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経験値100億の最強チートな付与術師の復讐劇  作者: クソラノベ量産機
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第四話 的当てと魔王討伐

 翌朝、目を覚ますとヤケに口の中がスッキリとしていた。


「まだ起きてから歯磨きはしてない筈だが。」


「それはワタシのスキルですね。」


「スキル?」


「生活補助と言うスキルで歯磨き後の様に口の中が勝手に掃除されている状態になります。 それにフケや垢なども綺麗サッパリ消えますね。」


「へえ、便利なスキルだな貴族のオッサンには勿体ないな。 セワスルを仲間に入れて正解だったな。」


「わ、ワタシのスキルを褒めてくださるのですか!?」


「そりゃ褒めるだろ、便利なんだから。」


「その様に言っていただけたのは初めてです。 そのネダヤス様、お褒めに頂き光栄です。」


 セワスルは顔を赤くし俯きながらスキルを褒められた事による嬉しさでソワソワしている。


「あ、ふわあ……おはようございます御主人様にセワスルさん。」


 先日の事を見せない為にエイルには睡眠を付与し先に寝かし付けており、ガイナスが毒入り料理で絶命した事を知らない。


「これからツヨスギール城へと向かうのですよね?」


「そうだな。」


「提案なのですが、ツヨスギール城では何かしら優れた能力を持っていないと謁見してもらえるかさえ怪しいと聞きます。」


「知ってる。」


「大丈夫ですよセワスルさん、御主人様は物にすらスキルを付与出来ますから。」


「物に付与!? 何千何万と付与術師が試し盡く失敗してきた前代未聞の行為をやってのけたのですか!?」


「ああ、俺だから出来る事だな。 さ、驚いてないで城に向かうぞ。」


 俺は宿屋の主に金貨を払い、ツヨスギール城へと向かうと桟橋の左右に立っている槍を持ったレベル20程の二人の兵士に止められる。


「待て貴様、ここはツヨスギール城だ。」

「ここを通りたくばツヨスギ能力を披露してもらおうか。」


「強すぎ能力?」


「ツヨスギ能力と言うのは何でも良いから優れた力をみせなさいって事ですね。」


「そうだな、ん?」

(あの的、そう簡単に壊れない様に強化値+9999が付与されてるな。)


「どうした、何も無いなら帰るが良い。」


「なあ、あの的破壊できたら王様に会わせてくれるか?」


「あの的? ぷっ、あはははは無理無理アレはこの国一番の付与術師が強化値+9999のスキルを付与してんだ破壊できる訳ねえ!」


「そうそう、冗談だけなら実力は上だな! あはははは!!」


「ちょっと! やってみなきゃ分からないじゃない!!」


「そうですね、初めから無理と決めつけるのはよくありませんね。」


 俺を馬鹿にする兵士にプクッとエイルが頬を膨らませ、セワスルも眼鏡をクイッと指で押し上げ不服を申し立てる。


「分かった分かった、挑戦するのは自由だ。 無理だと思うがやってみな。」


「じゃあ遠慮なく、拳に破壊を付与!! いくぜ、これが超越した人間の力だ!! スライムパンチ!!!」


「「!!?」」


 俺は腕を引きスライムの弾力を利用し拳に破壊を付与して一気に腕を振り抜くと物凄い速度で腕が伸び的に当たると木っ端微塵にする。 その威力を物語るかの様に周囲に居る人物の髪は靡き、街路樹は衝撃で撓り振り抜いた腕を引いてバチンと音が鳴ると元の腕の長さに戻る。


「おい、見たか……今の……?」


「腕が……伸びた……??」


「おーい、驚くのはそこじゃねーだろ。 的破壊したんだからさ、王様に会わせてくれるんだろ?」


 本来なら的が壊れた事に驚く筈なのに何故か俺の腕が伸びた事に驚愕する兵士達に違和感を覚えつつもツヨスギール王へ会う為に固まる兵士に語りかける。


「はっ! あ、はい。」


「どうぞ。」


「サンキュー。」


 謁見の間へと辿り着くとツヨスギール王が椅子に座り方杖を付きながら俺達を見下ろす。 隣には白い髭を蓄えた老人、大臣のミスカース・コノメーデが背中に両腕を回して鎮座している。


「ほう、見ない顔じゃな。 先程の衝撃は貴様が原因か?」


「ああそうだ、俺がやった。」


「あの場所には破壊不能の的が有った筈だが、どの様にして破壊したのだ?」


「付与して破壊した。」


「ほう付与術師か、おいナマクラを持って来い。」


「はっ! ただいま!!」


 ツヨスギール王が兵士にナマクラを持ってこさせると俺にそれを手渡す。


「貴様が本当に付与術師なら、そのナマクラにスキルを付与出来る筈だ。」


「簡単な事ですよ、付与発動! 聖剣!!」


「こ、これは!?」


 その場に居た全員がナマクラに聖剣のスキルが付与された事に驚愕する。


「国王陛下! 耳をお貸し下さい!」


「む、何だ? ほう、確かにそれは名案だな。」


(成程、あの大臣俺の付与術に驚きつつ鑑定のスキルで経験値が100億有るのをこの時点で知りツヨスギール王に勇者として魔王討伐をさせる事で宴の時に睡眠薬を使ってレベル上げの肥やしにしようと企んでいたわけか。 頭の回転の速いじいさんだが今回ばかりはそうはいかんぞ?)


「貴様の名を聞こうか。」


「ネダヤス・ゾテーメラ。」


「ネダヤスよ、いまから主を魔王討伐の勇者として歓迎しよう! 魔王討伐の暁には何でも好きな褒美をやろうではないか!」


(よく言うぜ、その褒美で俺はてめーらに何度も殺されては蘇生されてを繰り返したんだ! この後はセンシーとスペールを付けるんだろ?)


「心許無いが我が国から二人、重要任務に付いてもらおう。 センシー、スペール、彼の魔王討伐を手伝い世界に平和を齎すのだ!」


「はっ! 了解しました、この国一番の剣の使い手で刃斬紋を持つ最強の戦士センシーにお任せを!!」


「了解! 国一番の魔法の使い手、魔導紋を持つ最強の魔法使いのスペールにお任せ下さい!!」


 二人は俺に近付き握手を求めるが俺はそれを拒否する。


「悪いが握手は最後に取っておかせてもらおうか?」

(こいつら、俺にあれだけの事をしておいてよく眼の前に姿を現せるな!)


「殊勝な心掛けだな。」


「ちょっと生意気だけど良いんじゃない? 魔王討伐なんてアタシ達だけで十分だとは思うけどね。」


「では行くが良い、明るい未来の為に!!」


(何が明るい未来の為にだ、てめーらの腐りきった根性叩き直してやる!!)


 こうして俺はエイル、セワスル、センシー、スペールの五人で魔王討伐の旅をする事になった。


 しかし、俺はこの時はまだ気付いていなかった。 未来では俺を亡き者にする為にレベル100の刺客達が送られて来ている事に。

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