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理不尽すぎる害悪クレーマー

お久しぶりの更新です。二ヶ月ぶりになりますが、更新速度これから上げていくので読んでいただけたら嬉しいです。この話は一年ほど前に書いたもので、投稿するかためらっていたものを推敲し、何とか投稿できるようになったものです。よろしくお願いします

 コンビニは今日も色々な客で(にぎ)わっている。パンのコーナーを見ている親子、ジュースのコーナーを見ている学生達に、作業服に身を包み立ち読みをしている初老の男。その他にも大勢(おおぜい)


 そんな中、一人の男が入店した。


「いらっしゃいませ〜」


 明るい声が特徴的(とくちょうてき)な高校生の青年店員は、笑顔とともにその男を迎える。と、思いきや、すぐにレジの作業を効率よくこなし客の対応を始めた。手際の良さや接客の質は、社会人に相通(あいつう)ずるものを感じさせる。


 店内に入ってきたばかりの男は、(まゆ)をひそめてその様子をまじまじと見つめていたが、しばらくしてから意を決したように青年の担当しているレジへと向かった。ズカズカと男はレジに歩み寄り、何をするかと思いきやなんととてつもない声で怒鳴(どな)り始めた。


「おい!!!」


 攻撃的(こうげきてき)な強い声が(ひび)き渡り、店内に一瞬の沈黙(ちんもく)が訪れる。ピタッと客とレジの作業が止まり、 誰もが男のことを直視(ちょくし)し固まってしまった。

 しかし客達は「これは見ちゃだめ、やばい人だよ」などとひそひそ話を始め、店内の沈黙の糸はすぐに切れてしまう。その後、ほとんどの人が男から徐々(じょじょ)に目を離していき、各々(おのおの)が恐る恐る元々(もともと)していた作業の時間に戻っていった。

 男はそんな客達をじとっとねめつけるが、目的は客の方ではないようですぐに青年を(にら)みつけた。そのせいで、レジの青年だけは男から目を離す事ができなかった。青年はこの男が自分に用があるのだと察したが、(おどろ)きで表情が固まってしまっている。


 男はしばらく青年をにらんだ後、すーっと息を吸い、また大声で言葉を吐き出す。


「お前の接客は酷すぎる!!」


 声がビリビリと響き、再び店内に沈黙。今回はどの客も再び目を()らすことができないようだ。


「不快になったぞこっちは……! どうしてくれる!!!!」


 男のあまりの言い草に、客達は全員呆気(あっけ)にとられてしまっている。立ち読みをしていた作業着の初老なんかは本を戻し、はぁとため息をついて男をだるそうに見つめた。しかし、青年は嫌な態度を一切見せない。驚いて固まってしまった表情をすぐに申し訳なさそうな表情に変え、深々と頭を下げる。


「大変申し訳ありません」


「申し訳ありませんだと? ふざけるな! 謝ったって解決しないんだよ!そんな世の中甘くねぇんだぞ!」


「申し訳ありません……」


「だから言ってんだろ! 謝ったって意味ないんだぞ! 謝るくらいなら出せ金を!」


 青年は泣き出しそうな、そして焦りにも近い表情をお辞儀で隠すも、汗が(ほお)を伝い地面にたれる。それを見兼ねた店長が奥からペコペコと頭を下げながら現れた。申し訳な表情で、そしてターゲットが自分の方に向くように青年を後ろにやった。


「お客様大変申し訳ありません。こちらで(きび)しく指導しますので……」


「謝ったって意味ねぇって何回言わすんだ! 金を出せ、金だよ金!! 金を払え!」


「いえ、それはできません。不当(ふとう)な要求ですので」


「んだと? おい、おめえはそれでも経営者かよ!?」

 

 男は店長に(つか)みかかる。しかし店長は物怖じせずに、堂々とICレコーダーを取り出し見せつけた。


「言質は全てとれました。監視(かんし)カメラの映像もあります。それに理不尽(りふじん)にここまで暴れられては話になりません。一度、警察に相談してみましょう」


「おい!! それは……おかしいだろ! 金を……払えば解決するんだよ! 警察に通報するのは許されねえからな!??」


「金を払う? 残念ながらそれはできません。何回言わせるんですか? これは不当な要求ですよ? それに録音と監視カメラの映像がありますので、これで許されない方がどちらなのかが明らかになるでしょう」


「黙れ! そんな事はいいから金を払えって言ってんだろー!!!!」


そういうと男は暴れ出し、叫びながら店長に殴りかかろうとした。店長は(あき)れ顔をしてしながらその(こぶし)を受け止め、軽く関節技(かんせつわざ)を決め地面に押さえつける。

 そしてさりげなく警察を呼んだ。 警察が到着するのに時間はあまりかからなかった。



「ったく、警察の世話になっちまったじゃねぇかよ!」


 警察から解放された男は、怒りをあらわにしながら路地裏(ろじうら)を歩き進める。地面に置いてあったゴミ箱を()りとばし、ズカズカと歩く。 しばらく歩いた後、地面に座りこみ、はぁとため息を吐いた。


「金稼ぎ失敗だ……! くそっ!」


 今度は地面を(なぐ)りつけ、その痛みがさらなる(いか)りを生み出した


「これは一発クレームをいれねぇとな」


 男はそう()()てた後、携帯電話を取り出し電話をかけ始めた。


プルルル……ガチャッ


 相手が電話にでる音がした。


『もしもし、クレーマー育成所です』


「お前ん所の教え方が(わる)いせいで、こっちはクレーム失敗(しっぱい)したんだぞ! 金を返せ!金を!」

読んでいただきありがとうございました!

月曜日にも新しいの投稿するので、そちらも読んでいただけたら嬉しいですっ!

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― 新着の感想 ―
[一言] 大変面白く読み終えました。こんな育成所いやですけど、なんだかもしかしたら今の世の中ありそうで怖いです。この男は育成所にいくら払ったのか……。クレーム入れてお金貰ったり、商品をタダにしようとし…
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