ブルーライトニング 第2部 第24章
第3艦隊にラルゴシティの戦闘ロボットが迫る。迎撃に出たのはマルスと同型のアンドロイドの少年「ティム」だった。
登場人物
ブラウン 第3艦隊司令官
ティム マルス型のアンドロイド
同じ頃、大西洋の第3艦隊はミサイルの飽和攻撃をしのいでいた。艦隊防空戦闘機として主力空母が搭載するドルフィンが、フェニックスが発射したミサイルを迎撃していく。だだ、第7艦隊の手際と比べると、幾分か劣っているのは否めなかった。
「全ミサイル撃破。艦隊に損害なし」
「第7艦隊は余裕で撃破してますね」と艦長がブラウン司令に言った。
「装備がな、うちより進んでいるんだよ。ほしいな、あの装備」
「ですね」
管制スタッフが報告する。
「戦闘ロボットと思われる一群が接近しつつあり」
「ミサイルで迎撃せよ」
「了解、長距離迎撃ミサイル発射」
火器管制員が射出ボタンを押す。司令が続けて指示を出す。
「最終誘導はデルタワンにまかせる。ティム、前線に出よ」とブラウンが無線で指示を出すと、可愛い男の子の声で、
「了解、デルタワン、迎撃のため、進出します。ミサイルの誘導管制をもらいます」
艦長はやや心配性だった。
「ティムは初陣ですよね。大丈夫ですかね」
「誰にも初陣はあるよ。ティムの同型の1号機と2号機は初陣で華々しい戦果を挙げている」
ティムはマルスと同型のアンドロイドで、ロンドシティ防衛軍が受領したばかりだった。ブラウンはティムを受領し、自分で面倒を見ていた。これは、プレスト海軍の習わしにならったのである。ティムはそんなブラウンの信頼に応えるかのように、ブルータイタンに乗り、J9タイプのメタロイドが乗るブルータイタンを5機率いて前線へと進出した。
「プレスト海軍は2機、我々は6機、装備の数はこちらが上だ。J9レベルであれば対応できるというのが、第7艦隊のアドバイスだ」
ブラウンはそうはいいつつも、胸の内に不安もあった。ティムを預かった時から、できる限りのことはしてきたが、艦隊の命運がティムにかかっているからだ。
「頼む、ティム」
それが、司令官の本音だった。
ティムは接近してきた3体の戦闘ロボットに、艦隊が放ったミサイルを誘導し迎撃を試みた。しかし、複雑な機動をさせたものの、ミサイルは簡単に迎撃されてしまった。
「だめか・・・ やっぱり、接近戦しかないか。各機、2機一組で敵に対応する。行くよ!」
「了解!」とJ9が答える。
ブルータイタンはプロメテウスタイプほどの機動性はないが、決して凡庸な機体ではなく、機動性能は戦闘ヘリとほぼ互角といっていい。サーベルを抜いたタイタンは、2機一組で敵ロボットに挑む。それは、敵ロボットに対して、きわめて有効な戦術となった。
ティムは一撃離脱戦法をとったが、最初の一撃で敵ロボットを撃破することに成功した。
「案外、あっけないな。プレスト海軍のデータのとおりだ」
ティムの耳に、司令官からの声が響いた。
「よくやったティム。上出来だ。追撃してくるフェニックスは艦隊防空のドルフィンに任せて撤退しろ」
「了解」
だが、対艦ミサイルを発射したフェニックスは攻撃をあきらめたのか、機首を翻し、引き返していった。
「ふーん、戦わないのか・・・ まあ、それもよい」
ブラウンは管制室のスタッフに指示を出す。
「今の攻撃をもって、ラルゴシティに報復攻撃を行う。敵基地に巡航ミサイルを撃ち込め!」




