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異世界死亡録~ワールドデッドマーチ~乙る度に強くなれ 外伝「僕のマトモだと信じたい純粋な感性①」

作者: 存在しないアニメについて語る企画

当作品は「virtual文化祭」にて行った「存在しないアニメについて語る企画」の参加者で作った作品の外伝的二次創作です

ですので登場人物の関係性など不明瞭な部分が多々ありますが

仕様ということでご容赦ください

よろしくお願いします

みなさんは不死者(アンデッド)と言う存在をご存知ですか?


墓場や戦場など、人の死体が多い場所に現れるゾンビやスケルトンなどのモンスターなんですが


吸血鬼やデーモンと言った寿命が存在しないモンスターも不死者と言いまして


加えて…


今、現在進行形で、僕の目の前を歩く最近血色の良い男性、底辺 (ていへんしかばね)さんも…


不死者なのですはい…………




異世界死亡録~ワールドデッドマーチ~外伝


僕のマトモだと信じたい純粋な感性①






「アリシアごめん、ソース取ってくれない?」


「はい、屍さま」


「…………」




小鳥のさえずりと共に登った太陽が気持ちよく大地を照らし、一日の始まりを告げる


以前なら間違いなくそうだったんだ


だがここ最近は違う…



「あっ!これ美味しい!アリシアはやっぱ料理上手だな!」


「えっ!?」



あぁまた始まる………



「や………やだぁ!!屍さまったらぁ!!!照れてしまいますわ!!!!」



ズパァァァァァァァアアアアアアアアアアン!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!



