14初仕事
ギルドカードを作ってからすぐ、俺は仕事をすべく依頼書を見ていた。
ギルドの依頼はA〜Fランクまであり、ランク毎に依頼書がファイリングされている。
もし、自分より高いランクを受ける場合は、パーティーにそのランカー2人いれば良いそうだ。
ちなみに、昇格するにはとにかく実績を積んで、ある時ギルド側が昇格試験わ兼ねた依頼を出して来るらしい。
依頼達成したら、晴れて上のランカーになる。
もちろん俺は、どこのギルドにもいた事なかったのでFランクです。
シーラには、事情がありあえて昇格試験は受けてない事にした。
「え〜と、やはり初めては薬草集めとかなのかな?」
Fランクの仕事って、やっぱ雑用がほとんどなんだな。
「決まりました?私はどれでもいいですよ?」
後ろからシーラが話しかけて来た。
「ありがとう、シーラも一緒ならこのシザードッグ討伐にしても良いか?」
シザードッグ、Fランクでは最強の部類に入るモンスターで、口がクワガタみたいになっている。
その口さえ気を付ければいいのだが、いかんせんスピードが速くてFランクに討伐は難しい。
「シザードッグですね、大丈夫です。余裕ですよ!」
Cランクのシーラには楽な仕事らしいみたいで、自分の胸をドンと叩くから、それなりにある胸が弾んだ。
「じゃ、じゃあ、これ受け付けに渡して来るよ」
「はい」
さぁ、俺の記念すべき獲物になってくれシザードッグ!
◇
「まさかの武器無しで行こうとしたなんて、無謀過ぎです」
「いやー、素手でも良いかななんてさ」
「良い訳ないでしょう」
あの後、俺は受け付けに行き、依頼書を渡して受理して貰おうとしたら、受付のお兄さんに武器を聞かれた。
当然、俺は。
「素手でです」
と、答えた。
そしたら、お兄さんがキレた。
「おんどりゃー、ステゴロでモンスターを討伐するなんて無謀すぎんじゃー!武器無きゃ承認できる訳ないだろうが」
「は、はいいい!」
そんなやり取りをしていたら、シーラが来てくれて何とかその場は収まった。
「結局、下水道掃除か。ごめんね、シーラ」
武器無しじゃ外へ出せないとなったため、薬草も採取できない。
だから今、俺達は唯一できる仕事、町の中にある下水道掃除をしている。
「大丈夫ですよ、まずは宿代とご飯代を、稼がないとですしね」
「うう、シーラが優しすぎて女神に見える」
俺は泣きそうになるのを堪え、下水道にあるゴミを集めた。
武器買うまでは、町の外にも出られないのか。
前途多難だな。