表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺がゲームの中に入っちゃった  作者: カメカメ
18/46

18増えるキリングマウス

キリングマウスと接触した所に戻ると、シーラが倒れていた。


「快斗、君は相方のところに行け。僕達は、モンスターの警戒に当たるから」


ラックさんが、そう言ってくれたので、俺は迷わずシーラの下へ行った。


「おいシーラ、しっかりしろ。仲間を連れて来たぞ」


俺は、傷つき横になっているシーラを抱き寄せる。


「そ、の、声は、快斗、さん?」


良かった、意識はあるようだ。


「ほれ、ケアドリンクだ。ゆっくり飲め」


ゆっくりと、小瓶に入ったドリンクをシーラに飲ませる。

すると、ドリンクのお陰か、飲み終わる頃には先程までの苦痛な顔は消えていた。


「相方は大丈夫だったか?」


少し離れた場所で、ガトーさんが話しかけて来た。


「はい、ありがとございますガトーさん」


俺達の近くで、戦闘態勢に入っているイリヤさんも、声をかけてくれた。


「快斗は、仲間の近くにいてね。私達がキリングマウスを倒すから」


ありがたい。


「はい、お願いします」


そんな俺達の会話が終わるまで、待っていてくれてたのか、流れている汚水の中から、キリングマウスが現れた。


『ヂュー』


そこで、すかさずラックさんは、皆に指示を飛ばし始めた。


「ガトー、僕が先人を切ろう。君はサポートを頼む」


すると、重たそうな盾をガトーさんは軽々しくゆらす様にして返事をした。


「あいよ!」


「イリヤ、君はファイヤーボールを、僕がキリングマウスから退いたときに撃ってくれ」


「分かった、ラックが離れる時に合図をくれれば撃つよ」


「んじゃ、離れ間際に左手だけを挙げるから、そん時撃ってくれ」


「了解」


敵に攻撃のチャンスを与えないために、こちらの攻撃を途切れない様にするのか。

(と、クエスト前にシーラがパーティーの利便性の1つとして、教えてくれていた)


皆さん凄いな。


「皆、頑張れー!」


俺は皆にエールを送った。

あんま、意味ないけどね。


即席パーティーだった割には、皆凄くスムーズに動いていて、隙が見当たらない攻撃をモンスターにしていた。


「そろそろトドメだ」


ラックは、そう言いながらキリングマウスに向かって走り出した。


しかし、キリングマウスはそこで変な行動に出た。


『ビーーー』


上と下に顔を動かして、変な鳴き声を出し始める。


「何だあれ?」


俺が疑問を口にすると、俺に介抱されていたシーラが焦った様な口調で話し始めた。


「あれは、マズいです快斗さん。仲間を呼んでます」


「えっ!」


「キリングマウスは、家族で暮らしている場合、誰かがピンチに陥った時ああやって仲間を呼ぶんです」


「確かにそれはマズいな!イリヤさん、イリヤさん!」


俺は1番近くにいるイリヤさんに、この事を教えようと声をかけた。


「それは知ってる。でも、こっちの対応が遅かったみたいね」


そう言いながら、イリヤさんは指をさした。

俺は、イリヤさんが指をさした方向を見る。


まだモンスターは見えないが、ヂューヂューと微かに聞こえてくる声、もう近くまで来ているのは間違いない。


「逃げるぞ!何体くるか分からない、キリングマウスを相手するより、逃げたほうがいい」


ラックさんの出した答えに皆が頷く。


「シーラ、今から抱っこして逃げるから、怪我キツいだろうけど我慢してくれな」


「ありがとうございます、でももう怪我は大丈夫です。走れますよ」


シーラは、立ち上がろうとするも途中で力が抜けてしまい、ガクンと膝折れしてしまった。


「やっぱり、まだダメだ。怪我は治っても血が戻ってないから力が出ないんだ。俺が抱っこするぞ、いいな?」


「はい、すみません」


俺はシーラを抱っこするも、申し訳なさそうにするシーラ。


「何言ってんだ、俺達はパーティーだ。気にするな」


気落ちしているシーラに、元気を出してもらおうと笑顔を見せながら話す。


「は、はい。ありがとうございます」


効果はあったみたいで、シーラは俺の胸に顔を埋めた。


「おら、あんちゃん達イチャついてねぇーで行くぞ!」


「イチャついてませんが、了解です」


「行くよ皆」


「はい」


「ああ」


「おう」


イリヤさんが言い、俺達は返事をした後、地上に向かって下水道の中を走り出した。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