そう言い放たれたと同時に宿屋全体を揺るがす衝撃波


爆音とともに弾ける肉、血、骨、その他諸々


そう…今僕の目の前では朝食とともに命のやり取りが繰り広がっている


あ、そうだ紹介がまだでしたね、えっと…


今僕の斜め前に座っている見た目は華奢な「見た目は華奢な」女性が


アリシア・ルイス・ロドリゲスさん


先ほどの衝撃波は彼女が発生源だ


そしてその隣で…僕の目の前で間違いなく1度死んで下半身だけになった男性が


底辺 屍さん


こんな光景はもうほぼ毎日だから最近は慣れてます


ですが問題はここから、畳み掛けるように僕の網膜を襲う驚異の肉体再生の光景…


冒頭でもお伝えしましたが屍さんは不死者なんです、死なないんです、いや死ぬけど…


厳密に言えば死んでもすぐ生き返るんです、そしてその生き返る様子は死に方によって様々で…


今回みたいにいろいろ吹き飛ぶと、残った部分から血管とか骨髄とか筋繊維が生えてくるんです


正直見てて気持ち悪いです、あと気持ち悪いです、マジで気持ち悪いです


彼と出会ってすぐの時は失神したり失禁したりしてましたが毎日のようにこんなのを見せられてたら


流石に慣れて………



「あっ!ごめんなさい!!またやってしまいました!!」


「ゴボゴボゴボグググピピははっアリシアは相変わらずだなぁ」



慣れてる…はず…………うっ…………………


いや無理



「うぶぇぇぇぇぇえええええええ!!!!!!!!」


「おわぁ!!大丈夫か!?」


「大変!すぐに拭くものを!!」



………………


………




「はぁ…もうやだ……」



朝、みんなで食卓を囲んで、アリシアさんが暴走して、屍さんが死んで、僕が吐く…


ここまでテンプレってやつですよ…


おまけに今回はクエストで遠征に来てるので馴染みのない宿屋でやっちゃったわけです…


当然出禁…



「申し訳ありません…」


「いや、アリシア謝らないでいいよ、あんな盛大にゲロぶちまけたら誰だって出禁になるよ」


「違いますよ!!そこじゃないですよ!!衝撃波とか肉とか飛び散ったのが原因ですよ!!!!!」


「まぁそれもあると思うけど1:1:8でゲロの割合が勝ってるだろ」


「んなわけねぇっすよ!!!!!!!!!!!!!!!」



もうすでにお気づきと思いますが、このパーティマトモなのは僕だけなんです


アリシアさんは比較的にまだマトモの部分もありますが、彼女は所謂「超怪力」なんです


見た目も体型も年相応の細身の女性なのに、そこから繰り出される一撃は音を置き去りにします


軽く肩をポンッとするだけで血の雨が降るんです


歩く人間兵器ですよ、マジで


んで僕の知る限りでもっともマトモじゃないのが屍さんだ


知り合った当初はまだ良かったが、死んでも生き返る能力のせいで段々と感性が歪んできているんだ


この前も討伐クエストで…



「ゴッゴブリン1000匹!?どうやってやるんですかそんなの!?」


「どうって…こうするんだ」


ドカーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


「当たり前のように自爆するなぁぁぁぁあああああああああ!!!!!!!!!!!!」



大きな爆弾抱えてダイブでしたからね………


この人には最早普通の感覚はないってわけです


成り行きで今まで一緒にいるけど、正直身が持たないです…



「えーっと、確か目的地はこの辺だったな」



考え事してたらもう目的地ですか、まだ屍さんのやべぇエピソードはたんまりありますが


また今度思い返しますか



「どこにいらっしゃるのでしょうか?」


「えっとさっきの宿屋のご主人の捜索…でしたっけ?」


「あぁ、調達に出てから中々帰ってこないみたいでな」


「でも町からそんなに離れてないですし…なんでクエスト申請したんすかね?」


「あれ?お伝えしてませんでしたか?」


「え?」



嫌な予感がする………



「この森、最近キマイラが住み着いたらしいのですわ」



「ギャオオオオオオン!!!!!!!!」



獅子、角獣、蛇の頭を持つ混頭の大型魔獣キマイラ


その実力は軍隊も手を焼くほどで、国が重度危険魔獣に定めるほどだ


なのに…………



「なんでこうなるのおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!」


「お前も負けずとうるさいな…」


「ですので今回は捜索クエストと討伐クエストの二重クエなのです」


「そんな涼しい顔で言うなあああああああああああ!!!!!うわぁ!!!来たあああああ!!!!!」



「ギャオオオオオオオン!!!!!!!」



キマイラは全身を分厚い毛皮と急所部分を硬質な鱗で覆っており生半可な攻撃は通らない


更に異常発達した筋肉の力でとてつもなく素早いんだ



「もう…あんまりおイタは………」


めっですわ!!!!!」


グパァァァァァァァァァァアアアアアアアアアアアアアン!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!



でもそんなの関係ないっぽい…………



「ギュッ……ギュエ…………」



断末魔をあげる暇もなく、重度危険魔獣が沈む、もうアリシアさん一人でいいんじゃないか…?



「ふぅ…これでひとまず大丈夫ですわね!」


「アリシア!!!危ない!!!!!!」



屍さんの怒号とともに血しぶきが広がる



「そんな……屍さま!?!?」



間一髪で間に合った、アリシアさんは無事だ



「で、でもなんで!?確かにアリシアさんが倒したはずじゃ!?」


「うっ…うぅ…ん………はっ!!キ、キマイラは頭の数だけ心臓と脳があるんだ!!うぐっ!」



「シャァァァァァァアアアア!!!!!!!」



蛇の頭が瞳を光らせ屍さんに追撃する、死なないとわかっているけど相手はキマイラ…もしかしたら…



「しっ屍さん!!!!」


「俺ならっ!!うぐぁ!!まだ!!大丈夫だ!!!今のうちに…」


「アリシア!!!!!!!」

「アリシアさん!!!!!」


「承りました!!!!!!!」



はっ!!!!!!!!!!!!やっ!!!!!!!!!!!!!!」


ズパパァァァァァァァアアアアアアアアアアアン!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!



