俺は最強の力を手に入れた 第38話「恨みの許容限度」
衝撃波が発生し、砂ぼこりが発生する中キャパシティーオーバーした御剣と北時が立っていた
「北時、御剣…」
「鬼頭、お前は下がってろ」
俺はあいつらの意志を尊重する
だがこのままだとフルピエロを殺しかねない…
「だめだ。そいつから情報を得よう
それに御剣、お前は毒で…」
「何を心配してる?毒なんてこの状態ならどうでもいい…」
「俺はお前の体を心配している!
お前らこそ下がってろ…」
「鬼頭、うるさいから少し黙ってろ」
北時が俺のほうを凝視してくる
その眼に映っているのは『殺意』と『恨み』
「くっ…」
キャパシティーオーバーした奴にはさすがに勝てそうにない
師匠からキャパシティーオーバーについて他にも様々なことを聞いた
感情が一定まで高まるとその感情に合った力が起こること
解放したら異能と一つの能力が強化、もしくは発現すること
異能の弱点を補正することができること
キャパシティーオーバーには属性があり得意不得意があること
そしてキャパシティーオーバーには始祖の力が存在していること
もしこのまま御剣たちが無理しながら戦ったら勝ったところで死亡する可能性がゼロではない
毒がまず厄介だ
「ぐふっさあ来い」
御剣と北時はフルピエロに向かっていき一瞬で決着がついた
「「「!?」」」
「ぐふっ…俺は…囮だよ…」
「何!?」
北時がふと周りを見ると…
「あれ?そういえば…海上と津川と鉄沢は?」
「「!」」
俺たち二人も周りを確認するが3人の姿がない
「フルピエロ…貴様…」
「ぐふっ元より俺はあの方に命を捧げてただの抜け殻だ…
俺の仕事は完全に果たした」
そういってフルピエロは倒れこみ蒼い炎がフルピエロを包み込む
「蒼炎…蒼木!!!!」
上を見るとキャパシティーオーバーした蒼木が立っていた
「恨みの解放…紫…
少し相性が悪い…今日はこのまま帰らせてもらう」
「待て!!!」
「じゃあな」
蒼木は指で銃を作り指先から蒼い炎を地面に向かって放った
煙と炎で視界を奪われた間に蒼木は逃げ去った
その場に残ったのは俺と北時と御剣、そしてフルピエロの焼死体だった
「あー、狙いはあっちかよ…」
俺は3人を連れ去られたことで頭を抱えた
「くっそ。師匠にもうちょっと任せとけばよかったのに…」
「御剣は毒でやられて体が動かせない…」
「はぁはぁ…俺のことはいい…お前は行け…」
「俺は御剣を介護するからお前は今すぐ助けに行け」
「………分かった」
「お前の力をあいつらに見せてやれ」
俺は異能感知と異能レーダーを凝縮して3人の場所を探した
そして見つけた場所は…
「!?」
見つけた場所は、富士山の頂上だった
「まじか…そんな場所に…」
俺は膝をたたむ
「異能スピード、エンジン、脚力を凝縮…ギアチェンジ!!」
俺は超移動で富士山に向かった
「お前らの力は俺たちの計画の邪魔なんだ
消えてもらおうか」
「ふざけるな」
海上、鉄沢、津川は十字架に張り付けにされてた
目の前には蒼木と紫色の髪色をした男が立っていた
「貴様なんかに…俺たちの力は渡さない!」
「はぁ…仕方がないな…」
必死に抵抗する鉄沢だが十字架に電流を流される
「がっ」
鉄沢は電流によって体が痺れて気を失う
「京!」
「死ぬ程度の電流は流れてない
いちいちうるさい声を出すな」
「貴様ぁ…」
「じゃあ、もらうぞ。お前らの異能を」
奴の手が海上に近づいていく
だが…
「!?」
奴は直前で俺の放った斬撃を避ける
「ふぅー…ギリ間に合ったか…」
「「鬼頭!」」
「大丈夫か?」
第38話END




