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お酒を飲んで酔っ払ってるという理由で、私の身体を触らないでよ!

作者: 七瀬








私は20代で、親の借金を返済する為にホステスの仕事をはじめた。

私の父親は私が子供の頃から、仕事にも行かずギャンブルやお酒ばかり

飲んで一日中家に居るか? 競馬場かパチンコ屋に居る事が多かった。

そのお金だって! お母さんが私の将来の為にと毎月少しづつ貯めていた

貯金を勝手に父親が使い込んでいたのだ!

そのうち、家にお金がないと分かると? 父親はサラ金業者からお金を

借りられるだけ借りて、いつの間にか家から居なくなっていた。





お母さんは、父親の借りたお金を必死で返していたのだが、、、。

利子さえ返す事ができないぐらいお金がみるみるうちに増えていく。

最初に借りたお金が300万円だったが、今では3000万円にまでなった。

まだ小さな私を育てるだけでも大変だったと思うのに......。

泣き言一つ言わず、お母さんは父親の借金を返し続ける日々。





・・・でも? 一向に減らない借金は、私が中学を卒業してお母さんと

一緒に返す事にしたのだ。

サラ金業者は、私に風俗の仕事を紹介してきた。




『お前が中学を卒業したら? “いい風俗店を紹介してやるよ!”』

『・・・・・・』

『娘にそんな仕事はワタシが生きてる間は絶対にさせません!』

『じゃあ、早く借金返してくれるか?』

『・・・ど、努力はします!』

『努力? あのなー金さえ返してくれればこんな事、俺だって言わなくて

すむんだよ。』

『わ、分かってます!』

『じゃあ、早く金返せよー!』

『・・・あぁ、はい!』





母を怒鳴りつける、サラ金業者に私達親子は何時もビクビクしてた。

全ての責任は、“父親にあるというのに、、、!”

父親の居場所が分からない!

生きてるのか? 死んでるのか?





お母さんは、私が25歳の時に過労で亡くなってしまう。

借金の返済は、母から私に代わった。

私は自分の時間を全て仕事に向けて、朝から次の日の朝方まで働きづめ。

でも? 働いたお金は殆ど借金の返済で残らない。

スーパーで割引になったお弁当を買ってきて家で冷たいまま食べた。

電子レンジも買えないほど、切羽詰まっていたからだ。

私の一人暮らしの部屋には、家電製品はほとんどない!

あるのは? 最低限いるモノだけ。







・・・いつか私は? “私を救ってくれる王子様が現れると信じている!”

でも実際は、私の横でお酒に酔っぱらって私の身体に触れてくる年配の

オジサンだけ!




『連ちゃん、今日も可愛いねぇ~』

『少し飲み過ぎですよ、東野さん!』

『そんな事ないよ~連ちゃん、明日のお昼、ご飯に行かない?』

『ごめんなさい、予定があるので......。』

『そうなの~まさかだけど? “彼氏とか居ないよね?”』

『いませんよ、どうしてですか?』

『予定って? 男と会ってるのかなと思ってね、じゃあーいっか!』

『スミマセン、でも? お店に来てくれたら何時でも会えますよ。』

『またまた~営業が上手いんだね!』

『そういうつもりで言った訳じゃないですよ~』

『じゃあー明日も連ちゃんに会いに来るかな。』

『嬉しい!』

『明日、指名するから待っててね!』

『はい!』







・・・この東野という男は? よく私を指名してはお酒を飲んで

酔っぱらって私の身体を触ってくる男だ!

それでも、毎日のように私を指名してくれるこの男に文句は言えない!

この男のおかげで、指名料として給料以外のお金も貰えているのだから。

身体を触られたくないが、お店のママに言ってもまともに取り合っても

くれなかった。

“大事なお客さんを一人なくしてもいいの?”

私は自分を押し殺して仕事をしている。

だからなのか? “プライベートでは絶対にこの男と会いたくない!”

頑なに私はこの男を拒んでいた。







 *





・・・でも、もう直ぐ!

父親が作った借金も残り150万円ほどまでになって思う事は、、、?

やっと借金が完済されるのかと、これでやっと! 私も自由になれる!

その日まで、今は耐えるしかないと覚悟を決めているの!



最後までお読みいただきありがとうございます。

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