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経験値100億の最強チートな付与術師の復讐劇  作者: クソラノベ量産機
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第五話 未来の最強レベルの怪物達

 ネダヤスが名ばかりの魔王討伐に出立していた頃、未来ではベアトリスが城のレベル100の兵士から拷問を受けていた。


「この、中々口を割らねえな!」


「あぐぅ……。」


「いい加減、どの時間軸に行ったか喋った方が楽だぞ?」


「だ、だれが言うものか! お前ら腐れ外道にネダヤス様を危険な目に合わせられてたまるか!!」


「まーだ口を割らないみたいね。」


「センシー様、先程から鞭で痛め付けているのですが一向に話しません!」


「貴方は甘いのよ、拷問てのはね こうするのよ!!」


「うがああああああああああああああああ!!」


「センシー様!!?」


「ファイアボール。」


「うぎいいいいっ!! ぐ、はぁ……はぁ……。」


 兵士による鞭で身体中が痣だらけになっているベアトリスに対しセンシーは振り上げた剣を振り下ろすとベアトリスの右腕が切断され、そこへ即座にスペールが切断箇所に火炎魔法を唱え焼いて塞ぐ。


「早く喋った方が身の為だよ? じゃないと反対側の腕も無くなっちゃうからさ、あはははは!!」


「そうそう、でもその前に両脚がなくなるけどな!」


「それでも、ネダヤス様に関する情報は死んでも絶対に口にはしない!!」


「あらそう、なら遠慮なく四肢を斬り落としてやるわ!」


「ぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」


「おお、やっとるのう。」


「国王陛下、今丁度四肢を切断しきったところです。」


「だって全然、喋らないしね。」


「そうか、なら仕方ないのう。 最後の手段と行くか。」


(最後の手段?)


 ベアトリスが拷問されている地下牢にツヨスギール王が自ら足を運び手には何やら蚯蚓のような蒼い虫の様な物を持っている。


「何をする気だ?」


「こいつは脳蟲と言ってな、耳から脳へと辿り着くと寄生した者の意識は有るものの質問した事を全て話してくれる優れ物じゃ。 とはいえ、寄生された方は脳に入り込まれた時の激痛で涙や涎、尿が垂流しになるがのう。」


「や、止めろ! そんな物を近付けるな!!」


「話さぬ主が悪いのだぞ?」


「ひっ! うぎいいいいっ!!」


 ツヨスギール王は寄生虫をベアトリス耳に近付けるとズルんと中へと入って行き、やがて脳へと侵入する。


「あぐっ! うぐっ!! ぎいいいいいいいっ!!! げはっ、がぐぅおええええ!!!!」


 脳に寄生された事でベアトリスは痛みで涙が止まらず嘔吐し尿を垂流し、それを見ているセンシーとスペールは汚らしい物を見る目で後退る。


「ああは成りたくないわね。」


「ほーんと、早く喋ってればこんな屈辱味わわなくて済んだのにね。」


 暫く苦しんだベアトリスの頭を鷲掴みにし持ち上げたツヨスギール王はベアトリスに質問を投げ掛ける。


「では聞こうか、ネダヤスは何時の時間軸に居る?」


「魔王討伐前、それより前。」

(え、いや! 言いたくないのに口が勝手に!?)


「ほう、何時ぐらいかの?」


「5年くらい、私とネダヤス様が初めて出会った。」


「ふむ、5年前か……成程、ワシが魔王討伐を命じた時期と一致するな。」


「国王陛下、この女は如何なさいましょうか? 首を撥ねますか?」


「いや、まだ利用価値があるやも知れん生かしておけ。」


「はっ!!」


 ツヨスギール王はネダヤスの居る時間軸に目星を付け、円卓にて緊急ツヨスギ会議を始める。


「皆に集まってもらったのは他でもない、経験値100億を持つ付与術師の逃亡の件じゃ。」


「それは分かったが、どうやって追うつもりだ? 我々に過去へと飛ぶ能力は無いぞ?」


 早速疑問を投げかけたのは全身が漆黒の鎧を身に纏った防御力最強の男キカーヌ・ソンナテ、兜には紅いクレストが靡き背中には大剣を携えている。


「俺もスピードには自身があるが、丁度良くそんな時代にタイムスリップ出来るかどうか怪しいぜよ?」


 次に発言したのは速度最強の男スピード・ランナー、その速さのせいか蒼い前髪後ろへと交代しておりデコハチ状態になっている。


「フン、何も策も無しに会議など開かぬだろう。 スペール辺りが過去へと飛ぶ魔道具でも開発しているのだろう?」


 体力最強の男、筋肉質なマッスル・ムッキムキードはスペールが魔道具を開発している可能性を考慮し視線を送る。


「スペール、開発は終わってるのかしら?」


「勿論、これがそのブツだな。」


 スペールは腕時計の形をした魔道具をテーブルに7つ置くと使い方の説明を始める。


「この部分で行きたい年代を選び、時間を設定するんだ。 ただし、過去の自分と会うと強制的に元の時代に戻される使用になっているから気を付けてくれ。」


「不便じゃな、過去の自分と会うだけで戻される使用はどうにか出来ぬのか?」


「こればかりは、どうする事も出来ないね。 もし、同じ時間軸に存在した私達がネダヤスに殺されたら現在から過去に来た私達も死ぬのは目に見えてるからな。」


「まあ良いわ、最初は誰から行くかの? やはりセンシーからか?」


「いや、私とスペールは止めておいた方が良いかと。」


「そうだね、あの時間軸なら今頃私とセンシーはネダヤスと魔王討伐に参加しているからね。」


「自分が行こう全身鎧の自分なら、過去で自分と接触しても現在に戻される可能性が低いからな。」


「決まりじゃな、ではキカーヌよネダヤスの息の根を止めて来るのだ!」


「はっ!」


「予めセットしてるから、上に有るスイッチを押すだけよ。」


「では、吉報をお待ちくだ……」


 喋りながらスイッチを押した為、キカーヌは言葉途中で姿が消え過去へと飛んで行った。


 暫くして意識を取り戻したキカーヌは誰も居ない円卓会議の間にて突っ立っていた。


「はっ!? 戻って来たのか過去に??」


 会議室の扉が開き兵士が入ってくるとキカーヌを見て何で居るのか分からない表情を浮かべる。


「キカーヌ様? 遠征に出掛けられて3ヶ月は戻られない筈では?」


「む、ああそうか そうだったな。」

(確かにこの時、自分は遠征に出掛けていたのだったな。)

「少し野暮用でな、一度戻って来た。 この事は秘密にしておけよ?」


「はい、キカーヌ様がそう仰るなら。」


 キカーヌは兵士が会議室から出て行くと暖炉にある秘密の抜け穴を使い城の外へ出る。


「うし、ターゲットを捜すとしますか。 レベル100の防御力には如何なる攻撃も通らぬ事を身を以て味わうが良い。」


 兜からはキカーヌの眼光が紅く鋭く獲物を捉えんとする猛獣の如く怪しく光る。

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