俺は最強の力を手に入れた 第31話「修行~凝縮~」
津川の姉さん、津川美凍さんに修行を手伝ってもらうことになった
しかし実はある不安がある
「あの…これをいうのはダメなんでしょうけど…」
「何?全然言ってもらって構わないけど」
「えっと…確かあなた…戦えないですよね」
美凍さんはその言葉を聞き少し笑った
「確かに私は氷里よりも氷を扱えず弱い立場…
でもね、異能で唯一氷里に勝てているところがあるのよ」
「え?」
「それはね、異能の凝縮」
「異能の…凝縮…」
「うん。あなたのしようとしていることはエネルギーを顕現させてそれを攻撃に使用すること」
すると美凍さんは顔を近づける
「そのエネルギーをバラバラにして放つか一点に凝縮して放つかで威力は変わってくるでしょ?」
「!!」
「だから私はあの人に呼ばれてここに来たのよ
凝縮のスペシャリストとして…」
俺の中で何かが変わった
(そうか…凝縮…
今まで俺は異能をバラバラに意識して使ってきた
でも…凝縮させれば…新しい力が手に入る…)
「フッ分かりました
でもまずはエネルギーをどう顕現させるか…ですね」
「その顕現のさせ方はわかんないからそこは頑張れ」
「はい」
一方、蒼木は組織のアジトの個室で考え事をしていた
(海上…あの野郎…)
さらに鉄沢も自身の家で考え事をしていた
(あの子に会いに行こうかな)
北時は病院で親の仕事を手伝っていた
(本当に蒼木は裏切ったのなら…)
津川は師匠から事情を説明されていた
(確かに言われてみれば蒼木は私を執拗に追いかけていた)
全員それぞれやりたいことがある中、自身の異能と向き合う
(蒼炎、もっと燃えろ)
(出操、効率よく)
(時間、巻き戻り)
(氷結、より巨大に)
((((もっと強くならなくては))))
(コピー、俺も負けてられない…)
「もう誰にも負けないためにも…」
「「「「「もっともっと異能を強くする」」」」」
「ふふっそういう決意を固めること大事にしてね」
「はい!」
俺は胸に手を当てる
自身の心臓の鼓動が伝わってくる
(さっきから胸の奥で何かが騒いでいる
でも今はこっちに集中だ)
あれから30分が経過した
「ハァハァハァハァハァ」
俺の目の前の地面はえぐれ巨大なクレーターを作っていた
「ついにできたね」
「ハァハァはい」
「なら次は…」
『ブー…ブー…』
「すみません、電話が…」
「いいよ出て」
俺は電話に出る
しかし何も聞こえてこない
「うん?」
すると…
『ドゴーーーーーーーーン』
「!?」
耳元でいきなり爆発音が聞こえて携帯を耳から離す
「どうしたの?」
「いや、急に爆発音が…」
『………げろ………』
「うん?」
『早く逃げろ!!倒壊するぞ!!!!』
誰かが必死に叫んでいる
「どういう…」
「そんな…」
「どうしました?」
「それが…山梨県甲府市で大変なことが…」
美凍さんの携帯を見せてもらうとそこにはテレビの中継が流れていて
たった今甲府市の建物が倒壊した
「あ…」
逃げ纏う人々、血を流しながら戦う異能者
これを一言で表すなら『地獄絵図』
「まずい…」
「早く行ったほうがいい!!!」
「………はい」
(凝縮はあらゆる場面で応用できる
例えば)
「異能スピード、エンジン、脚力を凝縮…ギアチェンジ!!」
思いっきり地面を蹴ると俺は超スピードで現場に向かった
俺は外国で修行していた
違法入国だが異能者、特に異能者学生は修行のために人がいない場所なら外国で
修行してもいいことになっている
現在地はオーストラリアの上部
「ぐっ」
(速すぎた…呼吸が…できない…
異能…凝固…)
俺は目の前の空気を凝固させ風よけを作った
「カハッ…今から戦いに行けるのか?俺…」
この状態で2分もすれば現場に到着できる
「急がないと…」
第31話END




