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ブルーライトニング 第2部 第26章

暴走ロボットの制圧をもって、プレスト海軍の作戦は終結する。

マルス プレスト海軍の戦闘用アンドロイド。大型ロボットプロメテウスを駆る。

ブラウン 第三艦隊司令官

リヨン 連邦大統領

ボイド 連邦軍の軍人。リヨンの側近でもある。

 マルスとリョーカはそれぞれ2機のブルータイタンを率いて、おのおのの戦場に急ぐ。マルスが向かったのは住宅街だった。

 マルスが到着したときは、すでにひどい有様だった。紅蓮の炎が暴れる住宅街では、3体のロボットが、ミサイルを撃ち尽くしたあとも内蔵の火器でさらなる破壊を進めていた。

「いくよ! プロメテウス」

 マルスはプロメテウスを駆り、敵ロボットに襲いかかる。世界最強と言われたグリフォンにさえ打ち勝つ能力を持つロボットだったが、プロメテウスの敵ではなかった。プロメテウスのライトサーベルが一閃し敵のロボットは撃破される。プロメテウスに付き従うブルータイタン2機もJ9のコントロール下にあるので、その太刀さばきは鋭く、やはり、一撃で敵ロボットを破壊する。それは官庁街を襲ったロボットを制圧したリョーカの部隊も同じだった。


 第3艦隊の管制室では驚嘆のため息があふれていた。偵察機から送られてくる市街地での戦闘は彼らの想像を絶するものだった。

「もはや、戦闘ではありませんな」と艦長がブラウン司令に言った。

「そうだな」

 一方的にやられる敵ロボットが哀れにも思う。これでもグリフォンを瞬殺するほどの性能だったはずだ。

「デルタワンが目的地に到着! 敵ロボットの掃討にはいります」

 映像がティムが率いるブルータイタンの戦闘の様子に切り替わる。こちらも基地を破壊し尽くしたロボット達を、いとも簡単に制圧していく。基地のロボットを制圧した後、ティムは全ロボットを率いてガバメントの本社施設に移動し、ここも制圧した。

「なかなか、ティム達もやるじゃないか」とブラウン司令は満足げだ。少なくとも、ティムもマルスたちと同等の戦闘能力を持つのだとわかったからだ。

(この兵器システムは使える)

 それがブラウン司令の感想だった。


「なにか、こう・・・ あっけないものだな」とリヨンは言った。怒濤のような記者会見のあとだけに、余計に執務室の静寂が際立つ。ボイドは

「あの攻撃力がソプラノシティに向けられていたのかと思うと、ぞっとします」と言った。

 記者会見ではラルゴシティとガバメント社の企みがすべて発表され、証拠映像としてガバメント社の飛行場から飛び立つ敵のロボットの映像も公開された。連邦軍の旧体制派がガバメント社とはかり、ガバメント社製の装備を各シティに求めたこと。テロの危機感をあおるため、ガバメント社がセレクターズを操っていたことも発表されると、世界に衝撃が走った。しかし、それらに反論するであろうガバメント社の経営陣は、自ら生み出したロボットに殺戮され、この世にいない。

「プレスト海軍は、ソプラノシティへの攻撃は防ぐと言ったが・・・ こういうことだったのか」

 表向き、第3艦隊と第7艦隊の攻撃に失敗したため、ソプラノシティ攻撃のために発進させたロボットを急遽呼び戻したときに手違いが発生し、自分たちを攻撃させてしまったことになっていた。ラルゴシティとガバメント社がセレクターズの首謀者であったことが、公表され、ラルゴシティ政府首脳陣、ガバメント社経営陣が、自ら用意したロボットの攻撃で死亡したことは、むしろ受け入れやすい事実だった。リヨンは目をつぶり、ため息とともに口にした。

「なんにせよ、セレクターズが瓦解したことはよいことだ。大規模テロで、人が死ぬこともない」

 思えば多くの人命が失われた。一企業の営利を求める活動のために・・・

「すべてはアルトシティのドラグーン撃破から始まったような気がします。プレスト海軍は周到に昨夜の準備を進めていたのかもしれません」と、ボイドは自分の考えを述べた。

「そうかもしれん。しかし、プレスト海軍が沈黙している以上、憶測を口にすることはできん。とりあえず、我々がすべきことは、世界各地にあるガバメントの経営拠点を監視し、テロの再発を防ぐ。世論の反対はないだろう」

「ガバメントは投資が引き剥がされ、もはや経営が成り立たないとプレスト海軍情報局から報告が来ています。そうは保たないでしょう」

「いいことだ。資金がなければテロ活動もできん。そういうことだ」

「カタリナのことはどうしますか。とりあえず、フェイク映像であることは暴露しましたが、まだ、信仰心を持っているものもおると思います。それを利用し、データを持つものがセレクターズを再興したとしたら・・・」

「個別撃破しかないのだろうな。当面はフェイク映像でしかないというプロパガンダを流すしかない。あとは活動資金源を絶つ」

「テロとの戦いとは、経済戦争でもあると?」

「そういうことだ」



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