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経験値100億の最強チートな付与術師の復讐劇  作者: クソラノベ量産機
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第二十話 未来への復讐の第一歩

 俺はキカーヌを誘いチカック王の許可をもらった部屋を使い水晶玉に映るガイアールとアバの行く末を見る事にした。


「あまり気が乗らないのだが。」


「安心しろって、俺にはクズカップルが落ちぶれて行く未来が分かってるからな。 それに、アンタの幼馴染みがどう思っていたか理解しておいた方が良いぞ。」

(此処に来る途中で隠れてキカーヌを着けてた根暗っぽい女が居たし、くっつけるか。)


ーガイアール視点ー


 ガイアールはガイナスの屋敷にアバと戻って来ており、誰も居ない事に違和感を覚えていた。


「何だ留守か? おい誰か居ないか!」

(くそが、何でメイドまで居ないんだよ!!)


「何かおかしくない? 人一人居ないなんて。」


「分かってんだよ、んな事! チッ、しゃーねえ執事にでも捜させるか。」


「ガイアール様、宜しいですかな?」


「居るじゃねえか、親父は何処ほっつき歩いてんだよ?」


「ガイナス様でしたら亡くなられましたよ、まさか知らないのですかな?」


「何だと!? 聴いてないぞ!!」


「ですから、ガイアール様には直ぐにでも跡を継いでもらえますかな?」


「無理に決まってんだろ! 親父の仕事なんて何一つ知らねーのによ!!」


「ならば仕方ありません、私もメイド達同様に辞職させて頂きます。」


「はあ!? 裏切るのかよ!!」


「裏切るも何も我々は奴隷では無く使用人ですので無料働きをする気は御座いませんので私はこれで、ご冥福をお祈りします。」


「おい、嘘だろ!? アバ、お前は俺を見捨てない……よな…………」


 振り返ると先程まで居たアバの姿は無く、一人屋敷に残されたガイアールの元に城の兵士が来る。


「ガイナス・ボウラックの死は知っているな?」


「それはさっき聴いた、何の様だ?」


「亡きガイナスに代わり息子であるガイアール・ボウラックへの数々の罪状を読み上げる。」


「数々の罪状!? 親父の奴何しでかしたんだよ!!」


「至る商売につき、脅迫したうえ国王陛下よりの助成金に関した嘘の情報により騙し取った金額、およそ2億8千万もの金銭などを返済を要求する!」


「なっ!?」

(いや待て、流石に億単位程度なら貯蓄があるはず!)


「断れば死罪は免れないぞ?」


「わ、分かってますよーそれくらいでしたら直ぐに払えますから。」


 そう言うとガイアールは屋敷内の金庫を開け兵士に見せる。


「これは……。」


「どうぞどうぞ、返済分の金貨なら持って行ってくださいな。」


「貴様巫山戯ているのか?」


「何がですか〜はは?」


「金貨なぞ一つも見当たらないではないか!!」


「嘘だろ!!」

(あ、ああ……そうだ、あの女に高級バッグや高級な店で食事するのにこっそりくすねてたんだ。)


「ガイアール・ボウラック、虚偽の発言にて騙そうとした罪も上乗せし一生奴隷として地下労働をしてもらうぞ!」


「うわああああああああ!!」


 ガイアールはガイナスの罪を被り奴隷として一生地下労働生活を送る刑に処された。

 嫌な予感がしたアバはガイアールに気付かれないよう、こっそりと屋敷から離れ街中を走っていた。


(はぁはぁ、ガイアールの悲鳴? 危なかったわ、何回もババッグや食事の金銭の額を考えたら底を尽いて当然よね? まあいいわ、あー言ったけどキカーヌなら真面目だし金持ってそうだし一度くらいヤらせてあげたら簡単に落ちるでしょ。)


