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経験値100億の最強チートな付与術師の復讐劇  作者: クソラノベ量産機
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第九話 チンピラ退治と紋章

 キカーヌとの激闘を繰り広げた俺達は旅の途中で金銭が不足する事態を避ける為に冒険者ギルドにて冒険者登録していた。


「これで良しと、登録も終わった事だし腹拵えでもしに行くか。」


「そうですね、あの二人昨日から何も食べてませんし食事にするべきですね。」


「外で待たせてますし速く行きましょ御主人様。」


「だな。」


「待ちな嬢ちゃん。」


「そんな奴放っといてオレらと良い事しようぜ?」


 冒険者登録を済ませた俺達はセンシーとスペールを外で待たせおり、食事にする為に外へと出ようと向かう途中でジロジロとエイルとセワスルを舐め回す様に見ていた頭の禿げた冒険者二人に絡まれる。


「何ですかいきなり?」


「相手にするな、ただのチンピラだ。」


「あ? 登録したばかりの星1ランクが星3ランクのオレに敵うと思ってんねか?」


「オレはこっちの貧乳眼鏡メイドにお酌してもらおうかなあ?」


 禿げの一人はセワスルの背後に回り、後ろから腰を押し付けながら胸の辺りに腕を回し固定する。


「ちょっ、離してください! 変な物を押し付けるな!!」


「またやってるよあいつら、誰か助けてやらないのか?」


「無茶言うな助けたくても星2ランクしか居ないから誰も奴らを止められないのは知ってるだろ?」


「そうは言ってもよ。」


 どうやら禿げ二人の素行は日常茶飯事らしく冒険者の中ではかなりの実力を持っているらしい。


「へへへ、こっちの巨乳の姉ちゃんはオレの相手してくれよな?」


「いやっ!!」


「!?」


 残った禿げがエイルの胸を両手で鷲掴みにした瞬間、エイルは禿げを突き飛ばすと冒険者ギルドの壁を突き抜け禿げは隣の家の壁にぶつかり気絶する。


「ななな、何だあ!?」


「見たか今の?」


「あの娘、とんでもない力秘めてたのか!」


 有象無象がエイルの力に驚き、その状況に何が起こったのか理解出来ないセワスルにセクハラをしている禿げは俺が腕を掴み離れさせる。


「痛で、痛でででで!? 何すんだ離せ!!」


「そりゃこっちの台詞だろ、俺の女にちょっかいだしたんだ。 ただで済むわけないだろ?」


「セワスル、おもいきりやれ。」


「そのつもりですよネダヤス様、せいっ!!」


「うぐうっ!?」


 俺は禿げをセワスルに向け両肩を掴み固定するとセワスルの強烈な蹴りが禿げの股間に直撃し痛みに耐えきれず禿げは気絶する。


「おー! あの二人を伸したぞ新入りの冒険者が!!」


「やったぜ、あいつら散々悪事働いてたからな。」


「これでギルドの評判も良くなるだろうな。」


「あと、こいつらの処理頼むわ。 壁の修理代はその二人から請求してくれ、俺らは何も関係ないからな。」


 そう言って外にでるとセンシーとスペールがギルド内での騒ぎを聴いて来た。


「何やら騒がしい様だったが?」


「凄え音聴こえたぞ、壁が壊れる様な。」


「ああ、何でもないチンピラに絡まれただけだからな。 街を出る前に食事にするぞ。」


「食事か、サイジョバーンならあの店が最高だな。」


「あの店か、パスタ料理が美味いんだよな。」


「で、その店は何処に有るんだ?」


「着いて来な、美味過ぎてほっぺが落ちるぞ!」


 センシーとスペールに着いて行くと看板にウマスギパスタと書かれた老舗の様な古い木造建築の店があった。


「いらっしゃい。」


 厳格そうな髭がパスタみたいな店主に出迎えられ、席に座りメニュー表に目を通す。


「私はボンゴレビアンコにしよう。」


「アタシはカルボナーラで。」


「私はスパゲティにしますね。」


「ワタシはブッタネスカにしましょうか。」


(色々有るんだな、どれも殆どイタリア料理みたいだが。)


「どれにするんだい?」


「ああ、じゃあこのアラビアータで。」


「アラビアータね。」


 店主はメモを取ると厨房へと向かい、暫くすると良い匂いが店中に広がる。


「良い匂いがしてきましたね御主人様!」


「そうだな、アラビアータてどんな料理か知らんが食えるかな。」


「お前知らない料理頼んだのかよ!?」


「どんな料理なんだ?」


「まあまあ辛い料理だな、食えない程ではないから問題ないとは思うが。」


「ところでスペールさん、さっき聖銀紋がどうとか言ってましたけど何なんですか?」


 紋章について何も知らないのかエイルがスペールに訪ねると呆れた表情で話し始める。


「飯が出来るまで時間も有るし、説明くらいはするか。 あのな、アタシら人間は紋章を持って生まれてくるんだ。 紋章には7つ有って刃斬紋、魔導紋、鉄鋼紋、俊足紋、聖銀紋、極肉紋、そして覇王紋だな。」


「私は刃斬紋は本来なら折れてしまうナマクラだろうと鉄を斬れる様になると言ったものだな。」


「アタシのは本来なら詠唱を必要とする魔法を無詠唱で放てる。」


「つまり、私の聖銀紋は回復に優れていると言う事でしょうか?」


「そう言う事。」


「ワタシのは俊足紋ですね、ネダヤス様は何の紋章ですか?」


「御主人様なら覇王紋に決まってますよ、何か格好いい響きですし。」


「無いぞ。」


「無いとは?」


(馬鹿スペール! 話題を変えろ!!)


「あ、いや、紋章が無い状態で生まれて来た事例も有るから気にしなくても良いんじゃないかははは。」


(露骨に誤魔化してきたな、まあ知ってるが。)


 紋章について語ったスペールは俺に紋章が無い事を必死に誤魔化そうとするが未来で魔物には紋章が現れないと既に知っている為、話しに合わせる事にした。


「そうなんだ、それは知らなかったな。」


「おまちどうさま。」


「わあ美味しそう!」


 眼の前に料理が置かれていき俺達は食事を摂る事にした。


(辛いな、けど食えない程でも無いし結構美味いんだなこれ。 何かセンシーのは貝が入ってて食べづらそうだな。)


「な、何だ? やらんぞ??」

(さっきの会話で怪しまれているか、無理もないな。)


 料理を食べながらセンシーは何故かスペールを睨む。


「…………。」

(わ、悪かったって! 次から気を付けるから睨むなよ!!)


 センシーとスペールは重い空気のまま食事を終え、店主に金を払い外へ出る。


「あー美味かった! 早速出発するか。」


 俺達はサイジョバーンの街から次の村へと歩む最中、遠くから女性の悲鳴を聴く。


「きゃあああああああああああああああああ!!」


「何だ、悲鳴!?」


「急ごう、この声はチカック王国の姫様の物だ!」


 センシーは悲鳴の聴こえた方へと駆け出し、俺達もその後を追うと盗賊に馬車の周囲を囲まれ護衛の兵士が何人か血を流し倒れていた。

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