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ブルーライトニング 第30章

瑞穂は玲子に、マイクの気持ちにきちんと応えるように言う。玲子はその夜、マイクに自分の気持ちを打ち明ける。


 部屋の隅でマルスやトリオを囲み、恵や守、メアリがゲームに講じていた。ゲームは盛り上がっているようで、皆が歓声を上げて楽しんでいる。

「マルス、楽しそうね」と瑞穂が玲子に言った。

「そう、何よりだわ」

「玲子はマルスが取られちゃって、さみしくない?」

「マルスはいろんな人にかわいがられた方がいいのよ。かわいがってもらえるなら、それでいい」

「ふーん」

 先ほどまで一緒だったマイクが、お茶の支度があると言って、その場を離れたので、玲子と瑞穂の二人きりになった。

「ねえ、玲子、マイクに告白されたあと、返事はしたの?」

 玲子は気まずそうに、

「いえ、してないわ」

「なら、ちゃんと答えないといけないでしょ。マイクは玲子のこと、諦めてないよ。嫌がらせをしてきた綾はもういないんだし、遠慮すること無いわよ。それとも、玲子はマイクが気に入らないの」

「そんなことない。でも、私じゃふさわしくない気がするの」

「ねえ、玲子、それはない! マイクが告白したなら、それは考えなくてもいいの。問題は、あなたがマイクのこと好きかどうかよ」

 瑞穂は玲子の手を握って言った。

「約束! 今夜、きちんとマイクと話をすること!! はぐらかさないでね」

 瑞穂は本気だった。玲子は瑞穂の真剣なまなざしに、はぐらかすこと無く答えた。

「わかったわ」


 楽しい時間はあっという間に過ぎて、夕方になり、皆は帰っていった。玲子達はサムから泊まって行けといわれていたので、そのまま夕食をともにした。ダグラス夫妻も玲子のことを歓迎しており、楽しい晩餐になった。

「玲子、今日は、楽しかったかね」と、ジムが聞いた。

「ええ、楽しかったです。マルスもずいぶん、みんなにかわいがってもらって良かったです」

「そうか、なら、言うことは無いな。メアリも楽しかったかい?」

「ええ、マルスとトリオといっぱい遊べたし、エイミーも楽しんだでしょ」と、最後は傍らのエイミーに話をふる。エイミーはこくっと頷き、「楽しかったです」と答えた。

「玲子、これからも遠慮無く遊びに来なさい。メアリは玲子のことが好きだし、マルスやトリオのこともずいぶん気に入っている」

「はい、そうします」と玲子は差し支えない答えをする。

 メアリは、

「ねえ、玲子、あとで宿題みて!」と玲子に言うと、マイクは、

「また、玲子に頼る。俺がみてやるから」と言った。

「やだ! 玲子がいい」

 玲子は笑いながら、

「いいわよ、あとで見てあげる」という。

「やったあ」とメアリは歓声をあげた。


 夕食後、玲子はメアリの宿題を見てやり、メアリはうれしいのかサクサクと宿題をこなしていく。マルスとトリオはマイクが相手をしてくれていたのが玲子としてはうれしかった。

「はい、終わりだね。頑張ったね、メアリ」

「うん、玲子、ありがとう」

 勉強道具を片付けながら、メアリは玲子の顔を見上げて、

「また遊ぼうよ」

「うん、いいけど・・・」と玲子は歯切れが悪いが、きちっと話さないといけないと思い直し、

「マイクとも話をしたいから、そのあとね」と言った。

「何の話をするの?」

「学校の話よ」

「ふーん」

 メアリは深く追求せず、

「じゃあ、マルスとトリオと遊ぶ」

 部屋をでてリビングに行くと、エイミーとマルス、トリオがマイクを相手にゲームで遊んでいた。ソファにはサムとノーマがくつろいでいる。

「おう、メアリの宿題は終わったか?」とサムが聞くと、メアリは、

「うん、終わった」

「早かったな、頑張ったな、メアリ」とサムはメアリを褒める。

 律儀なメアリはマイクに、

「マイク、玲子が話をしたいんだって」

 ゲームのコントローラーを持っていたマイクが、ゲームを一時停止し、メアリにコントローラを差し出した。

「じゃあ、メアリが続きをやってくれ、玲子、話ってなんだい?」

 サムがマイクに、

「マイク、ここで話すのもなんだから、父さんの書斎を使えよ」

「わかった。玲子、書斎に行こう」

「ええ」

 

 書斎に向かう間、先に立つマイクは特にいつもと様子は変わらなかった。玲子は緊張のあまり、手をぎゅっと握りしめ、マイクについて、書斎に入った。

 書斎の明かりをつけたマイクは応接セットを指し示した。

「ちょうど良かった。俺も玲子に話があった」

「私から話していい?」

「いいよ」

 テーブルを挟み座った二人。マイクは表向き変化は無かったが、玲子の鼓動は高鳴った。

「あの・・・ 以前、マイクは私に付き合ってって言ってくれたけど、私、返事をしなかったわ」

「ああ、そうだね」と、マイクが静かに言う。

「今さらなんだけど、私、マイクのことが好きです。今でも、私への気持ちが変わらなかったら、付き合ってくれませんか」

 マイクに笑顔が浮かぶ。

「気持ちは変わらないよ。玲子のことが好きなのは今でもかわらない。俺もそのことを話したかった」

「えっと・・・」

 なんとも、簡単に話が終わってしまい、玲子は次の話が継げなかった。マイクは、

「玲子から返事をしてくれて、うれしいよ」

「ごめんなさい。私、ずっと返事をしていなかったのに・・・」

「伊藤さんがいたからな、仕方が無いよ。でも、もう、伊藤さんもいないしさ、嫌がらせするやつはいないと思う。まあ、他にいたって、俺の気持ちはかわらないよ。玲子も堂々としていればいい」

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