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ブルーライトニング 第2部 第34章

 司令部のスコットは各地のテロを制圧したことをうけ、安堵するも、限られた映像記録から、マルスとプロメテウスのすさまじさを知ることになる。

「シティに被害はないか」とスコットは傍らのミラに聞く。モニターの表示がめまぐるしく戦況を伝えたので、追い切れないのだ。

「ライトニングがシティ市長公邸の暴動を鎮圧したので、特にありません。暴動に参加したのはすべてロボットだったので、破壊しました。ダグラス本社を襲っているロボットは現在掃討中です。まもなく終わります」

「海上のほうはどうだ」

「マルスとプロメテウスが輸送船を撃沈しています。ドラグーンは完全撃破。発射されたミサイルはルーナとレナが撃墜しています。こちらも迎撃には成功してます」

「撃沈した船はコーダシティのドッグから発進した船と確認されましたので、政治的カードに使えるでしょう」とサムが付け加えた。

「ふむ、オルソンレポートのおかげだな。オルソン、ご苦労だった」

 オルソンは軽くうなずき、答える。

「いえ、相変わらず金融操作を行うので、予測は簡単でした。シティにいるテロを手引きした容疑者は、情報をプレストシティ警察に送りましたので、数日中に逮捕されるでしょう」

「ふむ、相変わらず、テロの前に金融操作をするのか。学習能力のないやつらだ」とスコットはあきれ顔だが、

「いえ、金融操作が利益を生まなくなったのは、アルトシティ攻防戦以後の話です。それ以降被った損害に比べれば、それまでの利益は膨大です。それほど、利益は大きかったのですから、やめようとは思わないでしょう。自分たちで任意の場所と時間でテロを起こすのですから、相場は意図的に動かせます。利益を予想するのはむずかしくはありません」

「それが、通用すると考えていること自体、許しがたいな」

「金融取り引きを追うと、この取り引きをしているのは、コーダシティの支社だけです。テロにかかわることは、本社のほか、コーダシティでしか行っていないのでしょう。ここを潰せば、終わりです」

「では、終わらせよう。詰めの調査を頼む、オルソン」

「はい」

「スコット司令、すべてのテロを制圧完了です。ダグラス本社を襲ったテロロボットはすべて破壊。引き続き、調査を行います」とサムが報告した。

「よろしい、サム、マルスの戦闘ログは解析できたか?」

「さすがにリアルタイム解析はニックでも無理です。時間をください。ですが、船の照合は完ぺきです。コーダシティのドックでの整備中から出航、その後のすべての映像記録を追えます」

「でかした。すぐに高野長官に報告しよう。協力してくれたロンドシティ防衛軍と連邦軍司令部にもだ」

「わかりました。ノーマ、情報の伝達を頼む」

「はい」


 情報を解析していたミラはスコットに、

「輸送船の映像分析記録を出します」と告げ、スコットの正面のモニターに映像を映す。ステルス偵察機からの映像記録で、船の鮮明な画像が表示される。日中の航行映像で、甲板上の構造物がはっきりとわかる。

「コンテナ貨物船に偽装されていますが、ここにドラグーンが発進した格納筒が収められています。蓋らしき構造物が見られますが、その上に4機の偽装されたミサイルコンテナが確認できます」

「ほう、なるほど」

 映像が変わり、夜間の映像に変わった。対空レーザーの閃光がきらめくのをステルス偵察機はしっかりととらえていた。ミサイルが発射され、空のコンテナがロケットモーターで投棄される。

「なるほど、最初の4本のミサイルを発射しないとドラグーンが発進できなかったのか」

「そのようです」

 格納筒の蓋がロケットモーターで投棄され、中からドラグーンが飛び出すが、1機が上空からのビーム射撃で撃たれ、炎上する。もう1機がかろうじて、輸送船から発進した。後部甲板のコンテナからミサイルが発射されようとするが、ビームに貫かれ、爆発炎上する。コンテナ船は大破炎上し、さらに3発のビームをうけ、船体が折れて沈没した。

「マルスも容赦がないな」とスコットは感想をもらした。

 視野が変わり、海上を爆走するドラグーンを写す。数発のビームを受けるが、シールドで中和して無傷だった。シールドの力場がゆらぎ、ドラグーンが対空砲を撃つ。その瞬間、上空からのビームでドラグーンのシールド発生器が破壊された。

「絶妙なタイミングだ」

 対空砲がめまぐるしく射線を変えてビームを発射するが、突然、現れた影がドラグーンを真っ二つにする。真っ二つにされたドラグーンは、その後、多数のビームを受け、爆発炎上し、沈没した。影はその場からすぐに退避し、全く姿を残さなかった。

「最後のビーム攻撃はプロメテウス配下のホーネットのものか。これでは、プロメテウスの映像を確認することは不可能だな」とスコットはミラに言う。

「そうですね、予備の偵察機のカメラでは、攻撃開始直後からプロメテウスを追えなかったので、全く役に立っていません」と、ミラが首をふる。お手上げという感じである。

「あとはプロメテウスやホーネットのログが頼りか」

「そうなります」

 スコットはふうっとため息をついた。

「まあ、しかたがない」

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