俺は最強の力を手に入れた 第32話「大惨事」
「ハァハァ」
異能者たちが息切れしながらも戦い続けていた
しかし敵に攻撃が通用しない
「なんで」
『お前たちは弱いな…』
敵はなぜか口では話さず肩に乗っているスピーカーでしゃべっていた
「お前…異能を何個持ってんだよ…」
『失敬、少し事情があってな』
燃え上がる炎、崩壊した街中
その中にたたずむ男
異能者を蹴散らし場を踏みにじる
『仕事をさせてもらおうか』
「ぃーゃーだーね!!!!」
遥か遠くからやってくる英雄、異能者の中でも実力者…
『お前は…グラード!!!』
「よくご存じで!!!」
グラードは奴の頬を思いっきり殴る
ナンバー2異能者 グラード 異能魔導
自身のエネルギーを起点に魔導書を利用することで魔法を使うことができる
魔導書に記されたものはなんでもできる
その力で日本異能者ナンバー2となった男
『ぐっ』
「お前、今から20年前ある人が倒した悪の帝王の側近だな?」
『…』
「しかしなんで生きている?お前は悪の帝王と同時に死んだはずだ」
『あの方がそんなすぐやられるとでも?』
「………!?」
グラードはあることに気づく
真後ろから何かが高速で近づいてくる
「誰だ!?」
真後ろを見たがその瞬間何かが通り過ぎて悪の帝王の側近が吹き飛んでいった
その高速で近づいてきた何かとは言わずもがな俺である
「ふぅー間に…あってないな…」
「君は…」
「グラードさん、今やるべきことわかっていますよね?」
「ふっ当たり前だ」
『2対1…しかも片方はグラードだ
そう簡単にいかないな』
「考えていることが漏れてるぞ」
『当たり前だ、これはそうできている』
「!?危険です!!離れてくださいグラード!!!」
奴は手を前に突き出すと大量の空気が一気に迫ってきた
「ぐっ」
「空気砲」
『この力はいい』
しかしグラードは立ち止まらずに接近する
そこからグラードと奴の近接戦闘が始まった
(あの人、異能魔導なのに魔法を使わないなんて)
グラードと奴は互角
恐らくグラードは筋肉増強という魔法でも使っているのだろうか
普通に近接攻撃を難なくマスターしている
動きが一般人じゃない
「何のためにここに来たんだ!!」
俺は見ているだけだったが決意を決める
「異能スラッシュ」
空気の斬撃が奴を襲う
「ナイス!!畳みかけろ」
「はい!!!」
俺は異能クラッシュ、スラッシュを使いダメージを与えていく
『ぐっ』
「オラッ」「ハァアアッ」
「「ハァハァハァハァハァ」」
『よくやったよ』
「「!?」」
『しかしナンバー2、どうして本気を出さない?』
「うっ」
グラードはどうやら本気を出していないようだった
確かに本気のグラードならこいつを一撃で仕留めているはずだ
『もしかして体調不良?』
「うっるせぇ」
グラードの頬に汗が流れる
「グラード…」
「心配ない…今はこいつを倒すぞ」
「はい…」
(使うしかない…異能を消費して大きな大きな一撃必殺を!!!)
『!?』
俺は腕を前に突き出す
するとエネルギーが出現する
「異能まだらを消費してエネルギーを顕現…凝縮」
紫色のエネルギーが収縮していく
「これは…」
「まだだ。まだ…」
『そんな危険な攻撃…止めないやつはいない!!!』
「なら、俺がお前を止める!!!!」
「グラード…」
「お前はそれに集中しろ」
グラードが相手を止めている間に…
紫色のエネルギー体は俺が出した刀に集まる
紫色のエネルギーを纏った刀は強大な力を宿していた
「これなら!!」
『やめろ!!!』
俺は奴に向かう
しかし奴は波動をこっちに撃ってくる
だが俺はそれをガン無視、俺の間合いにやつを入れる
『やめろぉ』
「じゃあな」
俺はその刀を振り一刀両断する
奴はそのまま倒れる
エネルギー体を纏った刀で殺すことはできない
しかし気絶させることはできる
「これで…まだ…」
第32話END




