俺は最強の力を手に入れた 第28話「燃え狂う炎」
「鬼頭君、君強くなったね」
「お前が何を知っているんだ」
「それとせっかくだし氷里ちゃんも連れて行こうっと」
今のところ蒼木が優勢、俺たちは全く太刀打ちできていない
キャパシティーオーバー…強すぎる
「………逃げよう」
「!?」
鉄沢から逃げるという発言が聞こえた
キャパシティーオーバーした鉄沢が逃走を考えるほどだ
それくらい今の俺たちと差が大きすぎるんだ
「くっ」
俺は奥歯をかみしめる
(なぜ俺はあいつに勝てない?
キャパシティーオーバーをしていないからか?
いや…異能自体は強力…だが俺自身が弱いんだ)
蒼木がこっちに炎を出す
俺はバリアを張り防ぐ
(師匠から教えてもらったのは異能の使い方
そして体力の向上…つまり俺は他とは違い肉体が弱い…)
蒼木が顎に手を置き考え事をする
(あの方に言われていた鬼頭君の捕獲…
今はまだ厳しいな…制限時間は1ヵ月以内だ
なら…)
「一旦こっちから退くよ」
蒼木から急な一言
「は?」
「こっちだってこんなに戦い続けて身体的に苦しい
キャパシティーオーバーももうすぐ解除される
また戦える日を楽しみに…」
蒼木が言葉を言い切る瞬間蒼木に液体が降ってきた
「ガアアアッ」
「なんだ?」
「ぐっううぅ」
蒼木の体から湯気が立ち上る
するとすぐさま蒼木を捕まえようとする人影
そいつは髪色が青く輝き腕に文様が浮かび上がっていた
年齢は大体俺たちと一緒くらいか?
「お前は…」
苦しみながらも蒼木は攻撃を避ける
「なんでまだ動けるんだよ
そのお湯、軽く1500度行ってんだぞ」
「1500度!?」
「ぐっ」
蒼木は耐えきれず倒れる
「アカデセンス!!!」
蒼木は謎の発言をする
すると蒼木の地面にゲートが出現する
「ゲート…」
「ヤバい、逃げられる」
「おい、海上。覚えておけよ、テメェは必ずぶっ潰す!!!」
そう言い残し蒼木は消えた
「ハッ、やってみろよ。炎」
「ありがとう」
「いや俺こそお前らに感謝したい
炎を見つけてくれてありがとう」
「え?」
「俺は海上 彩人」
海上 彩人 異能液状操作
触れた液体を自由自在に操る
質量、体積、密度、温度など様々な要素も操作可能
「俺はとある中学に転校することになってお前らと一緒になる」
「俺たちと一緒の中学に…」
「でも、うちの学校に蒼木はいなくなった
どうしてうちの学校に来るの?」
「そっちの校長の推薦だ
これからは俺が蒼木の代わりにナンバー2として活動することになってな」
「そうか…」
正直にいうと俺はナンバー1に向いていない
だからこいつにナンバー1の地位を…
いや…
「じゃあ海上、お前はこれから学校で一番強い者として活動してほしい」
「え?」
「何言ってんの?鬼頭」
「俺は思い知らされた。蒼木に勝てなかった。だから俺はナンバー1に向いていない」
「いやでもあっちはキャパシティーオーバーしてた…普通ならあなたが勝っていた」
「俺はこれから修行する
自身の異能と向き合い潜在能力を引き出す」
それからは3人ともなにも言わなかった
そのまま俺は異能瞬間移動を使い誰もいない荒野に移動した
「強くならなくては…
もう負けないために…」
第28話END