ーネダヤス視点ー


 水晶玉からは走ってチカック王国へと駆けるアバの心の声がだだ漏れになっており、キカーヌの眼は怒気を帯び今にも人を殺しそうな表情になっている。


「どうやら俺が馬鹿だった様だな、このクズを信じた言葉を生きる糧にするのはもう止めだ! ネダヤスと言ったか、目を覚まさせてくれて感謝する!」


「じゃあそろそろ行くか。」


「あのクソ女の元にだな?」


「まさか、お前を、その顔を愛してくれる女の元にだよ。」


「?」


「クズ女が到着するまで時間があんまり無いから速くしな。」


 キカーヌは真剣な顔で頷き共に城を出ると物影に隠れている何者かに気付く。


「今誰か居なかったか?」


「ああ、あそこに居るのがキカーヌの未来のお嫁さんだ。 連れて来るから待ってろ。」


 俺は壁から覗く人影を連れてキカーヌの元へと近付ける。


「え、あ、ええ!? あのあのあの、わわわ、わたし何も悪い事してないです!」


「安心しなよ、俺は君にキカーヌの恋人兼嫁さんになって欲しいだけだからさ。」


「ええ!? わたしがキカーヌ様のこ、ここ、恋人に!? しかも、お嫁さんだなんて無理に決まってます! だ、だってわたし髪の毛ボサボサで眼も紫色だし眼の下に隈出来てるし胸も身長もちいさいしで趣味もなんにも無い一緒に居ても楽しく無い女なんです!! そんなわたしが顔立ちも整ってて凄く逞しい筋肉と優しい心を兼ね備えているだけでなく何時も沢山の人達から感謝されてるキカーヌ様と釣り合う訳無いですから、そ、そそ、そりゃあ出来る事ならキカーヌ様と一緒に歩いたり、遊んだりしてみたい気持ちは有りますが絶対わたしのせいでキカーヌ様が変な眼で見られますって! だめです、それだけはわたしが耐えられません!! うう……、キカーヌ様だってわたしみたいな不細工となんて迷惑ですよね? で、でもこんな頭のおかしいわたしとでも良かったら、是非結婚してください!! ……………あ、ちがっ! 間違えました恋人として、じゃなかった! 友達として付き合ってください!!」


(めちゃくちゃ喋るな、ヲタクかな?)


「ぷっ、あははは!」


「キカーヌ……様……?」


「はー、さっきまで気分は最悪だったが君のお陰で晴れ晴れとした気持ちになったよ、有難う……友達からと言わず結婚しよう本来プロポーズしようと思ってた相手にこっ酷く振られてね君となら寿命が来るまで楽しく生きれそうだ。」


 キカーヌは名も知らない少女にダイヤの指輪を見せ跪き捧げる仕草をし、少女も赤面しながら嬉しそうにキカーヌの言葉に頷く。


「嬉しい、キカーヌ様と添い遂げる事が出来るなんて。」


「ところで、君の名前を聴いて無かった。」


「アイ・スールです、キカーヌ様末永く宜しくお願します。」


「ちょっとキカーヌ! 何知らない娘にプロポーズしてんのよ!!」


「アバ!」


(やはり来やがったなアバズレ女。)


「きゃっ!」


「ふん、このダイヤの指輪は元々私が貰う物だったんだから文句は無いわよね?」


「アバ! 俺の大事な人に何をする!!」


 良いところでアバが邪魔をしアイからダイヤの指輪を引っ手繰り自分の指に嵌める、奪われた拍子にアイが尻餅を付きその光景を見たキカーヌはアバを睨み付ける。


「なーに、その眼? そんな不細工な顔の娘なんて止めて私と結婚しましょうよ、それに私が間違ってたわやっぱり男は顔じゃないわ!」


「謝れ。」


「ん、誰に? まさかそこの不細工ちゃんにかしら? 嫌に決まってるでしょ、だって女は顔だものキャハハハ!!」


 その言葉にしょんぼりとするアイの顔を見てキカーヌは再び怒りが込み上げ強く拳を握るが、その手をアイがそっと掴みふるふると首を横に振る。


「アイ……。」


「へえ、女は顔なんだ。」


「当然でしょ? 男は金、女は顔、それが真理なのよ!!」


「なら、お前も不細工の気持ちを味わいな付与発動! 不細工付与!」


「な、何したのよ?」


「知りたいなら、そこの窓硝子でも見てみな。」


「きゃああああ! 私の顔がああああ!!」


 俺はアバの態度と価値観に苛立ち不細工を付与すると、忽ち老婆の様な顔になり鼻の横には黒く大きなイボができ顔面もシワシワになる。


「戻して! 私が悪かった、ダイヤの指輪も返すから元に戻してええええ!!」


「ふん、返すだって? 当たり前だろ、これはキカーヌが愛する者の為に買った言わば愛の結晶だ! お前みたいな心の醜い奴が触れて良いもんじゃねーんだよ!! 一生キカーヌと同じ気持ちを味わい続けるんだな。」


「そんな……。」


 こうして俺はキカーヌとの信用を勝ち取り今の時間軸では仲間として未来のツヨスギール王国への復讐の第一歩を踏んでいく。

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