16シーラ対キリングマウス
ギン、ギンッ
「いや、はっ」
『ヂュ』
快斗が応援に行ってから、シーラはキリングマウスとギリギリのやり取りをしていた。
やっぱり、快斗さんをこいつから引き離して良かった。
快斗さんには申し訳ないけど、人を守りながら相手できるモンスターではない。
『ヂュー』
ブンッブンッ
キリングマウスが、手を交互に振り回して攻撃してくる。
こいつは、図体があるも中々に動きが素早いので、攻撃を避けてばかりいると、いつの間にか壁際に追い詰められ、逃げ場をなくしやられてしまう時がある。
「はぁ!」
シーラは、短剣でキリングマウスの足を切りつけた。
ザシュ!
『ヂュヂュ!』
「ちっ、あまり深くは傷をつけられない」
キリングマウスは、シーラにナイフで切られるも、硬い皮膚、体毛があるため深く傷をつけられない。
「でも、確実に効いてはいる」
押し切れると感じたシーラが、また攻撃に転じようとした時。
ズルッ、
「しまった!」
シーラは地面の水に足を取られてしまった。
『ヂュッ!』
ドゴォ。
「かはっ」
その隙を見逃さずキリングマウスは殴り付け、シーラはドカッと壁にぶつかり、ずり落ちる様に倒れた。
「ぐ、う」
『・・・』
キリングマウスは、痛みで体が自由に動けないシーラの下にゆっくり近づいていく。
そして、シーラの苦悶の表情を見、勝利を確信したキリングマウスは、さらにシーラを殴りつけ始めた。
『ヂュヂュヂュー!』
ドスッ
「ゔっ」
ドスッ
「あぐっ」
ドスドスッ
「く、うぐ」
『・・・、ヂュー』
嬲るのを飽きてきたキリングマウスは、止めを刺そうと、爪を立ててシーラへ近づいて行こうとした時、キリングマウスは何かに気付いた。
しかし、辺りを見回しても異常は無い。
と、思った瞬間。
「俺の仲間に何しやがんだ!」
暗闇の奥から声と共に、石が凄い音を立ててキリングマウス向かって来た。
『ヂ』
ドゴォ!
石が当たったキリングマウスは、水切りの石の様に2回跳ね、下水の水に沈んだ。
書いていると、色んな言い回しがある事に気付くも、どの言い回しが正解かは分からない。