俺は最強の力を手に入れた 第47話「炎の波紋」
鬼頭が洗脳を解き津川は崎見の意識を取り戻させることに成功した
「…………あれ?ここ…」
崎見は起き上がり辺りを見渡す。そして涙を流した津川を見る
「あれ?もしかして…氷ちゃん?」
「…うん。そうだよ、波ちゃん!」
津川は嬉しさのあまり崎見に抱き着いた
「ちょっと…まだ私状況を理解できないんだけど…」
崎見が戸惑っていると鬼頭がグラスに目線を向けながら2人に近づく
「説明はあとでいいか?今は逃げてくれ」
「え?」
グラスは崎見を見て懐からあるものを出す。それは謎のスイッチだった
「なんだ?」
「どうして洗脳を簡単に解除したのか分からないが、もういらない。殺処分だ」
「!! まさか」
鬼頭はあることに気づき光弾を撃つ。その光弾がスイッチを壊した
「………」
しかしグラスは破壊されたスイッチを見ても冷静だった。鬼頭がそんなグラスを見て不自然に思う。すると後ろからうめき声が聞こえた
「ぐっ…」
すると崎見は血を吐き倒れる
「え?波ちゃん!」
「どういうことだ…」
鬼頭と津川が驚いているとグラスが口を開いた
「あのスイッチは生命維持装置…あのスイッチを使うことであいつは生命を維持していた。だが洗脳が解けたから、殺処分しようと生命維持装置をオフにしようとしたんだ。そんな時…」
グラスは口角を上げて笑顔で説明する
「ナンバー3!お前がスイッチを壊してくれた」
「「!?」」
「あいつを殺したのはお前だ。ナンバー3」
鬼頭はそれを聞いて心の内側で罪悪感が沸き上がり体が固まる。すると横にいた津川が氷をグラスに向かって放つ
「あぶなっ」
グラスはその氷を避ける
「鬼頭が殺した?ふざけないで…殺したのは…お前たちだ!」
「津川…お前」
「鬼頭、あなたなら助けられるでしょ?波ちゃんをお願い…」
鬼頭はそんな津川を見てあることに気づく。それは怒りに身を任せているように見えて冷静であること
「怒りにすべてを任せるな。冷静に判断しろ。得意技だろ?」
鬼頭は少し笑って津川に質問する。津川も少し笑い答える
「もちろん!」
津川はグラスに走りだす。鬼頭は崎見の顔に手を乗せる
(生き返り…俺もしたことないぞ。どうすればいいんだ…何かを得るには何かを差し出さなければならない。その代表的な例が俺のエネルギーバスターだ…なら俺の異能を使用し生き返らせることが可能ではないか?)
鬼頭は思い立ったが吉日、自分の異能のエネルギーを使う
「エネルギーの拒絶反応を無くすために、異能フレイムのエネルギーを使用する」
鬼頭はエネルギーを崎見に注ぎ込む
一方、津川は氷で牽制して空気の中にある水蒸気を凍らすことで人口吹雪を発生させる
「寒いな」
「それにしては震えてないね」
グラスは殴りかかってくるが津川は体をひねり避ける。そして掌がグラスの服に当たり凍らせる
「姑息な真似を…」
「姑息なのは…そっち!」
津川はグラスの足を蹴る。そしてバランスを崩したグラスを地面に叩きつけて腕をつかみ足の上に乗る。ここで津川は違和感を覚える
(どうして…ナンバー2なのに…弱すぎる!)
津川は疑問に思い少し握った手の力が緩む。その瞬間グラスは脱出する
「あっ…」
「はぁはぁはぁ…」
グラスは目から血を流して少し苦しそうだ
「本来は使いたくなかったな…この力は…」
グラスは右手につけているブレスレットを外す。そして叫ぶ
「キャパシティーオーバー!!」
グラスがそう叫んだ瞬間衝撃波が周りを襲う。公園の設備の一部が吹き飛んでいく
「ッ…」
鬼頭もキャパシティーオーバーしたグラスを見る
「マジか…」
そのキャパシティーオーバーは赤色だった
「赤色…」
鬼頭が立ち上がり津川に近づく
「波ちゃんは?」
「心臓は動いた。意識は今はまだ戻っていないがすぐ戻る。それよりも師匠から聞いたキャパシティーオーバーで赤色はなかった…」
「だろうな」
グラスの右目が再生する
「キャパシティーオーバーは青、緑、水、紫。あと不明な色。その不明な色が赤だったのか…」
グラスは鬼頭の説明に付け足す
「まあ赤の解放者はそういない。赤を解放できる人物はとてつもない怒りを持った時」
「喜怒哀楽の怒りか…」
グラスは両目を見開き鬼頭と津川をにらみつける
「フッこれで勝ちだ」
そして2人は洗脳された
第47話END