残像さえ置いてゆく神速の連撃は見事残る2つの頭を消し飛ばした


その衝撃で屍さんも吹き飛んだが………



……………


………




「おーい!宿屋のご主人さーーーーん!!!!」


「キマイラは討伐いたしましたー!!お返事をーーー!!!」


「聞こえてますかーーーーー!!」



キマイラ討伐は無事ではないが、無事完了したけども


もう一つの捜索クエの進行は芳しくない



「だめっすね…」


「もしかしたら、もうすでにキマイラに…」


「そ、そんな…!それはあんまりですわ…!」



探し続けて数時間、辺りをくまなく探せどなんの手がかりも掴めない


段々と陽も落ちてきて、周囲の影が色濃くなる



「どうします?…一旦引き上げるっすか?」


「うーん…そうだな…一旦町に…」


「……………ぃ……」


「はっ!今何か返事が聞こえましたわ!!」


「あぁ!向こうからだ!!」



声のする方へ進むとそこには大きな亀裂があり、声はその奥底から響いていた



「ぉーーーーーぃ」


「この下ですわ」


「うわぁ…こりゃ難しい…今日中は無理っすね…」


「そんな!かわいそうですわ!」


「でも現実、もう夜になるっすよ、それに手元にある救助道具ではやっぱ無理っすよ」


「……いや、方法はある、アリシア、手刀で俺の胴体を切り離せられるか?」


「いや嘘でしょあんた!?!?!?そんなことしたら親父さんショック死しますよ!!!!!!!!」


「えっと…それはどういう…?」


「でもこれが一番早いし簡単だろ?アリシアやってくれ」


「は、はい、わかりました……………たぁ!!!!!!!!!!!!!!」


「ぐぼぁ!!お”し”さ”ん”い”ま”い”ぎ”ま”す”!!!!!!!!」



そう言って屍さんの上半身は亀裂に落ちていった



「しっ屍さま!?屍さまぁ!!!!」


「あ~アリシアさん、心配ないっすよ」


「え?どういうことですの??」


「いや前に見たことあるんすよ、屍さんの身体が切り離された時の光景」


「切り離されたパーツが綺麗に残ってたら元に戻ろうと不思議な力で身体に寄って来るんすよ」


「なんで多分今回も…」



「ぎゃあああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」



腹の底から絞り出した絶叫が木々をつんざく、まぁそりゃそうなるか…



「ごめん!足がこっちに落ちないように押さえててくれ!!」


「上手くいきそうっすね」


「えぇ…えぇ!流石、屍さまですわ!!」



見た目とか感覚とか、もうついて行けないとこはたくさんっすけど


なんでかこう、気持ちがいい人なのは間違いないっすね


でも…



「やっぱり断面とかは気持ち悪い……」



……………


………





小鳥のさえずりと共に登った太陽が気持ちよく大地を照らし、一日の始まりを告げる



「おはよ~ございまっす…ふぁあ」


「あぁ、おはよう」


「おはようございます!」


「にしても昨日は大変っしたねぇ…」


「あぁ、あの後ご主人に幻覚や幻って説明するのには苦労したな…」


「いやそこじゃねーっすよ!!……まぁいいか」


「お二人共お待たせ致しました!朝食に致しましょう!」


「おぉ!今日のご飯も美味しそうだ!!流石アリシアはすごいなぁ!」


「や…………」


「あ……」



このパターンはつまり………



「やですわ屍さまぁ!!そんな照れてしましますわ!!!!!」



ズパァァァァァァァアアアアアアアアアアン!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!



そう言い放たれたと同時に宿屋全体を揺るがす衝撃波


爆音とともに弾ける肉、血、骨、その他諸々



「もういい加減にしてぇぇぇぇぇええええええええええええ!!!!!!!!!!!!!!!!!」



何度も繰り返し見る光景を前に、まだツッコミを入れられるのは僕の


ロイズ・シャトレーズの感性がマトモな証拠だと信じたい


いやマトモなのか?いやマトモなはずだ…うん……



ご拝読頂きありがとうございます

当作品は現在、連載予定はありませんし、外伝の続きを書く予定もありません

しかしいろいろと練ってある作品ですので今後動かせたらと思っています

もし次回がありましたら、その時はよろしくお願いします

ありがとうございました

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