「久しぶりに会った同級生に対しての最初の言葉がクズは酷くないか?」
鉄沢はショットガンを生成する。それを椚岡に向ける
「ショットガン…」
「消えろ。ここから。俺の記憶から」
鉄沢はそう言ってショットガンを椚岡に放つ。だが椚岡は散弾を全てキャッチする
椚岡 蓮 異能五感
視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚の能力が上がる
視覚で反射速度の上昇。聴覚で音の識別範囲上昇。触覚で体が強靱化。味覚でどんな物も食することができる。嗅覚で空間識別能力向上する。
椚岡は辺りを見回す。しかしそこには鉄沢の姿はなかった
「どこいった?」
椚岡は嗅覚と聴覚を集中させる。するとここから300m先の建物に鉄沢の気配を感じ取った
「そこか…めんどく…」
椚岡がめんどくさいと言おうとした瞬間何かが頬にかすった。頬に切り傷ができ血が流れる
「なるほど。狙撃か!」
鉄沢は遠くからスナイパーライフルで狙撃したのだ。だが偏差が大きく狙ったところに撃てなかった
「狙撃なら…こうするまで!」
椚岡は地面を殴り地面を隆起させる。隆起した地面が椚岡を隠し鉄沢が椚岡を視認できなくなる
「チッ」
鉄沢は舌打ちをしつつ装身された残り6発を乱射する。だがどれも手応えがなかった
「ダメか…仕方がない」
鉄沢はかけておいたロープで一気に椚岡の元に向かう。隆起した地面を超えて辺りを確認するが椚岡の姿がない
「形勢逆転だ!」
鉄沢は周りを気にして上を確認してなかったため上からの椚岡の攻撃に対応できず頭部に攻撃を喰らう
「ガハッ」
「キャパシティーオーバー…意外とショボいな」
鉄沢は朦朧とする意識の中、自分の弱さを確認した
(どうして俺のキャパシティーオーバーは弱い…俺は最初に解放した。俺が一番キャパシティーオーバーについて理解している。それなのにこの有様。情けない。俺はキャパシティーオーバーについて何も分かっていないのか?)
鉄沢はうまく立つこともできずうつむきに倒れ込む。キャパシティーオーバーも解除された
「まあこんなものかな?あの2人を倒さないと面倒だ。行くか」
(まて…ダメだ声も出ない…あぁ、弱い。俺は弱すぎる。なぜこんなに弱い?なぜ!)
自分の弱さに打ちのめされるが鉄沢はある言葉を思い出した
『お前は自分を下に見るんだな。自分の弱さを知る。それ自体はとても大切なことだ。否定しない。だが弱さだけを見ていても成長しない。異能は解釈を広げるとより成長する。先の未来を見据えろ!強くなった自分の姿を!』
「待て!」
鉄沢は起き上がる。そして渾身の大声で椚岡を止める
「何?そんな大声出してさ」
「あの2人の元に行かせない…」
鉄沢は鉄製の刀を作る
「お前はいつもそうだ。クズみたいな性格だ…だからそんな人間は死んだ方がいい」
「ッ…」
椚岡は鋭くなった五感を発動しなくとも感じた。鉄沢のとてつもない殺意を
「これで…倒す!」
鉄沢は再びキャパシティーオーバーする
「またそれか!何度やっても変わらねーよ」
第54話END




